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魔天創記 (弐)  作者: ちゃすけ丸
第3章
19/74

~ 18 ~

「私は、マリアンと申します。 光の女神ミカエリス様に仕える修道女でございます」



 マリアンと名乗る修道女は、胸の前で手を握り合わせて丁寧に自己紹介すると、優しい笑顔を浮かべて深く頭を下げた。



「オールトの街をどうかお救い下さい、レイヴァン様」



 レイヴァンは、突然マリアンに背を向けると聖堂の外に向かって歩きだした。



 驚くほど動揺して彼女を見続けることができなかったのだ。



「もう、お休みになられるのですか? よろしければ、レイヴァン様のお話を聞かせて頂きたかったのですが」



 マリアンの呼びかけにレイヴァンは静かに立ち止まった。



「マリアンだったな」



「はい」



「そんなに畏まった口調で話す必要はない。 むしろ俺のことは呼び捨てで十分だ」



「で、ですが……」



「俺は手を合わせて祈られるほど大した人間ではないんだ」



「そ、そこまでおっしゃるのでしたら、そう致します。 ……えっと、その」



 彼女は少し申し訳なさそうに、そして少し照れながら続ける。



「おやすみなさい、レイヴァン。 また明日にでも話を聞かせてくださいね?」



「上出来だ」



 レイヴァンは小さく頷くと、そのまま静かに聖堂を後にした。

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