塩を作ろう
【蒼の守護者:蒼の宝玉を守る使命を与えられた者に与えられる称号:防御+20】
うん、わからない。
とりあえず、この球が蒼の宝玉だということと、とんでもないお宝だということはわかった。
でも、使い方もわからないし、使っていい物かどうかもわからない。
なので、アイテムBOXに収納した。
まぁ、これで立派に守ってる事になるよな。だって、僕しか取り出せないんだから、防犯機能は完璧だ。
アルセーヌ・ルパンでも盗み出すのは不可能じゃないだろうか?
ノーチェが人質に取られて、蒼の宝玉と交換とか言われたら間違いなく差し出すけどね。
とりあえず、来た道を戻って行き、今度は蟻の巣の入り口に向かう道を掘って進んでいった。
そこでも蟻を回収して、地上に戻ったときには、蟻の数は60匹を超えていた。
蟻の巣としては少ないが、巨大な蟻だからとても多く感じる。
とりあえず、全部蟻を取り出して、
「水球!」
水でさっと洗い流す。
そして、平らな岩を見つけて、そこに並べた。
一度に乗せれるのは7匹が限度か。
とりあえず、塩を振りかける。
塩もだいぶ減ってきた。
「落穴!」
岩の下に穴を掘り、火の息で穴の下に火を噴きだす。
火の息は疲れるが、MPもHPも消費しない。むしろ、HPの回復速度が上がっているくらいだ。
僕の身体に飛び火して、HPを回復させているのだろう。
5分焼くと香ばしい匂いがしたので、焼き蟻をアイテムBOXに収納し、別の7匹を並べてまた火の息で焼く。
【スキル:火の息のレベルが2に上がった】
お、レベルアップ来た。
火力が上がった気がする。
火の息のレベルが上がったことで時間短縮でき、次々と蟻の塩焼きが出来上がっていった。
焼き続けること40分。クイーンアント以外の全ての蟻を焼き終えた。
そして、僕はアイテムBOXから一匹ずつ蟻を取り出して、ぼりぼりと蟻を食べていく。
【スキル:“捕食”の効果により経験値30獲得】
んー、酸味が利いているが、毒になることはない。仄かな塩味がいい。
これはコーラが欲しくなる。
【スキル:“捕食”の効果により経験値30獲得】
味はエビに近いかな。そういえば、セミもエビに近い味なんだっけ? 声帯の部分は取り除かなくてはいけないそうだけど。
【スキル:“捕食”の効果により経験値30獲得】
エビか。これはあれだな、やめられない止まらない、だな。
【スキル:“捕食”の効果により経験値30獲得】
消化促進のおかげで胸やけすることもないし、いつまでも食べ続けられそうだ。
【スキル:“捕食”の効果により経験値30獲得】
あぁ、本当にコーラが欲しい。作れないか?
【スキル:“捕食”の効果により経験値30獲得】
【スキルポイントを25支払い、錬金術を取得しますか?】
へぇ、錬金術か。そんなのあるなら欲しいな。
【スキル:“捕食”の効果により経験値30獲得】
【スキル:錬金術を取得した】
【称号:アルケミストを取得した】
あぁ、コーラ欲しい……ってあれ?
食べる手を止めて、僕は自分のステータスを確認した。
……あぁ、無意識に錬金術のスキルとってた。
スキルポイント25って勿体ない!
アルケミストの効果はMP+5か。
まぁ、称号が手に入っただけマシと思っておこう。
それに、コーラが作れるのならなおいい。
で……どうやってコーラを作ればいいんだ?
スキル鑑定で錬金術の説明を見る。
えっと、錬金術は、アルケミーと唱えると使うことができるらしい。
あと、錬金術を使うには、材料とレシピが必要。
って、僕、レシピなんて持ってないんだけど。
え? レシピってどうやって入手したらいいの?
人間の町に行けばいいってわけ?
【スキルポイントを9支払い、魔導書記を取得しますか?】
……あぁ、自分でレシピを作るのね。
前に覚えられるスキルを確認したときはなかったスキルだけど、入手条件でもあったのだろうか?
毒を喰らわば皿までだ。
【スキル:魔導書記を取得した】
【スキル:“捕食”の効果により経験値30獲得】
称号は……ないと。
蟻を食べながら、僕は魔導書記について調べる。
魔力を条件放出して、レシピや魔道書を作成するスキルだそうだ。
ちなみに、作れるレシピや魔道書は以下の通り。
……………………………………………………
・魔法書
着火 5日
土針 5日
水球 5日
微風 5日
ヒール 10日
・レシピ
塩 30分
蒸留水 10分
ポーション 2時間
銅インゴット 1時間
鉄インゴット 3時間
……………………………………………………
あと、魔力の放出条件というのは、MPの残量がいくつ以上の時、というものだ。
そしてコーラがない!
レベルが足りないのか、それとも他に条件があるのか。
【スキル:“捕食”の効果により経験値30獲得】
とりあえず、塩のレシピを覚えてみようか。
蟻を食べながら、魔力放出条件を、MP残量100以上に設定して塩レシピ取得開始。
といっても、何もしていない。蟻を食べているだけだ。
MPの減り具合も緩やかなもので、MP自動回復があるおかげか、10分経過しても3減っただけだ。
そして、30分後。
【レシピ:塩の魔力を入手しました。固定化するか学習取得してください】
ちなみに、固定化とは、巻物や羊皮紙に書き記して他の人にも使えることにすることらしい。
学習取得は、レシピをそのまま覚える行為だとか。
【レシピ:塩を学習した】
すると、脳内にレシピが浮かぶ。
えっと……塩の材料は……海水。
あぁ、そうですか。
「って、海水から作るなら、錬金術がなくても塩くらい作れるよ!」
蟻を食べながら、僕はそう叫んだ。
そして、43匹目の蟻を食べたとき、
【ヴィンデのレベルが上がった。各種ステータスがアップした。スキルポイントを手に入れた】
とうとうレベルが上がった。
だが、恐れていたことが起きたようだ。
レベルが15に上がってもMAX表示もなく、進化先も表示されなかった。
どうやら、次の進化までの道のりはまだ長い様だ。




