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蟻の巣捜索

 落とし穴に戻ると――穴の底がひどいことになっていた。


「ぐえっ」


 穴に来る前からその臭いで予想できたことだが、見てみると想像以上にひどかった。

 あれは――スライムの核、ってことは死んだのはスライムだったか。


 針に突き刺さっている物体の正体を見極めて、俺はそう理解した。


 もちろん、リベルテじゃないが、リベルテと同じスライム族ということで、少し罪悪感のような感情が芽生える。

 もっとも、すぐに割り切ることにした。


 そして、そのスライムの核が砕けたことにより、スライムが纏っていた粘液が落ちていったのだろう。紫色の――毒々しい色の粘液。

 だが、粘液はほとんど残っていない、どこにいったのかと思ったら、針穴の隙間に、少し大きな穴がある。


 そして、その穴の上に蟻が一匹浮かんでいた。


(そういうことか)


 昔、蛇口にホースを取り付けて、蟻の巣穴に水を突っ込んだという悪ガキがいた……気がする。


 記憶喪失なので誰が犯人か、そのあたりの記憶は曖昧なんだけど。

 

 それと似たようなものだろう。スライムの粘液があの穴――おそらく蟻の巣の中に入って行ったんだろうな。

 それだけで倒せるのか――と思ったが、それだけで十分だ。


 僕自身の状態を確認し、苦笑した。

 穴の上にいるだけなのに、僕自身が毒状態になっていた。スライムの粘液から出るガスが、毒ガスなのだ。

 おそらくだが、蟻の巣穴の中には毒ガスが充満していることだろう。

 殺虫剤にしては強力すぎる。


微風ソフトウィンド!」


 とりあえず、風で穴の中に蔓延している毒ガスを飛ばし、


土壁アースウォール!」


 スライムの突き刺さった針を壁に変えて上方に押し上げる。

 そして、僕はスライムの核とまわりの粘液に舌を伸ばした。舌が毒を感じ取ったのか、びりりと痺れる感触がある。

 でも、それを無視して食べた。


【スキル:“捕食”の効果により経験値230獲得】


 うん、まずい。

 ポイズンスライムの経験値が80だったのに、捕食で5倍の400の経験値がないのは、170に値する部分が粘液として零れているからだろう。


「キュア! ヒール!」


 とりあえず、自分の体の状態を治して、僕は穴の中に入って行くことにした。

 土針は、さっき壁を作ったときに消えていたので、軟着陸で問題なく着地に成功。地面に残っていたスライムの粘液を舌を伸ばして食べて経験値を少し獲得しつつ、新たな毒ガスの発生を抑える。

 そして、穴の向きを確認し、


微風ソフトウィンド微風ソフトウィンド微風ソフトウィンド!」


 穴の中に向かって風を送り続ける。

 これで、穴の中に篭っている毒ガスを減らそうという目論見だ。

 だが、スライムの粘液が詰まっているのか、少し毒ガスが逆流してきただけだった。


落穴ピット!」


 とりあえず穴を広げてみた。穴は普通の蟻の穴よりは大きいが僕が入るには狭いし、生き残りの蟻と戦いになったりしたら危険だからな。すると、穴の底に粘液と蟻の死骸がぽとぽとと落ちた。蟻は20センチはある巨大蟻だ。

 落穴は石は無くすくせに、蟻の死骸やスライムの粘液は消し去らないのか。


 まぁ、それなら都合がいい。

 蟻とスライムの粘液を食べて、再度治療魔法を唱えて毒を消す。

 蟻は酸味が利いているが塩味もあって、スナック菓子みたいに癖になる味だな。


 ただ、毒が残っているかもしれないから、とりあえず、次からはアイテムBOXに入れていこう。

 キュアをしたら問題ないとはいえ、どれだけ穴を掘らないといけないかわからないからな。


 穴は左右にのびていた。

 まずは右に微風ソフトウィンドを使ってみる。毒ガスが逆流してきたのを感じた。

 ということは、こっちは行き止まりか、スライムの粘液が詰まっているか。


 次に左に微風ソフトウィンドを使ってみる。だが、風が戻ってこない。

 感覚強化スキルによって風の流れくらい簡単に感じ取れる自分が偉いな。


 ということは、こっちは地上に通じている。


 なら、まずは掘るのは右側だ。

 おそらく、こっち側に女王蟻がいるはずだ。

 経験値もその蟻が一番大きいだろう。もしかしたら、蟻の溜め込んでいた餌などもあるかもしれない。それらも食べかけとしたら悪食によって経験値になるかもしれないしな。


落穴ピット!」


 再度蟻がぽたぽたと落ちる。

 スライムの粘液は見当たらない。

 とりあえず、落ちた蟻をアイテムBOXに入れて、再度穴を広げていく。


 すると、見つけた。

 一際大きい赤色の蟻がいた。おそらく女王蟻なんだろうな。


 マザーアントの周りには彼女を守ろうとした蟻が積み重なるようにして倒れていた。

 もしかして、マザーアントの死因は圧死じゃないだろうか?


