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フグに転生したら勇者少女に飼われた件  作者: 空戯ケイ
第3章  戦場の瀬戸際

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第27話  崩れる形勢


 エレナと共に、港を駆け抜ける。


 方々で半魚人魔と戦闘中の村人たちに避難を促し、負傷者はエレナが回復を行った後、速やかに避難させる。

 たまに半魚人魔に襲われそうになれば、俺が攻撃してエレナを守る。


 そんなことをひたすら繰り返していると、港から村人は少なくなってきた。

 が、半魚人魔はいまだそこら中にウロウロと徘徊しながら村へと向かっている。


「だいぶ村の人はここから離すことができたね。あとは半魚人魔だけ……!」


 エレナはゾンビのような足取りで村へと向かう半魚人魔の背中を危機感に満ちた瞳で眺めながら、俺に視線を移した。


「ぷっくん! さっきの水の攻撃って、まだ何回もできそう?」

「ぷくっ!」


 俺は首肯するように縦に揺れた。

〈水槍〉はあんまりMP消費がないから、コスパよく発動できる。


「おっらァァアアア! 死ねや魚野郎がァァアアアア!!」


 遠くから、ラスキアの雄叫びが轟く。 


 見てみると、ラスキアが剣を振るいながら、バッタバッタと付近の半魚人魔をなぎ倒していた。

 どうやら、海から出てこようとしている半魚人魔を待ち構える形で無双しているらしい。


 すげぇ!

 絶好調じゃないすか!


「あっちはラスキアに任せてたら大丈夫そうだね。ぷっくん、私たちは村に向かおうとしてる半魚人魔を食い止めよう!」

「ぷっく!」


 海から出てくる新手の半魚人魔はラスキアに任せたとしても、初期に上陸を果たした半魚人魔はすでに何体か村の方へ向かってしまっている。

 陸上であるため動きが遅くなっているから侵攻速度が遅いのが救いだ。


 エレナは水槽を抱え、ダッシュする。


「ぷっくん! 海魔に効くのかは分からないけど……良かったら受け取って! パワーブースト! スピードブースト! ディフェンスブースト!!」

「ぷく!?」


 俺の体が淡く光る。

 瞬間、力が溢れてくる感覚に襲われた。


《――対象エレナから付与魔法の影響を受けました。一定時間、各種ステータス値が上昇します》


 俺のステータスが表示された。


 ――――――――――――――――――――

 名前:ぷっくん

 種族:バルーンパファー

 レベル:81

 HP:4273/4273

 MP:9239/9653


 物理攻撃力:12594(+2000【パワーブースト】)

 物理防御力:8426(+2000【ディフェンスブースト】)

 魔法攻撃力:8001

 魔法防御力:6143

 敏捷性:5529(+1000【種族補正】)(+2000【スピードブースト】)

 器用さ:5699

 スタミナ:6104


 種族スキル:旋風力せんぷうりき

 ユニークスキル:異種変形メタモルフォーゼ

 エクストラスキル:咬撃こうげき、水属性の大器、毒属性の大器、思念伝達、奪食だっしょく、言語翻訳、陸上呼吸

 スキル:鑑定、知者の導き、逃走Lv.4、高速遊泳Lv.5、瞬転しゅんてん探索サーチ、暗視


 スキルポイント:0


 称号:転生者、フグの加護、特異成長、格上殺し(ジャイアントキリング)幼体特攻ベイビーキラー、暴君

 ――――――――――――――――――――


 うわっ、すげぇ!


 物理攻撃力、物理防御力、敏捷性が二千ポイントもステータス値が上昇してる!

 付与魔法ヤバいじゃん!!


 しかも今気付いたけど、名前の欄も『ぷっくん』に変わってるな。

 前までは『フグ(仮)』だったから、まともな名前(?)が表示されている。


「どう、かな? ぷっくんもちょっとは付与魔法の効果があったかな?」


 エレナが不安げに問いかけてくるので、俺は水槽の中を元気に泳ぎ回って効果があることをアピールした。


「ぷくぷく~!!」

「効果があった、ってことでいいのかな? あはは、良かったぁ」


 効果は大アリだぜ! 

 付与魔法一つでここまでステータスが上昇するなんて!


「ぷっくん! あの半魚人魔たち、やっつけられる!?」

「ぷっく!」


 走るエレナの数十メートル先に、数体の半魚人魔が背を向けて村の方へと侵攻していた。

 後ろを向いていて酷く無用心だ。

 敵地に侵入してるってのに、そんな無防備だと後ろから寝首をかかれちまうぜ!


 食らえ、〈水槍〉!!


「ぷくぅぅぅ!!」


 俺はちゃぷちゃぷと揺れる水面を螺旋状に尖らせ、数体の半魚人魔の後頭部を貫いた。


「ギュア!?」

「ギュブァァア!?」

「ギグュアア……!」


 バタバタと半魚人魔が倒れる。

 これならラスキアのように半魚人魔狩りが捗りそうだ。 


「やっぱりぷっくんはスゴい……! この調子なら、私たちだけで半魚人魔を撃退できるよ!」


 エレナが希望に満ちた声色で頬を綻ばせた。

 これなら、半魚人魔を片付けることはできそうだ!


 俺も張り切って残りの半魚人魔を倒そうと意気込んでいたところで、空気の読めない下品な大声が鼓膜を刺した。


「お前らー! この俺様が来てやったからには安心するがいい! まずは景気付けに一発、俺様の最強の魔法をお見舞いしてやる!!」


 ゼインの高らかな宣言が港に広がる。

 瞬間、剣が凄まじい輝きを解き放った。


「――――うっ!」

「――――ひゃ!」

「――――ぷくっ」


 そのせいでラスキア、エレナ、俺が反射的に目を閉じた。

 それくらい凄まじい光の強さだ。

 あのバカ、俺たちもいるってこと考えてねぇのか!?


「死に絶えろクソ海魔ども! ――光剣魔法、フラッシュソード!!」


 ゼインが勝ち誇りながら剣を振り下ろす。

 光の斬撃が大地を裂きながら港に直進。


 停船所や港の一部を盛大に破壊しながら、半魚人魔の群れに襲来した。


 ――――ドガガァァアアアアアアン!


 徐々に光が収まっていき、俺たちは恐る恐る目を開ける。

 目眩ましを食らったせいで目がチカチカするが、皆は無事か――!


「――ぐあああああああああッ!!」


 港に響き渡る絶叫。

 ラスキアの声だ!


 俺とエレナは同時に声の方へ振り返る。


 そこには、背後から半魚人魔に銛を突き刺された、ラスキアの姿があった。




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