第一話 次元の狭間
もし、もしもだけど、いきなり「私の世界を救って下さい!」って在り来たりな事を涙流しながら言われたらどうする?
何頭沸いてること言ってんの? って思うかもしれない。
けれど、これだけは聞いて欲しい。
――僕だってそう思いたいさコンチキショーッ!!
これが夢とか頭が沸いてる程度であればこんな乱さないさ。
だ、け、ど! これが現実なのっ。僕にはどうしようもない現実なのっ。
それを分かってお願いだから。
流石に涙を流しながら僕に訴えているのに、そんな最低なことなんて出来る訳ないし。
――さて、そろそろ粗方発散し終わった訳なので本題に入るとしましょう。
せーの。
「ここはいったい何処なのさ――!?」
そう、あんだけ前置きをしたくせに本題はこちらという罠。
実際のところ、ここがこんな在り来たりな場所でなければ僕もここまで取り乱すことは無かっただろう。
ちなみに僕が今居る場所は、辺り一面森というか木と雑草の茂みぐらいしか見当たらない。
こんな所知っている訳でも、見たことある訳でも無い。
従って、僕はこの後どうしていいか分かりかねているところだ。
――兎にも角にも、何で僕がこうなったのかを説明することにしよう。
何か考えることにしても、先ずはそれから。
整理することから始めよう。
ここに居る切っ掛けは、今から約一時間遡る。
学校が終わり親友やクラスメート達に「さよなら」と挨拶してから学校を出、いつもの帰り道である公園を差し掛かった時だった。
小さく女の子の悲鳴が聞こえたのだ。
僕は何の迷いもせず、女の子の悲鳴が聞こえた公園の奥まで走る。
草木をかき分け、多少手こずりながら段々大きくなる悲鳴を頼りに突き進む。
汗を拭わず、息切れを整えず、見えてきたのは小さな小屋。
中を覗く――なんて愚行はせず、そのまま飛び蹴りでドアを破壊して乗り込んだ。こっちの方が愚行かもしれないが、そんなことは知らない知るものか。
転がりながら体制を立て直し、すぐに行動が出来る準備をしておく。
そして、視線を上にあげると、
――視界に入ったのは、破られた服で椅子に縛られ、泣いている少女。
「な、なんだてめえ」
「ガキじゃねぇか」
とりあえず、今ここにいる人数を見ると、1、2、3、4……人か。
武器を持っている奴も確認すると、全くいなかった。
ただ、隠しナイフぐらいは持っているだろうから注意しておくに越したことはないだろう。
「おい、ガキ。無視してんじゃねぇぞああ?」
一人の男が額に青筋浮かべ、右ポケットから折りたたみナイフを取り出す――と、カチャンという音を響かせ、ナイフを固定する。
腰を低くし――彼は走り出す。
ある程度予想していた僕は、ナイフを持っている彼の右手を、左側から入り込み叩き落とす。
ただの子供だと侮っていた彼は驚愕の顔をしている――そんな隙を見せていたので、顎に向かって手刀一閃。
綺麗に入った手刀は彼の意識を刈り取り、機械が崩れるかの如く沈黙した。
「なっ……」
あまりに現実離れしていた出来事に全員声が出ないみたいだ。
いい気味。
「さて、ここで二つの選択肢を出そう」
ざわめきが強くなったので、それを静まらせるように大声を発した。
「彼女に土下座で謝り、生きる道を選ぶか今ここで謝らず死ぬか――今の僕は優しくは無いよ……?」
そう、あんなことを見てしまったら優しくなんてなれる訳が無い。
本来ならその場でブチ殺してやりたいのだが女の子がいる手前なるべく穏便に済ませたいという気持ちもある。
『土下座でも何でもします! だ、だから命だけは……!』
