見た目は全く変化していないが
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名前:ヴィンデ
種族:コーラサラマンダー(メラニスティック種)
レベル:15
HP 101/101
MP 82/82
状態:記憶喪失
スキルポイント36
攻撃 65
防御 50
速度 90
魔力 62
幸運 32
経験値補正+20%
(スキル・称号は略)
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こいつが進化します。
僕を取り囲むように集まる警備員と剣闘士。
ここで進化したら驚くだろうなぁと思いながら、進化先を選択。
昨日見た進化先を思い出す。
選択肢は今回は4つもあった。
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・コーラリザード(メラニスティック種)
コーラ地方に生息するトカゲ。
尻尾は切られてもすぐに回復できる。
取得可能スキル:【HP自動回復】
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これは通常の進化。いよいよ爬虫類も進化対象になったということか。
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・コーラジャイアントサラマンダー(メラニスティック種)
コーラ地方に生息する巨大なサラマンダー。
その巨体につぶされたらひとたまりもない。
取得可能スキル:【ジャイアントプレス】
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巨大化した場合がこれ。
どのくらい大きくなるのかはわらかないが説明文を読むと人よりは大きい。
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・黒虎【ブラックタイガー】
ブラックタイガーβから進化した海老。
漢字にしたらなんとなくいい感じになった。
取得可能スキル:【竜虎炎武】
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……この説明文は、この世界に漢字があることを前提にして話している。
いや、選ばないよ! 海老って書いてあるし!
竜虎炎武ってめっちゃ覚えたい名前のスキルだけど、進化しないよ!
演舞じゃないんだよな。どんな技なんだろ?
スキルポイントが30あってもスキルポイントが足りないって出るし。
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・ファイヤーサラマンダー(メラニスティック種)
コーラ地方の溶岩地帯に生息できるように進化した。
炎に強い耐性を持つだけでなく炎を吐くこともできる。
取得可能スキル:【火の息】
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これはなんというか、火の精霊のイメージがある。
もしかしたら、火の精霊の原型となったのがこいつなのかもしれない。
決勝前に考えた。
僕が昨日選んだのは、
【ファイヤーサラマンダー(メラニスティック種)に進化します。よろしいですか?】
これだった。
かつて間違えた火の精霊のサラマンダー。それを現実にするために、これを選択。
【選びなおすことはできません。本当によろしいですか?】
昨日考えた。
これでいい!
【ヴィンデはファイヤーサラマンダー(メラニスティック種)に進化した。各種ステータスが変化しました】
【スキル:火の息を取得した】
【称号:怪人十面相を取得した】
【変身のレベルが3に上がった】
【称号:称号マニアを取得した】
【称号鑑定のレベルが4に上がった】
変身できる種類が10種類になったことで称号がもらえて変身のレベルが上がったらしい。
人じゃないんだけど怪人か。
……あれ? 10種類に変身できるのなら、僕の顔は11面あるんじゃないのかな?
それに称号もとうとう30種類、いや、31種類か。
それにしても、なんでこいつら平然としてるんだ?
僕の姿がこんなに――って全く変わってない! 元の黒いイモリのままだ!
あぁ、もしかしたら色が変わるだけの変化だったのに、メラニスティック種のせいでどっちも真っ黒のままだから変化がないとかか!
