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リベルテの謎を追え

 グリーンスライムの名前はリベルテに決まった。


……………………………………

名前:リベルテ

種族:グリーンスライム(ダブル)

レベル:2

忠誠度:76


HP 15/15

MP 1/1

状態:土属性

スキルポイント2

……………………………………


 忠誠度が上がっていないところを見ると、名前が気に入ったというよりは、その名前でもいいぞ、というところなんだろうな。

 このあたりはアロエとは違ってシビアだ。


 ちなみに、このリベルテ、腹がへったらすぐに土を食べる癖があり、暫くすると吸収が終わったのか茶色に変色していき、土属性になってしまう。

 状態変化の時間はだいたい30分。30分経つと元の緑色に戻り、状態は通常に戻る。


 あと、名前を断ったり、肉の味をわかったりと知能はそこそこあるのだろう。僕の言っていることもわかってるみたいだし。

 でも、僕の言うことはあまり聞かない。


 優先順位が、「食べ物>僕」なのだ。

 今は76ある忠誠度も、1日絶食を命じたら一気に0にまで落ちてしまうんじゃないかと思う。


 あと、リベルテは悪食スキルを持っていない。ということで、リベルテがレベルを上げるにはリベルテが魔物を倒さないといけない。

 スキルポイントを使って悪食を覚えさせるという手段もあるが、そもそも悪食は僕がクリーンフィッシュになったときに覚えたスキルで、いくらポイントが必要かわからない。

 ただ、スキルポイントを10ポイント消費しても覚えられないスキルなのは確かだ。


「ということで、今日からリベルテの修行を行う!」


 すると、リベルテはぷるぷると体を動かし、


【忠誠度:52】


 忠誠度を減らした。

 下がりすぎだ、24も下がってるじゃないか。もうすぐ50を下回る勢いだよ。

 どれだけ働くのが嫌なんだよ、お前は。

 でも、ここは心を鬼にして修行をさせないとな。


「といっても、リベルテは僕が弱らせた魔物を食べるだけだぞ? 腹いっぱい魔物を食えるぞ?」


 飴と鞭はもちろん使い分ける。


【忠誠度:76】


 どうやら納得したらしい。忠誠度が元に戻った。

 じゃあ、やってみるか。


【スキルポイントを7支払い、麻痺攻撃を取得しますか?】


 YESだ。


【スキル:麻痺攻撃を取得した】


 これでスキルポイントは残り29にまで下がった。

 まぁ、この程度は変身さえできればすぐに取り戻すことができる。


 森の中を暫く進むと、野鼠のグリラットを発見した。

 グリラットは僕を見つけると一目散に逃げ出そうとするが、


落穴ピット!」


 進行方向に落とし穴を掘ってやる。

 すると、グリラットは突如現れた穴に逆らうことができず落ちた。

 そして、僕はその穴の中に尻尾を入れ、できる限り手加減して麻痺攻撃をする。

 すると1回目の攻撃でグリラットが動かなくなった。


【グリラット:HP4/5】


 死んではいない。つまり、麻痺になったということだろう。

 あとはリベルテが食べやすいように美味しそうな香りをグリラットに付ける。


「よし、リベルテ、食べてい――」


 僕がそう言う前に、リベルテが穴の中にダイブした。

 グリラットを覆い、食べていく。

 まぁ、料理の味の重要な要素に匂いがあるというからな。

 美味しそうな香りをつけられたグリラットはいい御馳走かもしれない。


【グリラット:HP1/5】


 一気にHPが残り1になり、


【グリラット:HP0/5】


 そして0になった。


……………………………………

名前:リベルテ

種族:グリーンスライム(ダブル)

レベル:3

忠誠度:78


HP 16/16

MP 1/1

状態:麻痺

スキルポイント4

……………………………………


 おぉ、レベルアップしてるし、忠誠度も2上がってる。

 この調子だと、リベルテが進化できるのもすぐじゃないか?


 って、麻痺になってる!?

 麻痺攻撃を受けた魔物を食べたからか!?

 でも、僕はいままで毒状態にした魔物を食べてきたし、アロエだって食べていたけどこんな状態異常になったことはなかった。

 

 すぐにキュアで治療を――そう思ったが、あれ? こいつ色が黄色に変色しただけで普通に動いてる。

 そして、グリラットを食べ終わったリベルテは穴から飛び出して、げっぷをした。

 

 もしかして、状態異常になっても平気な種族なのか?

 謎だ。


 ……僕もグリーンスライムに変身したらわかるのか、それともこいつだけが持つ特性なのか。

 んー、よし、確かめてみるか。


 索敵スキルと嗅覚を使い、辺りに敵がいないことを確認した僕は、スライムに変身。

 うーん、死角がない、360度見渡せる光景は何度見ても驚かされる。


 そして、アイテムBOXからブラックシャークの死骸を取り出した。


「リベルテも食べていいぞ」


 僕が言うと、リベルテは喜んで尾びれを食べ始めた。

 あ、いきなりフカヒレからいくのか! 負けられるか。

 僕は負けじとブラックシャークを食べていく。

 口はないが、全身が歯という感じだな。

 背びれにまとわりついて、溶かしながら捻って潰し、体内に取り込む。

 背びれを食べ終わってレベルが1上がった。

 食べる速度はリベルテのほうが上だな。尾から順番に食べていっている。


「リベルテ、半分は僕に残しておいてくれよ」


 僕がそう叫ぶと、リベルテはこちらに対し、二回、縦に身体を振った。

 了承したということだろう。

 僕が全体の1/3くらい食べたところで、リベルテは自分の取り分を食べ終わっていた。

 属性が水に変わっていて、青色になっている。

 流石に腹がいっぱいになったのか、げっぷをしながら、ぴょこぴょこ飛び跳ねる。

 身体の中にある鮫肉が跳ねるたびに分解されていった。


 リベルテ、明らかに自分の体積と比べられないくらいの大量の肉を食ってるんだが、どうなってるんだ?

 僕の場合は捕食スキルによる胃袋の補正の賜物なんだと解釈しているんだけど。


 そして、僕がさらに食べている。残りもう少しというところで、早くもレベルが5に上がった。


【ヴィンデのレベルは最大です。これ以上経験値を取得できません】

【スキル:感覚強化を取得した】

【レッドスライムに変身可能です】


 ありゃ、グリーンスライムにはなれないのか。

 まぁ、スキルポイントが8上がったから良しとするか。

 とりあえず、元の姿に戻り、残りの鮫肉を食べた。


 結局、リベルテの謎はこの日はわからなかった。

スライム二匹で7メートル級の鮫、ブラックシャークを食べる光景。

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