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ウィルの話を聞いて、レイヴァンはまた少し記憶を取り戻した。
「……そうだ、俺は悪魔に致命傷を与えていた。 それなのに意識を失い、あと一歩の所で取り逃がした」
何という失態。
黙り込むと再び記憶が蘇ってくる。
そして悪魔に対し怒髪天をついた重大な理由を思い出した。
「ブライトは無事なのか!?」
語気を強めた言葉に驚いたウィルだったが、すぐに穏やかな笑顔で頷いた。
「修道院からここまではかなりの距離があります。 私はもちろんマリアンやリルさんでは、とてもあなたを担いで歩ける距離ではありません」
婉曲に話すのは皆が無事ゆえの彼女なりの茶目っ気だろう。
ここまで俺を運んだのはブライト。
彼は生きている。
ウィルの言葉にレイヴァンは胸をなで下ろし、思わず拳を握りしめていた。
同時にマリアンの存在を強く意識した。
ブライトはもちろん自分の怪我が大事に至らなかったのは、間違いなくマリアンの治癒術のお陰。
彼女には大きな借りができたようだ。
目を覚ましてから時間が経ち、ウィルの話を聞いたことで記憶は完全に蘇っていた。
レイヴァンはいつもの調子を取り戻し、彼女との会話を続けた。
「そう言えば、影の悪魔と戦う前あんたはマリアンのことで何か話そうとしていたな? 修道院が滅んだとしても、どうとか。 聞かせてもらおうか」
「実は私もその件でレイヴァンさんをお訪ねしたのです」
レイヴァンはウィルの発言を興味深く思い、目で続きを促した。
「レイヴァンさんたちはこれからどうするおつもりですか?」
「どうするも何もメフィストフェレスを探して旅を続けるだけだ」
「この街に留まっていただくことは叶いませんか?」
「無理だな」
「それならばその旅にマリアンを連れて行って下さいませ」
彼女の突然の提案にレイヴァンは目を見開いた。




