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リベルテ盛りだくさんでお送りします

 進化ってそんな簡単にできるものなのか?

 と思ったが、リベルテは実際に進化していた。

 ステータスも結構上がっているし、スキルも覚えている。

 そして――体が燃えている。


「おい、リベルテ! 大丈夫なのか!?」


 僕が訊ねるとリベルテはぷるぷる跳ねた。

 大丈夫そうだ。HPも減っていないし。

 きっと、火耐性が高いのだろう。100%か、もしくは僕のように100%を超えてむしろ炎で回復するか。


「面白いですわね、私と勝負するスライムがまだいたなんて」


 フリーズが叫んだ。まだいたって、以前にもいたのか、スライムに戦いを挑まれたことが。

 しかも、その表現からするに、一匹や二匹じゃないだろ。

 なんだ、この魔王、スライムに喧嘩売られるのがかつては日課だったのか?


 それともこの地方のスライムは魔王並みに強いのか?


「では、行きますわ! って燃えてるぅぅぅっ!」


 あぁ、燃えてるよ。そりゃ、花だらけのところであんな燃える体をしていれば、花壇に燃え移るよ。


「あぁ、私の花壇が! 蜜のもとが」


 フレーズが叫んだ。

 お前のじゃねぇだろ、ここは今のところフリーズのダンジョンだろ。


 てか、それどころじゃない。僕も炎は平気だけど、下手したら酸欠で危ないぞ。

 リベルテは二酸化炭素を食べて生きれそうだけど。


水球ウォーター! 水球ウォーター! 水球ウォーター!」


 水の球があちこちから現れて炎の上に落ちていく。

 だが、それ以上に燃え広がっている。


「お姉さま! ここは危険です、早く逃げましょう!」

「え、あ、フリーズ逃げるの! じゃあ勝負はリベルテの勝ちで私が今日から魔王ね」

「それどころじゃねぇだろ! このままじゃ二人とも焼け死ぬぞ! 水球ウォーター! 水球ウォーター!」


【水魔法のレベルが2に上がった】


 お、ここでご都合的に水魔法レベルが上がった。

 これで、いっきに消火活動が――てあれ?


 覚えたのは水流操作ハイドロウェーブ

 文字通り、水流を操作する魔法――って使えねぇっ!


「お姉さま、逃げましょう!」


 フリーズがフレーズの手をとって飛び去ろうとしたが、フレーズがリベルテを見て、


「え? あ、うん、それなら大丈夫ね」


 と独り言のように言った。


水球ウォーター水球ウォーター水球ウォーター……え? 何が大丈夫なの?」

「いや、だってリベルテが蜜が無くなったら蜜が食べられなくなるって言って」

「言って?」

「炎を食べるって」


 ……炎を食べる?


 次の瞬間だった。

 リベルテの身体が弾けた。それはもう木っ端みじんに。


「リベ……リベルテぇぇぇぇぇっ!」


 え? なんだ、一体何がおこったんだ?

 リベルテの身体が細かくバラバラに砕けた。


 なんだよ、HPは全然減ってなかったぞ。

 もしかして、即死魔法? 内側から爆破魔法?

 一体、誰がこんなことを――ん?


 リベルテのスライム片がぷるぷると動き出した。

 って小さいリベルテ!?


 赤いスライム片を見ると、全てのスライムにスライムの核が2個ある。



……………………………………

名前:リベルテ

種族:ファイヤースライム(ダブル)

レベル:1

忠誠度:86


HP 1/1

MP 12/30

状態:通常

スキルポイント2


攻撃 40

防御 32

速度 29

魔力 50

幸運 20

経験値補正+20%


スキル:【感覚強化:Lv4】【体当たり:Lv2】【暴食:Lv6】【胃拡張:Lv4】【消化促進:Lv3】【毒攻撃:Lv1】【麻痺攻撃:Lv1】【混乱攻撃:Lv1】【暗闇持ち:Lv1】【睡眠攻撃:Lv1】【忠義:Lv1】【味覚強化:Lv1】【胞子飛ばし:Lv2】【苗床:Lv1】【酸攻撃:Lv1】【燃える体:Lv1】【分裂:Lv1】


称号:【レアモンスター】【食王】【毒持ち】【麻痺持ち】【暗闇持ち】【混乱持ち】【夢魔持ち】【スキル収集家見習い】【ネームドモンスター】【キャッチ名人】【称号収集家見習い】【キノコマイスター】【特殊進化体】【新種モンスター】【進化キャンセラー】【蟻の天敵】

……………………………………


 えー?

 え?


 え?


 あ、分裂のスキルがある。

 てことは、リベルテ分裂したのか。そういえばスキルポイントも6減ってるし、最大HPが1になってる。


 でも、僕は分裂を覚えられない。スライム専用のスキルなのかな。

 ということは、僕もスライムに変身していたら覚えられるのかな?

 いや、変身じゃ無理なのかな。


 って、それどころじゃない!


水球ウォーターボール! 水球ウォーターボール!」


 せめて逃げ道だけは確保しないと。

 とその時だった。


 リベルテの1体が燃える花に向かって体当たりをし――炎ごと食べた。

 その1体だけじゃない、リベルテ約50体が花や草を炎ごと食べ始めた。


水球ウォーターボール! これなら、水球ウォーターボール! いけるかっ」


 5分後、全ての炎は消え、ようやく全てが終わった。

 ふぅ、疲れた。


「皆さん、ありがとうございました、これからお茶を入れますわね」

「あ、フリーズ、私も手伝うわ」

「じゃあ、僕は簡単なお菓子でも焼こうかな。材料もあるし作ってみたかったんだ。オーブン代わりに土魔法でかまどを作ろうかな。あ、その前に風呂に入るか」


 後ろを見ると、リベルテが合体していた。

 結局赤色のまま、ファイヤースライムとして定着したようだ。


 その後、土魔法で作った浴槽に水を入れて火で沸かし、灰塗れの身体を洗ってから、前足を汚さないように、二本後ろ足で立って、歩いた。


 そして、アイテムBOXから小麦粉と砂糖、あとフリーズからマーガリンに似たものを分けてもらい、クッキーを作った。

 僕のクッキーは正直微妙な味だったが、それでもフレーズもフリーズも喜んで食べてくれたし、リベルテはもちろんおかわりを要求してきた。


 マッピングで埋まっていない場所をフリーズに案内してもらい、ダンジョン達成率が100%になったことでマッピングレベルが3にあがった。そして、最後におみやげに妖精蜜を貰い、僕たちは帰って行った。


 この蜜があれば、今度はホットケーキでも作ってみようかな。

 卵とかバターも仕入れておかないと。んー、誰か協力してくれる人間がいないかなぁ、それとも自分で作ろうかなぁ。


 いやぁ、それにしても良い一日だった。


「って、あれ!? 魔王の座を貰いに行ったのに、なんで私達帰ってるの!?」


 フレーズが帰り道にそう叫んでいたが、いやぁ、良い一日だった。

風邪ひいて更新できなくてすみませんでした。

明日は別作品の更新をする予定なので、こっちの更新は明後日になると思います。

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