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落とし穴を作ろう

 夜の間に、猛毒キノコを食べて「猛毒持ち」の称号と「猛毒攻撃」のスキルを入手。

 さらに称号が40個になったので、「称号辞書編纂者」を入手して、「称号鑑定」のレベルが5に上がった。


 6秒にHPが1下がるという、毒の10倍の威力の猛毒。ヒールが欠かせなかった。「MP自動回復Lv2」がなかったら、MP切れで中断していただろう。

 それでもMPが残り20くらいまで下がったからなぁ。


 夜が明けて、僕はとりあえず南東へ向かって歩いていた。

 南東――ノーチェのいるエルフの村がある方角だ。


 別に深い意味はない。今の僕は村に近付くことはできないからな。

 ただ、寂しいんだよ。孤独耐性があっても寂しいものは寂しい。


「やっぱり強くなるには進化だよな」


 言っていることを180度変えて、僕は進化への道を本気で考えることにした。

 ここで役立つのは、消化促進。

 これのおかげで、いつもより多くの肉を食べることができるからな。


 アイテムBOXから、僕が狩った魔物を取り出して食べていく。


【スキル:“捕食”の効果により経験値40獲得】

【スキル:“捕食”の効果により経験値95獲得】

【スキル:“捕食”の効果により経験値80獲得】

【スキル:“捕食”の効果により経験値100獲得】

【スキル:“捕食”の効果により経験値125獲得】

【スキル:“捕食”の効果により経験値330獲得】

【ヴィンデのレベルが上がった。各種ステータスがアップした。スキルポイントを手に入れた】


 おぉ、レベルアップ来たぁぁぁっ! 最後に食べたのは毒蛇だった。

 クイーンスネークほどではないが、そこそこ大きな蛇だった。そのため、倒すのに苦労した。遠くから毒針を撃って毒状態にしてから逃げ、時間をかけて倒した。


 毒蛇なのに毒で殺した。

 ファイヤーサラマンダーが焼き殺されるようなものだろう。まぁ、僕は火耐性が100を超えているので焼け死ぬことはないが。でも、どうなんだろ? 3000度の熱線とかなら死ぬんだろうか?

 明らかに生物の耐えられる熱じゃないけれど。


 んー、雪女を凍らせることができるのか? みたいな考えなので、考えるだけ無駄だろう。そんな熱線を放ってくる敵がいるとしたら、逃げるのが先だ。


 それにしても、あとレベル1上がればレベル15か。

 進化先の選択肢にもにもよるが、次は爬虫類に進化することになるだろう。

 とすれば、竜まであと一息だ。


 もちろん、レベル15で進化ができるようになるのなら、の話だ。


 他に何か効率的に経験値を得られるようになる手段はないだろうか?


 捕食と経験値補正1.2倍のおかげで、通常の7.2倍の経験値が手に入っているんだけどさ。


 んー。


「あ、そうだ」


 何も僕が直接殺さなくてもいいんじゃないか?


落穴ピット


土針アースニードル 土針アースニードル 土針アースニードル 土針アースニードル


土壁アースウォール


 深い穴を掘り、穴の底に針の底を作り、紙のように薄い床をはる。

 そして、その床の上にそのものに美味しそうな香りを付加させる。


 簡易トラップの完成だ。


 落穴ピットで落とし穴を作ることを思いつくなんて僕くらいだろう。

 いえ、ウソです。むしろ、魔法の名前を見るとそっちがメインです。落穴で横穴を掘るなど、土を掘ることを目的で使っていた僕のほうがおかしかったです。ごめんなさい。


【スキル:土魔法のレベルが4に上がった】


 おぉ、土魔法ばっかり使っているせいで、土魔法のレベルが4に上がった。

 土魔法さん、いつもありがとうございます。土耐性があがり、さらに、新しい魔法を入手した。


 土人形アースドール


 使ってみるか。


土人形アースドール!」


 魔法を唱えた。

 すると、土が盛り上がり、人の形になった。人間の形だ。

 予想通り。まるでゴーレムだな。


「動けるのか? 動けるなら、右手を上げてみてくれ」


 そう言うと、土人形は右手を上げた。

 おぉ、なかなか凄いな。


 あとは制限時間か。


 土人形を作るにはMPの消費が5必要だった。

 そのうえ、若干であるがMPは回復せずに減って行っている。

 

 MPは継続消費しているようだ。


 そこまで考察したところで、ふと索敵スキルに魔物の気配が表示される。色は若干薄い赤色。

 強敵ではないが、倒すのに少し苦労する程度。

 今作った罠の匂いにつられてきたのだろう。


 なら、逃げるが勝ちだ!


