~ 19 ~
レイヴァンは借りた部屋に戻ると眠りについた。
そしてまた夢を見た。
夢の中の自分は白を基調とした服を身にまとい立派な剣を腰に差していた。
ものすごい勢いで階段を駆け上がり、どこかの大広間に辿り着くと何人もの兵士が倒れている。
慌てて駆け寄って声を掛けるが、誰もが既に息を引き取っていた。
彼らを抱きかかえると両手にべっとりとした感覚がまとわり付く。
周囲を見渡し叫ぶと、大きな黒い羽根の翼を羽ばたかせながら悪魔が現れた。
再び叫ぶと剣を抜き悪魔との間を一気に詰めて斬撃を繰り出す。
しかし、悪魔は不適な笑みを浮かべながら宙を舞い攻撃を軽々とかわした。
不意に悪魔の真紅の眼が見開いたかと思うと、黒い剣をかざして襲いかかってきた。
幾度となく互いの剣が激しくぶつかり合う。
互角の勝負かと思われたが、突然自分の剣は大きく弾かれ回転しながら床に突き刺さった。
怯むことなく呪文を詠唱すると、新たな剣がその手に生み出される。
悪魔はその光景を見て大いに笑った。
納得したように頷くと一層激しく攻め立ててきた。
何度か攻撃を防いでいたが、急に一人の女性が視界に入った。
その一瞬の隙を突かれ再び剣を弾かれる。
悪魔の攻撃目標も女性へと切り替わっていた。
慌てて悪魔を追いかけるが間に合わない。
精一杯腕を伸ばして彼女を護ろうとするが、悪魔の黒い剣は自分の右手を貫くとそのまま女性の胸に突き刺さった。
その場に崩れようとする彼女は自分を見つめ何かを伝えようとしている。
彼女の名が大広間に響いた。
「ミレーニア!」
レイヴァンは自分の叫び声で目を覚ました。
呼吸を荒らげながら身体を起すと窓から朝日が差し込んでいた。
「……嫌な夢を」