僕の殺気に心底脅えている馬鹿共は土下座をする勢いで頭を下げた。
これだから、戦意喪失している人間は扱い易い。
「その言葉、ホントだね? 嘘だったらころ……うん、殺すよ?」
『はいっ……!』
「ほら、早く」と彼らを急かし、彼女の前で土下座させる。
ただ、そのままだといろいろと駄目なので、学校の制服――僕の学校は紺のブレザーと灰色と赤いチェックのズボン――である紺のブレザーを彼女の身体を見ないようにしてかける。
本当なら縛られているのを解き自由にしてあげたいのだけど、解いてる隙を衝かれたら幾ら僕でもひとたまりも無い。
だから彼女には悪いがもう少しだけ様子を見させてもらうよ。
『『こんな事をしてすみませんでした』』
「え、あ……」
土下座した彼らに彼女はどうして良いのか分からず戸惑いの顔を浮かべている。
こんなことをされたっていうのに罵倒もしないなんて優しいんだね。
僕だったら罵倒したあげく腕一本は貰っていくのに。
「謝罪に気持ちがあるかどうかは置いて、もう邪魔だから消えていいよ」
僕の言葉に脱兎の如く逃げ出す不良。
この部屋(小屋?)の付近に気配が無くなった事を確認し、縛られている彼女の腕と足の縄を解く。
存外固かった事に少し苛立ちを覚えるが、彼女の不安そうな顔を見て何とかしなきゃという気持ちが上回り、二つとも完全にほどくことが出来た。
「君、大丈夫?」
「あ……ありがとうございます」
助かったことに安堵したのか、緊張の糸が切れ、瞳が段々と濡れていく。
そして――
「――――――――――――」
声にならない声で泣きながら僕にしがみ付く。
恐かった、恐かったと何度も涙と一緒に恐怖を吐き捨てる。
正直、このような体験は初めてなので、若干どうしていいのか分からず、とりあえず大丈夫と安心させるように頭を撫でた。
――どれくらいそうしていたのだろうか。
それは分からないが、窓から差し込む陽が橙色のことから、もう一時間以上そうしているということは確か。
「どう、落ち着いた?」
泣き疲れたのか、眠そうな瞳を僕に向け、少しの時間硬直。
そして何かを思い出したように僕から距離をとる。
「ご、ごごごめんなさいっ!」
顔をうつ向けながら謝る彼女の顔が耳まで真っ赤に染まっている。
隠しきれていないよ。
まぁ多分、抱き着いていたのが恥ずかしかったのだろう。
確かに、見知らぬ人間に抱き着いていたなんて恥ずかし過ぎる。
「いや、それは大丈夫だよ。君みたいな可愛い女の子に抱き付かれて嬉しく思っても、嫌がるなんてありえなえないからね」
「か、かわっ!?」
彼女の顔が先程より更に紅く染まっている。……あれ?何か間違えた?
閑話休題。
「先程はどうもありがとうございました」
再度、深々と頭を下げる彼女に僕は「どういたしまして」と言葉を受け取る。
まぁ、受け取ったのはいい。
けれど今の状況が受け入れられない。
「ここ何処?」
さっきまで小屋に居た筈なのに、気が付けば真っ白空間に僕は――いや、僕達は居た。
そう、ホントに気が付けば、なのだ。
彼女からも目を離した訳でも無いし、瞬きした訳でも無い。
一体全体何なの!?
「いきなりで混乱しているかもしれませんが、私はこの空間を統べる“王”です」
「え?」
いやいや、そういう問題じゃないでしょ!
王だからってこの場所と何の関係があるのさ!?
「……って、王っ!?」
落ち着け、僕よ落ち着け……。
状況を整理しろ。
――今彼女は自身を“ここの空間を統べる王”と言った。
つまり、今現在僕達がいる場所を統べていると彼女は言った――“ここの空間”という事は、ここは僕が居た世界とは違ってことか?