 なんて邪推しながら、とりあえず全ての蟻の死骸をアイテムBOXに収納。生き残りはいなかった。

 いても助けるつもりはないけど。


「ん?」


 さらに奥に通路が続いている。

 ここが最奥じゃないのか。


落穴ピット


 さらに奥に掘ってみる。

 蟻の死骸はない。

 だが、代わりにそこにあったのは、光っている青い球だった。


……………………………………………………

-【-】 レア:★×8


鑑定レベルが足りません

……………………………………………………


 よくわからないアイテムだけど、まぁ、レアっぽいし、アイテムBOXに入れておくことにした。


【称号:蒼の守護者を取得した】


 称号変換による増加を含め、防御力が21も上がった。

 なんか凄いものを見つけたようだ。

アリの巣コ□リ(伏字が伏字になってない)


称号変換入手直後からの変化

……………………………………

名前:ヴィンデ

種族:ファイヤーサラマンダー(メラニスティック種)

レベル:14


HP 209/212(+10)

MP 131/182(+9)

状態:記憶喪失

スキルポイント42(-1)


攻撃 188(+19)

防御 154(+29)

速度 197(+8)

魔力 166(+10)

幸運 32

経験値補正+20%


スキル:【捕食:Lv5】【言語理解:Lv2】【叡智:Lv3】【ステータス把握:Lv4】【スキル鑑定:Lv6】【索敵:Lv4】【泡:Lv3】【献身:Lv1】【硬い鱗:Lv1】【鋭い歯:Lv3】

【肺呼吸:Lv2】【土魔法:Lv4】【鮫肌:Lv2】【HP自動回復:Lv2】【忠義:Lv2】【毒攻撃:Lv2】【回復魔法:Lv3】【マッピング:Lv3】【嗅覚強化:Lv3】【変身:Lv4】

【擬態:Lv2】【良眠:Lv3】【テイム:Lv2】【君主:Lv3】【称号鑑定:Lv5】【挟力UP:Lv1】【悪食:Lv2】【アイテムBOX:Lv5】【尻尾攻撃:Lv2】【MP自動回復:Lv2】

【水魔法:Lv2】【風魔法:Lv1】【火魔法:Lv1】【美味しそうな香り:Lv1】【火の息:Lv1】【麻痺攻撃:Lv3】【感覚強化:Lv1】【軟着陸:Lv3】 【暗闇攻撃:Lv1】【鑑定:Lv2】

【脱兎:Lv1】【スケープゴート:Lv1】【経験値貯金:Lv1】【毒針:Lv1】【舌攻撃:Lv1】【蜜採取:Lv1】【殻篭り:Lv1】【吸着:Lv1】【体当たり:Lv1】【孤独耐性:Lv1】

【称号変換:Lv1】【消化促進:Lv1】【沈黙攻撃:Lv1】【猛毒攻撃:Lv1】【酸攻撃:Lv1】



称号:【転生者】【異世界魚】【記憶喪失】【捕食者】【蟹の天敵】【子持ち】【子沢山】【スキル収集家見習い】【魔術師】【出世魚】

【称号収集家見習い】【ハートブレイク】【ネームドモンスター】【毒持ち】【癒し手】【迷宮ウォーカー】【魔王を討伐せし者】【スキル収集家】【共生】【支配者】

【称号収集家】【貝の天敵】【レアアイテムイーター】【異世界有尾類】【レアモンスター】【スキルマニア】【小金持ち】【四大元素魔術師】【レアハンター】【怪人10面相】

【称号マニア】【木登り手習い】【暗闇持ち】【スキル辞書編纂者】【蜂の天敵】【蛙の天敵】【スキル編纂室長】【麻痺持ち】【沈黙持ち】【猛毒持ち】

【称号辞書編纂者】【蟻の天敵】【巣窟破壊】【蒼の守護者】

……………………………………



 活動報告にもありますし、他の作品でも報告していますが、私が書いているチートコードで俺TUEEEな異世界旅、書籍化決定しました。

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