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祈りが通じたのか定かではないが、向かってくる悪魔の腕に一本の矢が突き刺さった。
見れば大勢のハンターたちが周りを囲んでいる。
「目障りな人間どもだ」
悪魔は矢を抜くと地面へと投げ捨てた。
「少しは手荒なことをしても良いとは言ったが、やはりアンシティフは度が過ぎたな。 余計な人間まで集まりすぎた」
自嘲気味に笑った悪魔は黒い剣を地面に突き立てると魔力を込めた。
剣を中心に不気味な光が地面を這う様に広がり、怪しげな紋様が規則的に浮かび上がる。
「我は求め訴えたり。 魔界の門を潜り抜け出でよ、マンティコラ!」
そして呪文を唱えると、どこからともなく空をつんざくような遠吠えが辺りに響いた。
紋様が浮かんだ地面から獅子の体に蠍の尾を持つ悪魔が現れたのは、それからすぐだった。
「邪魔な人間を喰い殺せ、マンティコラ」
悪魔が指示を出すと巨大な獣は一鳴きして周りを囲むハンターたちを襲いだした。
突然現れた悪魔に呆気にとられたハンターたちは体勢を整えることができず、振り下ろされた爪によって二人のハンターが同時に屠られる。
悲鳴と共に沈静化していた辺りが再び混乱に陥った。
戦い慣れない者たちは逃げ惑い、戦い慣れたハンターたちでさえ浮き足立つ者が現れた。
悪魔は喚び出したマンティコラの働きに満足して頷くと再びマリアンと対峙する。
「貴様を殺せば、ルシファー様が蘇られる」
不適な笑みと共に黒い剣を向けるとマリアンをかばうようにブライトとリルが前に躍り出た。
「標的が女の子だと解っていて見殺しにはできないぜ」
「殺させないです!」
「見るからに弱い人間だな。 そこを退け。 邪魔をするなら容赦はしない」
悪魔が魔力を剣に込めると刃は黒い炎をまとった。
明らかにマズい雰囲気にブライトたちも思わず足がすくむ。
「黒猫の丸焼きができそうだな」
「だったらブライトが体を張ってリルたちを守れです!」
それでも彼らは両手を広げマリアンの前から退くことはなかった。
「それが答えか? ならば暗黒の炎に焼かれて塵となるが良い」
剣が振り下ろされそうになったその時、突然光の刃が悪魔に襲いかかった。
意表をつく攻撃に悪魔は驚きの声を上げ、ブライトたちは見慣れた攻撃に喜びの声を上げた。