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名前:ヴィンデ
種族:ファイヤーサラマンダー(メラニスティック種)
レベル:1
HP 121/121
MP 102/102
状態:記憶喪失
スキルポイント36
攻撃 81
防御 56
速度 92
魔力 90
幸運 32
経験値補正+20%
スキル:【捕食:Lv5】【言語理解:Lv1】【叡智:Lv2】【ステータス把握:Lv3】【スキル鑑定:Lv4】【索敵:Lv2】【泡:Lv3】【献身:Lv1】【硬い鱗:Lv1】【鋭い歯:Lv3】【肺呼吸:Lv2】【土魔法:Lv3】【鮫肌:Lv2】【HP自動回復:Lv2】【忠義:Lv2】【毒攻撃:Lv2】【回復魔法:Lv3】【マッピング:Lv2】【嗅覚強化:Lv2】【変身:Lv3】【擬態:Lv2】【良眠:Lv2】【テイム:Lv1】【君主:Lv2】【称号鑑定:Lv4】【挟力UP:Lv1】【悪食:Lv2】【アイテムBOX:Lv5】【尻尾攻撃:Lv1】【MP自動回復:Lv2】【水魔法:Lv1】【風魔法:Lv1】【火魔法:Lv1】【美味しそうな香り:Lv1】【火の息:Lv1】
称号:【転生者】【異世界魚】【記憶喪失】【捕食者】【蟹の天敵】【子持ち】【子沢山】【スキル収集家見習い】【魔術師】【出世魚】【称号収集家見習い】【ハートブレイク】【ネームドモンスター】【毒持ち】【癒し手】【迷宮ウォーカー】【魔王を討伐せし者】【スキル収集家】【共生】【支配者】【称号収集家】【貝の天敵】【レアアイテムイーター】【異世界有尾類】【レアモンスター】【スキルマニア】【小金持ち】【四大元素魔術師】【レアハンター】【怪人10面相】【称号マニア】
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おぉ、ブラックシャークレベル15の時ほどじゃないけど強くなってる。
じゃ、やってみるか!
僕は大きく息を吸い込み、火の息を吹きだした。
汚物は消毒だー!
口から出た火が蛇のようにのびる。
「うわ、火を吹きだしたぞ!」
「なんだ、もしかしてコーラサラマンダーじゃなくて、ファイヤーサラマンダーか!」
僕の口にも炎は当たっているが、なんだ、この感覚。
熱いんだけど、熱さが嫌じゃないというか、むしろ心地よいというか。
そして、僕は確かめて、わかった。
炎耐性が120になってる。
前まで0だったのに。
そして、たぶん、今の僕は炎で回復する体質だ。
ということは、あれが使えるんじゃないか?
「着火!」
僕はそう唱え、自分の身体に火を点火。
そしてそのまま尻尾を振るう。
うわぁ、これはいい!
「間違いない、ファイヤーサラマンダーだ! 水魔法を、水魔法を使え!」
「そんなん使える奴ここにいねぇべさ!」
「いいから水持ってこい! ファイヤーサラマンダーは水が苦手だ!」
「でも、こいつさっき水の中普通に泳いでただろ!」
混乱しているな。
そして、僕はそいつに狙いをつけた。
こそこそと逃げ出そうとしている実況の男、いや、領主に。
だが、逃げるには、その派手な実況衣装――特にそのマントはダメだったな。
「土針!」
僕がそう唱えると、土針が逃げ出そうとしている男のマントに刺さった。
そして、僕は迫りくる剣を躱しながら飛んだ。
全身に炎を纏わせながら、領主の後頭部にくっついた。
「ぐあぁぁ、熱い! 熱い!」
「僕も熱いよ。それがいいんじゃないか」
領主にまとわりつくことで、周りの兵もうかつに攻撃できずにいるようだ。
さて、あとは騒ぎに乗じて逃げる方法を考えないといけないんだが――ん?
出口から、さっき逃げたはずの観客たちが戻ってきた。
なんでだ?
そう思ったら、騎士と思われる人たちが剣を構えて現れた。
その先頭にいるのは……メイドさん?
「リーリウム国、近衛隊長イシズです! 武器を収めなさい! 違法賭博の現行犯で全員の身柄を拘束します!」
え……メイド服を着ている彼女が国の近衛隊長?
そしてその横で堂々と立っているサイモンを見て、僕はようやく全てが終わったのだと悟った。
ちなみに、領主の後頭部も毛根ごと全て燃やし尽くしてやった。
炎を纏っての特攻……ボンバー○ンの無敵状態を思い出します。