いや、しかし信じられない。
が、こうなった以上信じるしかないみたいだ。
目の前で起こった事を信じる僕にとっては信じなければならないしね。
「あの~大丈夫ですか?」
不意に映る彼女の顔にびっくりして、勢い良く尻餅つき、そのまま倒れ背中を強打した。
恥ずかしい……。
「痛たたたぁ~……」
上半身だけ身体を上げて、覗き込むように見ている彼女の顔を逆に観てやる。
粉雪のような白い肌に、パッチリとした二重瞼。
思わず触れてみたくなる潤いのある桜色の唇。
各パーツに合わせるかの如く、少女らしい優しいカーブを描く輪郭。
女性なら誰でも羨みそうな腰ほどに伸ばされた艶やかな黒髪。
一言で言えば美少女。
改めて見た彼女に思わず見惚れてしまった。
「えっと……あの、その……そんなに見られると……」
上目遣いでモジモジと、尚且つ顔を紅く染め上げて、こんな娘に言われると、僕はもう……!
……こほん、とにかく言われて僕は気が付いた。
そんなに僕は彼女を見つめていたのだろうか?
……見つめてたね。
「え、ああうん、ごめんね。……っと、そうだ、君に聞きたいことがあるんだ」
ゆっくりと立ち上がり、この空間をゆびで指す。そして二度目の質問。
「何ここ」
簡潔過ぎるだろうが、これ以上何を言えと?
「ここは“時空の狭間”。三世界の間に存在する空間です」
じ、時空の狭間……何という中二……!
だが、心が踊る。
おっと、そんなこと言っている場合じゃなかった。
「そう、分かった。でも何でこんな所に僕を?」
彼女は王だと言った。
つまり、彼女はこの空間で一番偉い存在だ。
だからここに僕を連れてきた(方法は分からないが)という事は何かしら僕に用があるということになる。
「貴方に頼みたいことがあります……!」
搾り出すように声を出した彼女の顔が石油ストーブぐらい真っ赤だ。
何か嫌な予感がビシビシと……。
「お、お願い事とは……?」
一呼吸置き、驚愕な事を彼女は口にした。
「――私の世界を救ってくださいっ!! その為なら貴方に全てを捧げます」
「ワッツ!?」
突拍子も無さ過ぎて声が裏返った。
いや、予想はしていたけど、最後の方に驚いた。
全てって何!?
「混乱しているかもしれません。ですが、そうするしか私の世界を救う事が出来ないのです」
いや、それは分かるけど……って分かるかっ!
「別に救う事に異議は無いけど、全てって何さ? 別にそんなことしてもらわなくても僕はやるよ」
「……ごめんなさい、言葉が足りませんでしたね。私の全てというのは、私と契約して戴き貴方様に隷属するという意味です」
「れ、隷属って……まぁいいや、いや、良くないけどね。そんなことより、僕に教えて欲しい。まず、救うってどういう事? 何かしらの驚異から救うの? それとも、人間同しまたは人間対異種族の争いを止めるのか、はたまた滅ぶ世界の原因を見つけることか、のどれ?」
これ以上考えをあげるとキリが無いので、一番オーソドックスの三つをあげてみた。
その考えは正しかったようで驚きの表情を浮かべ、少しだけ、けれど(感覚的?)長い時間を経てその口を開いた。
「全部です」
い、意味が分かりません。
「すみません、もう一度宜しいでしょうか……?」
急に敬語になったのは混乱しているからじゃないと信じたい。
困ったような顔をしながら彼女はもう一度口を開く。
「……全部です。私の世界では、人間同士も異種族も争い、果ては破龍の復活。他力本願だと思われるかもしれませんが、もう、誰かの力を借りるしかなかったのです」
本当はこんなことしたくなかった、と彼女は泣きそうな声で、絞り出すように言う。
確かに、そこまでくると誰かに助けをもらわないと無理だ。
――でも、でもね、僕は世界がどうとかそんなの関係無い。
だって、僕が救いたいと思うのは目の前に居る彼女なんだ。
そんな泣き顔を見たく無い。
だから、泣きそうな顔をしないで。
僕が君を助けるから。
「うん、いいよ。何度も言うけど、救うよ。僕の意思に揺らぎは無い――だから、安心して」
「あ、ありがとう……ございます……」
泣きそうなのを我慢して、彼女は僕の目の前へと歩み寄る。
「それでは、私と契約してもらいます。私等では不満かもしれませんが、何卒ご容赦ください」
ぎゅっと、手を祈るように重なり合わせ、目を瞑り、優しく、そっと触れるように――
「…………んっ」
――唇を合わせた。
柔らかくて、温かくて、良い匂いがして、なんだがよく分からない感覚に戸惑いを隠せない僕。
ああ、やっぱり契約ってキスだったんだ……と。
満更でもなかったりする。
不満なんて有る筈無かろうっ!
