~ 25 ~
ブライトが戻ってきたのは月が天頂に上る頃だった。
案の定、酒を飲み、ほろ酔い気分な彼は上機嫌で部屋に入るや否やベッドに横になる。
「ブライト、完全に遊んできたですね?」
「遊んできたけど、お前と違ってすげぇ情報も掴んできたぞ?」
「リルだって、お買い物を楽しんだ上で、すっごい情報を掴んできたです!」
「だったら、俺とお前のどっちの情報がすげぇか、勝負しようぜ?」
「臨むところです!」
二人が妙な睨み合いを始めると、すぐにレイヴァンに窘められた。
「勝負なんて良いから、とりあえずリルから話せ」
「はいです! リルが掴んできた情報によると、街では一日に一人殺されているらしいです。 しかも殺されるのは何故か修道院に居た人たちばかりなんです!」
「ここに居た人たちばかりが殺されているだと?」
そういえばあの時……
レイヴァンはもう少しで何かを思い出しそうだったが、ブライトの陽気な声に阻まれる。
「俺の情報はリルの噂とは信憑性が違うぜ」
「良いから、必要なことだけを話せ」
「何だよ、そう睨むなって。 ……良いか? 俺が聞いてきた話だと修道士たちが気が狂ったように街に出て遊び始めたのは司祭の爺さんが体調を壊してかららしい」
「……司祭が?」
司祭の体調が悪くなった時、それはつまりウィルが代わって祭事を行うようになってから事件が起き始めたということだ。
祭事に見せかけて全員に呪いでもかけたのだろうか?
「どうだ? すごい情報だろう?」
「ただ遊んできただけではないようだな」
「当たり前よ」




