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彼女の答えに胸をなで下ろしたブライトが続いて隣に視線を移すと、そこには目を丸くしたまま直立するリルが居た。
彼女は目の前で手を振ってみても、ぴくりともしない。
「チビ猫ペチャパイのリルちゃ〜ん、大丈夫ですか〜?」
「リルはチビでもペチャでもないです!」
今までピクリとも動かなかったリルだったが、からかわれると突然爪を立てブライトの腕をひっかいた。
「いてっ! このやろう! いきなりひっかくことはねぇだろ!?」
「うるさいです! うるさいです! うるさいです!」
「うるさいのはお前の方だ! 馬鹿みたいに同じ言葉を繰り返すな!」
「リルは馬鹿じゃないです! それよりもアホなくせに皆に心配をかけるブライトは、とってもアホです! 馬鹿な上にアホです!」
「何なんだ、それは!」
「リル心配して損したです! 損した分、金貨返せです! ってか全部没収です!」
「何で金を取られないといけないんだ!」
「うるさいって言ってるです!」
顔を背けたリルの目にはうっすらと涙が光っていた。