「――ふう、これで契約完了です主様」
「………………」
というか初めてのキスがこんな美少女と……これ何てエロゲ?
ちなみに、初めてのキスは涙の味はしませんでしたよ?
初めての恋じゃないですしね。
そもそも終わってすらいません(始まってもいません)。
「……主様? ……主様?」
いや、でも僕の人生も結構エロゲの主人公染みてるからなぁ。
『私を救ってくれてありがとう』
不意に、過去の記憶が脳裏に浮かぶ。
忌まわしき記憶。
僕が助けられなかった家族。
主人公に成れなかった物語。
――うん、だから“今度こそ”主人公になろう。
もう二度とあんな思いをしない為に。
「――主様っ!!」
「うわっ!?」
突然、彼女が大声出したので、情けなくびっくりしてしまった(二度目)。
恥ずかしさで、若干頬が熱い(今度は尻餅つかなかったが)。
「主様、大丈夫ですか? 先程から主様を呼んでも反応されていなかったので少し心配しまいした。やはり、私等ではお嫌でしたか……」
「いや、違うんだよ! ちょっと考えごとをしててね、君が嫌だってことは無いよ。だから安心して」
「そう、ですか……良かったです」
彼女はほっと一息安心したように付く。
さて、これで契約した訳なんですけども……正直あんまり実感が沸かない。
いや、そんなことよりも色々と情報を整理しよう。
まず、僕はここ(空間)の“王”だという彼女の力でここに来させられた。
そして次にここではない異世界がピンチであるということである。
僕はそれを救わなくてはならない。
その為に彼女と契約を交わし、今現在にいたる……という訳か。
「契約した後にこんなこと言うのはあれだけれども、なんで僕なの?」
僕の隣で静かに佇んでいた彼女に問う。
「主様はこことは違う世界――平行世界において同じように異世界を救っています」
「えっと……それは、どうとれと?」
「主様なら、同じようにこの世界も救ってくださると」
しゅん、と主人に怒られている子犬のような雰囲気を出している彼女。
ふうん、それは確かに“僕”でなければいけない話だ。
こことは違う世界……平行世界か……。
「うん、わかった。早速、その世界に向かおう。こうしている間にその世界は大変になっているかもしれない」
「はい。……その前に、主様。能力の御確認を」
彼女は僕の前に跪き、いつのまにか出した不気味なまでに真っ白な本を僕に見やすいよう本を差し出す。
能力? ああ、契約した恩賞ね。
まあ、ここの王ということだ。空間に作用する能力ではないだろうか。
以下、この本にこう記されていた。
一、“王”と契約したことにより、次元の守護者を得る。
二、次元の守護者とは、名の通り次元を守護する者のことを指す。
三、恩恵として、世界の鍵の使用の許可。
四、ただし、代償として契約した際、“時間”を対価としなければならない。
以上が、本に記されていたことだ。
パタンと本を閉め、彼女に返す。
その際びくびくとしていたのはたぶん契約する前に四の代償のことを言わなかったから怒られるとか契約破棄されると思っているからだろう。
「……ねえ、二つほど聞いて良い?」
「はい……」
絞り出すように彼女は答えた。
そんなにびくびくしなくてもいいのに。
「まず一つ、世界の鍵ってなに?」
「はい、世界の鍵というのは、因果に干渉が出来る唯一の道具です。自身が思ったことや、世界や因果か情報を取得して行使することができます」
