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ブライトとマリアンが修道院をはっきりと視界に捕えることができる所に着いた頃、炎は既に建物の半分以上を飲み込もうとしていた。
二人が修道院から少し離れた所で馬を下りると、近くの宿に傷ついた人々が次々と運ばれている様子が目に飛び込んでくる。
「たいへん!」
マリアンは慌てて手助けに向かおうとするがブライトに腕を捕まれた。
「マリアンちゃん、気持ちは解るけど今は急がないと!」
「で、ですが!」
「確かに、ここの人たちも助けが必要かもしれないけど、修道院はもっと助けが必要なはずだ」
ブライトの真剣な眼差しにマリアンはためらいながらも静かに頷いた。
修道院に辿り着いた二人は思わずその光景に息を呑んだ。
辺り一面におびただしい数の死体。
そのまま火の手に飲み込まれた者は酷い悪臭を放って燻っている。
「こ、こいつはいったい全体どうなっているんだ?」
あまりの惨さにブライトは目を見開き、マリアンも言葉を失ってその場に立ち尽くした。
呆然とその場を動かなかったマリアンだったが、突然何かを思い出したように修道院の奥に向かって走り始める。
「お、おい! マリアンちゃん!?」
「子供たちが! 子供たちが奥の孤児院に居るんです!」
「無茶だよ! 危険すぎる!」
「解っています! でも! でも、行かないと!」
「大丈夫だって! 既に逃げ出してるって!」




