対決、巨大フナムシ
マウントシェルはやっぱり経験値がそこそこうまいな。
一匹につき経験値192。貝の天敵称号は持っているから、称号は得られないだろうが、それでもこの経験値が続けば、レベルアップができそうだ、と思った時だった。
リベルテは自分で獲ってきた魚や海草、蟹などを食べるのに夢中になっていたので、僕は遠慮なく貝を食べることができた。
【ヴィンデのレベルが上がった。各種ステータスがアップした。スキルポイントを手に入れた】
思った通りレベルが上がった。
……………………………………
名前:ヴィンデ
種族:ファイヤーサラマンダー(メラニスティック種)
レベル:12
HP 162/162(+9)
MP 135/135(+3)
状態:記憶喪失
スキルポイント9(+2)
攻撃 125(+3)
防御 82(+3)
速度 151(+2)
魔力 118(+3)
幸運 32
経験値補正+20%
スキル:【捕食:Lv5】【言語理解:Lv2】【叡智:Lv3】【ステータス把握:Lv4】【スキル鑑定:Lv5】【索敵:Lv4】【泡:Lv3】【献身:Lv1】【硬い鱗:Lv1】【鋭い歯:Lv3】
【肺呼吸:Lv2】【土魔法:Lv3】【鮫肌:Lv2】【HP自動回復:Lv2】【忠義:Lv2】【毒攻撃:Lv2】【回復魔法:Lv3】【マッピング:Lv3】【嗅覚強化:Lv3】【変身:Lv3】
【擬態:Lv2】【良眠:Lv2】【テイム:Lv2】【君主:Lv3】【称号鑑定:Lv4】【挟力UP:Lv1】【悪食:Lv2】【アイテムBOX:Lv5】【尻尾攻撃:Lv2】【MP自動回復:Lv2】
【水魔法:Lv2】【風魔法:Lv1】【火魔法:Lv1】【美味しそうな香り:Lv1】【火の息:Lv1】【麻痺攻撃:Lv2】【感覚強化:Lv1】【軟着陸:Lv3】 【暗闇攻撃:Lv1】【鑑定:Lv1】
【脱兎:Lv1】【スケープゴート:Lv1】【経験値貯金:Lv1】【毒針:Lv1】
称号:【転生者】【異世界魚】【記憶喪失】【捕食者】【蟹の天敵】【子持ち】【子沢山】【スキル収集家見習い】【魔術師】【出世魚】
【称号収集家見習い】【ハートブレイク】【ネームドモンスター】【毒持ち】【癒し手】【迷宮ウォーカー】【魔王を討伐せし者】【スキル収集家】【共生】【支配者】
【称号収集家】【貝の天敵】【レアアイテムイーター】【異世界有尾類】【レアモンスター】【スキルマニア】【小金持ち】【四大元素魔術師】【レアハンター】【怪人10面相】
【称号マニア】【木登り手習い】【暗闇持ち】【スキル辞書編纂者】【蜂の天敵】
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んー、ステータスの上昇率はあまりよくないな。
あと3レベル上がればいいのか、それとも今度は20レベルで進化、もしくはそれ以上になるのかは僕にはわからないけど、まだサラマンダー。ドラゴンへの道は長いなぁ。
にしても、だいぶ腹が膨れた。
今日はここで寝ようか――そう思った時だった。
「リベルテ! 岩の上に上がれ! 奴が来る!」
くそっ、リベルテがオーシャンスライムのままだったら、楽勝だったのに。
だって、オーシャンスライムのHP、僕よりもはるかに高いんだし。
こっちの先手必勝といかしてもらう!
――スケープゴート! からの美味しそうな香り!
可愛い僕の姿のぬいぐるみが登場、そのぬいぐるみに美味しそうな香りを付加させる。
「リベルテ、そこから絶対に動くな」
美味しそうな香りで飛び出そうとするリベルテを制し、僕は待った。
そして――奴は現れた。
スケープゴートがいた砂ごと飲み込まれ――それの口の中で爆発を起こす。
やったか!?
全長3メートルはあると思われる巨大なフナムシを見て、俺は次の魔法の詠唱準備をする。
【エグジル:HP121/194】
前よりも僅かにだが強くなっている。レベルアップしているのか!?
「土針! 土針! くそっ、火の息!」
土針で動きをとめようとするが、土針によって作られた土の槍ごと壊してエグジルが近付いて来て、接近してきた相手に火の息を吹きかける。
だが、それでもエグジルを止めることはできず、奴の身体によって僕は吹き飛ばされた。
ぐっ、いっきに3割近いHPが削られる。いてぇぇっ! 久しぶりだ、この痛み!
今までは安全マージンどころか、完全安心マージンの中で生活していたから、忘れていた。
生きるか死ぬかの戦いだ。
そして、僕は岩に激突する寸前、体が勝手に受け身を取った。おかげで二度目のダメージは回避できた。
これは、軟着陸のスキルのおかげか。そうだ、僕は確実に強くなっている。
コーラサラマンダーのままだったら今の一撃で危なかった。軟着陸がなかったらさらにダメージを受けていた。
火の息という中距離の攻撃法も手に入れたし、それに――
「ヒール!」
自分のHPを回復させつつ僕は不敵な笑みを浮かべた。
エグジルの動きが徐々にだが遅くなる。
効果があったのだ。麻痺攻撃を付加させた火の息が。
よし、これで倒せる。そう思った時だった。
エグジルの口が――無数の歯のようなものが見える口が開き、そこから針のようなものが飛び出してきた。
やば、逃げられない、そう思った時だった。
僕が軟着陸した岩――それはリベルテが避難した岩だったらしく――リベルテが僕と針の間に飛び降りてきた。
「リベルテぇぇぇぇっ!」
リベルテに、無数の針が突き刺さって――、その針の一つが核に突き刺さっていた。




