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012-屈辱の檻と、希望の逃亡

愛子はついにその牙を剥き出しにした。

私はゆっくりと傷を癒し、少しずつ大人の姿を見せ始めていた。

愛子は私に、金持ちの愛人になることを勧めた。

「若くて美しいあなたには、これが一番向いている」と言った。

教養は高くない私でも、それが正当な商売ではないことはわかっていた。

だから最初はきっぱりと断った。

だが、愛子はこの間の自分の世話を利用して私を縛りつけた。

時には優しい声で説得し、時には涙ながらに懇願し、また時には凶暴な表情で脅した。

まるで感情の暴走した精神病患者のように、彼女の多重人格の狂気を見せつけてきた。

私は歯を食いしばり、決して折れなかった。

しかし、彼らはついに最も恐ろしい姿を現した。

残酷な「しつけ」の方法で、私の心の防御を破壊しようとしたのだ。

いや、それは「しつけ」ではなく、まるで「犬の調教」のようだった。

私を一人しか入れない大きな水桶に閉じ込め、ホースで水を注ぎ続けた。

水は私の頭を完全に覆い、息ができず、意識が遠のく寸前だった。

気を失うと、水を抜き、私が目を覚ますとまた水を注ぐ。

そんな地獄の繰り返しに、ついに私は崩れた。

私は折れた。

金持ちの男たちの間を転々とし、彼らの見せ物になった。

自分が誰かなんて考えなかった。生きることだけを願った。

やがて、私を愛する男が増え、収入も増えた。

愛子の前で少しずつ強気になれた。

なぜなら、彼女の手に入る大半の利益は、私がもたらしていたからだ。

そして、ついに私は逃げ出した。

愛子の油断した隙に、ある客に乗じて逃げたのだ。

たとえ私のプライベートな写真や動画を握られていても、躊躇はなかった。

その客こそ、森太郎だった。

あの頃の森太郎は、家業が近藤家に依存していたため、彼女にへつらい、細かなことまで世話を焼いていた。

一方で、近藤結はいつもお嬢様ぶりを発揮し、森太郎を叱りつけ、困らせていた。

後に森太郎が、近藤結のTOEIC受験登録を学校のサイトで手伝った際、偶然私の写真を見つけたのだった。


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