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魔天創記 (弐)  作者: ちゃすけ丸
第6章
47/74

~ 46 ~

 影はしばらく空中を浮遊した後、次第にその形を変え始め見る見るうちにレイヴァンと同じ姿となった。



「所詮、人間なんてモノは使えん生き物だな」



「アンディには取り憑いていただけで、その影が本来の姿ってわけか?」



 対峙した影は不敵に笑うと剣をかざして向かってくる。



「俺と同じ姿に化けるってのは気に食わないな」



 素早く振り下ろした影の剣がレイヴァンの繰り出した剣とぶつかる。



 彼は怯むことなく続けて剣を斬り上げたが、今度は相手の剣を捕えるどころか身体もすり抜け空を斬った。



 逆に相手が薙ぎ払った剣は受け止めたはずの自分の剣をすり抜け黒いコートの胸部を軽く引き裂く。



 思わず声を上げると、その様子を見て影は笑っていた。



 実体化は自在。



 レイヴァンは心の中で舌打ちをすると剣を構え直し間合いを取ろうとするが、影は阻止せんと先手を打った。



 前に突き出した右手から無数の影矢が放たれる。



 レイヴァンは素早く横に跳躍して矢をかわすと再び影に向かって駆けるが、間合いを詰めきる前に今度は影の左手がリルたちに向かって突き出されていた。



「狙いはそっちか!」



 レイヴァンは彼女たちを庇うために方向転換を試みが、踏み出した一歩が仇となって間に合いそうにない。



「リル!」



 彼が声を上げリルとウィルが眼を瞑った瞬間、今まで感じていた禍々しい魔力とは違う別の強い力が一陣の風となって聖堂内を吹き抜けた。



 風は影の悪魔だけを巻き上げて壁に叩きつける。



 突然の出来事にその場に居た誰もが目を丸くした。



 いったい何が起きた?



 訝しみながら辺りを見渡すレイヴァンにリルの声が届く。



「ご主人様、今マリアンさんの悲鳴が聞こえたです!」



「本当か?」



「もちろんです! リル、耳には自信があるです!」



 力の風が実体の無い影に直接衝撃を与えたことに驚いていたレイヴァンだったが、彼女の言葉に一層驚かされた。

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