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あまりにバカな環境変化

日間３位になれました。ありがとうございます。

　変身スキルを覚えた僕は、実験をするため、強い魔物の入ってこれない河口付近まで移動した。

　浅瀬じゃないのは、今から変身するのがブラックバスだからだ。

　ブラックバス、僕の記憶が正しければ、淡水汽水どちらでも生息可能だったはずだが、あくまでも記憶であり、いざとなったらすぐに河口に逃げ込むためである。

　ブラックバスに変身！

　世界がみるみる大きく、いや、僕が小さくなっていく。

　そして、身体が軽くなって行った。

　この視界、懐かしい。

　鏡がないのが残念だが、僕は自分のステータスを確認した。

……………………………………

名前：ヴィンデ

種族：ブラックバス

レベル：１０

ＨＰ　５０/５０

ＭＰ　３２/３２

状態：記憶喪失　変身

スキルポイント１０

攻撃　３４

防御　２４

速度　２１

魔力　１１

幸運　２７

経験値補正+１０％

スキル：【捕食：Lv2】【言語理解:Lv1】【叡智:Lv2】【ステータス把握:Lv2】【スキル鑑定:Lv3】【索敵:Lv２】【泡：Lv2】【献身：Lv1】【硬い鱗：Lv1】【鋭い歯：Lv1】【肺呼吸：Lv1】【土魔法：Lv1】【鮫肌：Lv2】【ＨＰ自動回復：Lv2】【忠義：Lv1】【毒攻撃：Lv1】【回復魔法：Lv1】【マッピング：Lv2】【嗅覚強化：Lv1】【変身：Lv1】

称号：【転生者】【異世界魚】【記憶喪失】【捕食者】【蟹の天敵】【子持ち】【子沢山】【スキル収集家見習い】【魔術師】【出世魚】【称号収集家見習い】【ハートブレイク】【ネームドモンスター】【毒持ち】【癒し手】【迷宮ウォーカー】【魔王を討伐せし者】【スキル収集家】

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　あぁ、かなり弱くなってるな。レベルが１０になっているところをみると、これは普通の変身能力ではなく、退化じゃないだろうか？

　ん？　もしかして、ここからさらに進化が可能なのだろうか？

　進化、進化、と念じてみる。

【変身状態では進化はできません】

　あぁ、無理なのか。まぁ、そうだよな。もしもここから進化が可能なら、間違った進化を選択したときに選びなおすことができるようになる。

　さて、元に戻るか。

　もう一度変身を念じたらいいのかな？

　変身！　ブラックシャーク！

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名前：ヴィンデ

種族：ブラックシャーク

レベル：１

ＨＰ　５０/３１０

ＭＰ　２２/６８

状態：記憶喪失

スキルポイント１２

攻撃　１０４

防御　８１

速度　９１

魔力　６１

幸運　２７

経験値補正+１０％

……………………………………

　ん？　ＨＰが５０に減ってる。

　そうか、変身で最大ＨＰが増えても、現在ＨＰは増えないのか。ＭＰも同じようだ。

　身体に痛みは感じないが、疲れがどっとでた気がする。

　これは使うときは気を付けないといけない。

　あと、変身ではＭＰを１０消費するようだ。

　さっきはＭＰが１０減って５８になった後で、最大ＭＰが３２に減ったので気付かなかったようだ。

　どうせＨＰが減るのなら、ピエールクラブに変身する実験もしておくか。

　回復してから変身したら、またロスがでる。

　変身！　ピエールクラブ！

　そう念じた。

　すると、世界が今度は巨大化。ブラックバスのころとはくらべものにならないほど大きく見える。

　おぉ、これがピエールクラブの見ていた世界か。

……………………………………

名前：ヴィンデ

種族：ピエールクラブ

レベル：１

ＨＰ　１１/１１

ＭＰ　８/８

状態：記憶喪失　変身

スキルポイント１０

攻撃　１５

防御　５

速度　２

魔力　２

幸運　２７

経験値補正+１０％

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　うわ、ＹＯＥＥＥＥ！

　といっても、この世界に来たばかりのころの僕よりはマシか。あと、擬態とかいうスキルが増えてるな。

　でも、よかった。こんな状態で沖にいたら、間違いなく他の魚の餌食になってたよ。

　もしかして、これ、元に戻っても覚えたままなのだろうか？

　よし、戻って確認してみよう。

【変身を使うにはＭＰが足りません】

　ん？　あぁ、ＭＰが足りないか。

　ならば回復をするのを……あれ？

　最大ＭＰが８なら、いくら待っても回復しないんじゃないかな？

　……え？

　えぇぇぇぇっ！　ウソだろ、僕、もしかして元に戻れない？

　カニとして生きていくの!?

　いや、待て、待て、ウェイト！

　大丈夫だ、うん。ピエールクラブとしてレベルを上げたらいいんじゃないか。

　そうだ。レベルを上げたら最大ＭＰが増えるだろう。

　よし、そうと決まれば、まずは適当な獲物を見つけよう。

　……ってあれ？　なんで？

　なんで赤黒い気配ばっかり？

　僕は見上げ、

「………………っ!!」

　巨大な魚がこちらを覗き込んでいた。

　こわっ！　僕は慌てて石に擬態する。

　怖い、向こう行けっ！

　背中を魚が口でつつく。

　しばらくして、魚は僕のことを本当に石だと思ったのか、遠くへ行った。

　……これ、かなりピンチだ。

　と、とりあえず、完全に敵ばかりというわけではない。

　一応、ピンク色の敵も見えている。僕でも倒せる敵というわけだ。

　……いや、やっぱりダメだ。敵のほうが多すぎる。

　ステータスの問題もそうだが、大きさの問題が強い。

　どこか安全な場所……安全な……あ……！

　僕は海面を見上げた。

　僕は今、蟹なんだから、上がれるんじゃないか？

　足もあるから動けるはずだ。

　うん、いける……僕はこれから……

　上陸する!