 土人形の魔法を解除すると、土人形は崩れ落ちた。いくつか顔のパーツが残っていて気持ち悪いが、そのままにして走る。


 しばらく歩くと、


【経験値80取得】


 おぉ、罠が成功したようだ。


 結構深く掘ったからなぁ。空を飛べない限りは避けられないだろう。針がなくても落下のダメージだけで死ぬかもしれないくらいの深さだ。まぁ、僕みたいに軟着陸のスキルがあれば無事かもしれないから一応作った針床だ。

 もっといっぱい掘ってもいいかもな。

 幸い、嗅覚強化によって、僕自身が出した美味しそうな香りは区別できるから、自分の作った罠に自分がかかることはない。

 

 でも、今は土人形のほうが気になっている。


土人形アースドール」 


 今度は詳細にイメージして土人形を作った。

 ノーチェそっくりの可愛い女の子を作りたいという願望はあったが、僕がノーチェの夢をみたように、ノーチェもまた僕の夢を見ている。自分そっくりの土人形を作っていると知られたら、女の子は喜ぶだろうか?

 一部の奇特な人は「そこまで私のことを思ってくれているなんて」と思うかもしれないが、ノーチェが一部の方の可能性だけを考慮するわけにはいかないからな。


 なので、想像して作ったのは、甲冑に身を包んだ騎士の男だった。

 ……おぉ、西洋甲冑、カッコいい! 土の剣まで持ってる。


 甲冑の隙間から人の顔のようなものも見えるが、もちろん色はついていないので完全に土色で、どれだけ上手に作っても、人間に化けて町に潜入、みたいなことは無理だろう。


 MP消費が7か。さっきより少し大きいからな。

 もしかしたら、土人形アースドールは作る人形の大きさによってMPの消費量が変わるのかもしれない。


 ……ただ、人前に出るとき、ローブを着せて、仮面をかぶらせたら、人間と会話くらいはできるかもしれない。

 うん、できる。甲冑の隙間に僕が入り込んで、僕が代わりに喋ればいい。


 怪しい人として逃げられる可能性もあるが。


 あとは、土人形の強さが気になるな。今はMPが若干減っているが、MP自動回復のレベルが上がれば、MPの増減が平衡状態になるかもしれない。とすれば、寝ながらにして魔物を狩り続けることができる。


「よし、土人形! その若木を斬って見ろ!」


 僕が命令すると、土人形は鞘から土の剣を抜き、若木に斬りかかった。


 見事に真っ二つに両断。


 ただし、両断されたのは土の剣のほうだった。


(弱ぇぇぇっ!? え、土針アースニードル土壁アースウォール並みに頑丈だと思ってたんだが)


 いや、剣も細い剣だったからな。


「よし(全然よくないけど)、土人形、次は若木に向かってパンチだ」


 僕が命令すると、土人形は若木に向かって手袋に身を包んだ拳を若木にぶつけた。


 砕け散った。


 土人形の拳が。


 無理だ。こいつは戦闘には使えない。

 だが――見ていると、腕は再生されていくし、剣もいつの間にか鞘の中に再生されていた。


 なるほど、最弱だが、再生力だけはあるのか。


 んー、これは何かに使えるかもしれないが、


【経験値6取得】


 あれ? また経験値が。丸見えの落とし穴にかかった間抜けがいるのかな?


【経験値6取得】

【経験値6取得】

【経験値6取得】

【経験値6取得】

【経験値1取得】

【経験値6取得】

【経験値6取得】

【経験値6取得】

【経験値6取得】

【経験値6取得】

【経験値6取得】

【経験値1取得】

【経験値6取得】

【経験値6取得】

【経験値6取得】


 ちょ、ちょっと待て!

 なんだこれ!?

 今も経験値が増え続けている。

 何が起こった?


【経験値6取得】

【称号:蟻の天敵を取得した】

【スキル:酸攻撃を取得した】

【ワークアントに変身可能です】

【変身レベルが3に上がりました】

【マウントシェルに変身可能です】


 え? 蟻?

 僕、蟻を大量虐殺しちゃったの?

 変身できる数が一定数になったので、変身スキルのレベルがあがり、ヒルシェルの進化先であるらしいマウントシェルへの進化が可能になった。


【経験値6取得】

【経験値6取得】

【経験値120取得】

【称号:巣窟破壊を取得した】


 巣窟破壊って何?

 魔物の巣を壊した者に与えられる称号? 攻撃力+10?

 蟻の巣を壊しちゃったの?


 原因があるとしたら、さっきの穴だ。

 一体、何があったんだ?


 今ので経験値800くらい増えたけど、もしも倒した蟻(?)を全部食べたらレベル15になれるんじゃないかな?

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