~ 33 ~
一人が斬りかかると、それを合図に残りの四人も動き出す。
後ろにマリアンとリルが居て退くことができないレイヴァンは更に前へ出て迎え討った。
「俺は完全に無視かよ!」
戦況に乗り遅れたブライトも慌てて相手の男に向かって駆けだした。
甲高い音を立てて互いの剣が何度もぶつかり合う。
攻撃を受け流しながらレイヴァンは相手の行動に疑問を覚えていた。
何故修道女のマリアンを狙わず俺を狙うのか?
その理由を考えようとしたが相手が待ってくれる訳はなく、押し戻して間合いを取ろうとしても男たちは怯むことなく向かってきた。
それならば一人ずつ伸すのみと一人に的を絞り攻め立てるが、相手は絶妙の連携でそれを防いだ。
攻めあぐねていると、ブライトがレイヴァンと男たちの間に飛び込んできた。
「お前ばっかに良いトコは渡さないぜ!」
すかさず男の一人を捕まえると、強引に投げ飛ばして別の男にぶつける。
レイヴァンは呆気に取られたが、彼の介入によって生まれた隙を見逃さなかった。
後ろに跳躍して間合いを取ると剣を鞘に戻して左手を握りしめる。
そして霊力を拳に集中させてから男たちに向かって手の平を突き出した。
その瞬間、数本の光の矢が放たれ男たちの足元に向かって襲い掛かった。
虚を突かれた男たちは誰一人として光の矢をかわす事ができず各々が小さな悲鳴を上げた。
足を負傷した男たちの動きは明らかに鈍くなっていた。
レイヴァンは再び剣を抜き間合いを詰め直すと、柄で相手の鳩尾を強打して意識を奪った。
ブライトも負けじと別の男を投げ飛ばす。
そして最後に残った男の前に立ちはだかったところで、後ろに回り込んだレイヴァンが相手の腕をひねり上げ喉元に剣を突きつけた。
「お前たちは何者だ? 何故俺を狙う?」
強い声で質問をするが、男は一向に口を割ろうとしない。
「答えなければ、覚悟はできているんだろうな?」
レイヴァンが剣をより強く押し当てて問い詰めると、男はその気迫に押され恐る恐る口を開いた。
「わ、我々は修道騎士団だ…… お前の行動が怪しいから頃合を見て始末するように言われていた」
回答を聞いたレイヴァンの表情が一層厳しくなる。
「誰に言われた、ウィルか?」
「ち、違う!」
喉元を掻き斬る勢いに男は冷や汗を浮かべながら必死に答えた。




