命を燃やす戦い
本日3回目です。
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命の燃焼:Lv1 レア度:★★★
レベルアップ条件:命の燃焼を使いステータスを2倍以上にする。
効果説明:最大HPを削ることにより、攻撃、防御、速度を大きく上げる。
(現在HP÷最大HP)×現在ステータス。
最大HPを越える現在HPは急速に低下していく。レベルが上がるとHPの減少速度が下がる。
入手条件:スキル【燃える体】をレベル10にする。
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僕の現在HPは1000。つまり、最大HPを500にしたら、攻撃、防御、速度が倍になるというわけだ。
ただし、命の燃焼で燃やした最大HPは戻らない。しかも、ステータスが倍になるのは最初だけで、現在HPが急速に下がっていくから、徐々に最大HP以外のステータスは元の状態に下がっていくというわけだ。
一気にせめるために、僕は覚悟を決めた。
最大HPを100に、10分の1にする。そうしたら、命の燃焼のレベルも上がり、減少速度が下がる。
【スキル:命の燃焼のレベルが2に上がった】
【スキル:命の燃焼のレベルが3に上がった】
【スキル:命の燃焼のレベルが4に上がった】
【スキル:命の燃焼のレベルが5に上がった】
【スキル:命の燃焼のレベルが6に上がった】
【スキル:命の燃焼のレベルが7に上がった】
【スキル:命の燃焼のレベルが8に上がった】
【スキル:命の燃焼のレベルが9に上がった】
【スキル:命の燃焼のレベルが10に上がった】
ぐぅぅぅおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!
なんだ、これ……何が起きている。
体が、熱い!
体が――肉体が、膨れ上がってくる。
【称号:超進化を取得した】
【スキル:ドラゴンブレスを取得した】
【称号:巨大な体を取得した】
【スキル:ボディープレスを取得した】
超進化?
何が起きたんだ?
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名前:ヴィンデ
種族:ファイヤードラゴン
レベル:1
HP 1000/100【-900】
MP 913/913
状態:記憶喪失
スキルポイント 27
攻撃 6420【強化中】
防御 6450
速度 7450
魔力 579
幸運 46
経験値補正+30%
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ステータスの変化はない。
が、種族が……種族が、ファイヤードラゴンに変わってる。
身体が大きくなっている。
これなら……いける!
周りからオーク兵が5体きた。
僕は巨大な尻尾でそのオーク達を薙ぎ払う。
【経験値780取得。次レベルまで残り経験値34192】
【経験値793取得。次レベルまで残り経験値33399】
【経験値767取得。次レベルまで残り経験値32632】
【経験値780取得。次レベルまで残り経験値31852】
【経験値767取得。次レベルまで残り経験値31085】
と思ったが、【HP:920/110】HPの減少が速い!
うそだろ、レベル10でこの速度か!
なら、速攻でけりをつける。
「喰らいやがれ!」
僕はその身体で体当たりをした。
一発で、一発でとどめをさす!
そう願いを込めて……だが。
「耐えてる……だと」
こいつの防御力は644。
今の僕なら一気に倒せる……そう思った。
だが……なんでだよ。
【オーク大将:HP1190/12500】
なん……だと!?
HPが、最大HPが大きく上がっている。
なんだ、こいつ……一体、何をした?
いや、それよりも、最大HPがこうなっているってことは、他のステータスも大きく上がっているってことだろ。
何をしたらこうなったのか、僕にはわからない。おそらくは、よくわからないスキル【強欲】によるものだろう。
僕のHPは今も減り続けている。
ぐっ、このままなら。
「ヴィンデさん!」
……ノーチェの声が聞こえた。
そうだ、僕はノーチェを守るためになりふり構ってる場合なんてないじゃないか。
【スキル:命の燃焼を使用しますか?】
使うに決まってるだろ!
猪突猛進、体当たり、角攻撃、竜の角!
「奥義ヴィンデバリスタ!」
僕の渾身の体当たりが、オーク大将の心臓部に突き刺さった。
【オーク大将:HP300/12500】
【オーク大将:HP239/12500】
【オーク大将:HP210/12500】
【オーク大将:HP159/12500】
【オーク大将:HP84/12500】
【オーク大将:HP21/12500】
【オーク大将:HP7/12500】
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そこで、僕の力が急激に失われていくのを感じた。
身体が縮むその前に、僕は自分の種族を見てほくそ笑んだ。
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名前:ヴィンデ
種族:ブラックドラゴン
レベル:1
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はは、なれたじゃないか。
身体が縮んでいく。
気付けば、ベビードラゴンに戻っていた。
【ヴィンデ:HP1/1】
はは……ここまでやって勝てなかったら、もう末代までの恥だな。
そして、僕は横を見た。
倒れる僕の横で、オーク大将はこちらを見下ろしていた。
HPを1だけ残して、こちらを見下ろしていた。
オーク大将、勝負はもう終わったんだよな?
僕はそうして意識を失った。
次回、感動(?)の最終話。
 