つまり、因果や世界から得た情報――例えば、魔法を使用したいと思ったときは世界の鍵を使い、世界または因果を経由し、ダウンロードして行使するという訳か。
所謂、チートってやつですね。わかります。
ん? ということは漫画やゲームの魔法と技とか使えるってこと? ありがとうございます。
「うん、わかった。ありがとう。じゃあ次ね。四の対価が時間というのはどういうこと?」
粗方予想はつくけれど、こればっかりは彼女の口から聞きたい。
幾ら怒ってはいないとはいえ、“故意”で隠してたんだ。
何かしらの事情がない限り前言を撤回するしかなくなる。
僕としては、あんまり女の子に怒りたくないからね。
「……申し訳ありません! このことを言えば契約してもらえないと思い故意で喋りませんでした……」
「そんなことはいいよ。で、代償は?」
すこし苛つき(実際は苛ついていない。黙っていた罰だよ)ながら言うと、彼女は泣きそうになりながら桜色の綺麗な唇を開いた。
「……対価は、不老不死。力を得る代わりに永遠の時を生きなければいけないんです」
再度、「申し訳ありません」と腰を折って謝る彼女。
……やっぱり。対価が時間だというからどうせそんなことだろうと思った。
というか、だから彼女は僕に隷属するってことね。彼女なりの責任の取り方なのだろう。色々と間違ってはいるけど。
まあ、普通の人ならこれは確実に怒るだろうね。
どうするんだーって。
でも僕は怒らない。だって時間がチートを手に入れられる代償だっていうならしょうがないでしょ。
力を得るにはそれ相応の代償が必要なんだしね。
それに、その力があれば“昔交わした約束”を守ることが出来る。
「顔を、上げて?」
「……は、はい」
ゆっくりと彼女は顔を上げる。
うるうると潤んだ瞳にダウンしかけたがそこは我慢だ。
「君はどうしたい?」
暗に、黙ってたことはどうするつもりだ? と言ってみる。
また彼女は深々とあたまを下げて、
「主様、どうか私に罰を……!」
いつもの僕なら自分で考えろって言うところだが、何度も言うけど怒ってないしな。
「じゃあ、罰として……」
恐る恐る彼女は僕をゆっくり見る。
息を少しだけいつもより多めに吸い、続きを口にする。
「僕を支えること!」
「え……?」
「いや、だからね、君の罰は僕を支えることなんだってば」
それでも納得出来ないと言わんばかりに彼女は「でも……」と声を漏らす。
そもそも、罰というのは“与える”つまり“制裁”であり、自分で決めるものでは無い。
もし自分で罰を決めてしまっては、それは罰では無く“贖い”になってしまう。極論だが。
だから相手が言った言葉は絶対であり、従わなければならない。
「そ、……それは、当たり前の……」
「君は主人の言葉って絶対じゃないの?」
「ですが……」とそれでも納得しない様子。
確かに気持ちも分からなくない。でも、“自分の罪のために”僕が振り回されるなんて可笑しい事だと思う。ましてや、自分の主人(被害者っていうのも変だけれども)が決めた事を納得しないなんてあって良いはずがない。
「では、君はどういう罰なら気が済むわけ? 僕はそれに振り回されなきゃ駄目なの? 自分の罪悪感を消すために?」
僕の言いたいことが伝わったのか、「申し訳ございません」と素直に謝り、少しの空白を置いて、決意の満ちた表情で、
「これより私、アリアは、朝倉飛鳥様を一生支える事を【次元の王】の名に誓います」
「うん、不甲斐ない主人かもしれないけど、これからよろしくね」
――こうして、僕こと朝倉 飛鳥は世界を救うハメになるのだが、まあ、なんとかなるでしょ。