復讐の心構え
どうも。はじめましての方ははじめまして。朱羽の索夜です。
今回は、前日譚的なものとなっております。
それではどうぞ。
この世には『三大勢力』と呼ばれるものがある。
それぞれ『妖怪』、『亡霊』、そして『人類』だ。
私は、吸血鬼の末裔として生まれ、幸せな毎日を送っていた。
これからもこの日々が続くのだろうと。
…そう、思っていた。
炎があたりを照らす。
一面中、火の海。
どこを見ても、火、火、火、火。
吸血鬼の街が、火に包まれていた。
女性の悲鳴や、赤ん坊の声までする。
この頃、私は三歳。
「お、こんなとこにいい奴隷がいるじゃないか。」
「ホントだ。売りさばこうぜ。」
「ひっ…」
歩み寄ってくる人間たちがすごく怖かった。
両親の姿も見えない。
「ってか、これで最後なのか?残ってる吸血鬼は。」
「あぁ。そのようだ。ったく。吸血鬼を根絶やしなんて…はぁ。あんまり乗り気じゃないんだよなぁ。」
と、小声で言う。
そして、男はかがみ、
「よう。嬢ちゃん。さっきはあんなこと言ったが、俺たちは何も危害を与えないよ。」
と、男の一人が言ってくる。
そして、もう一人が、
「あぁ。俺たちは色々旅してたんだ。その中で、この街にも来たことがある。吸血鬼には良くしてもらったからな。危害は与えない。」
と言った。
「…え?」
警戒していた私は唖然とした。
「ただ…俺たちが嬢ちゃんを連れてくと、俺たちは殺されちまう。だから…『死神』に、俺たちのダチがいるんだ。そこに引き渡すから…あ、あと、魔法を渡してやる。”人間の姿を取れる魔法”…『プロテクション』だ。名前を言うと使えるからな。解除方法は、『Re:プロテクション』というだけ…俺たちが持ってても意味ないんだ。」
「…ぷろ…てくしょん?」
と唱えた瞬間、私の体が光り輝く。
そしてその光がなくなった瞬間、私は人間になっていた。
「おぉ。早い。使えるようになるまでが…」
「り、ぷろてくしょん」
体が光り輝き、吸血鬼に戻る。
「よし。後は、痛みを消す魔法をかけて…よし。あとは、眠っといてくれるか?」
何故かは知らないが…悪い人じゃない?
「…なまえ。私はねふぃりあ。ねふぃりあ・りこねっと。」
「『ネフィリア・リコネット』…かわいい名前だな。俺は『オグデン・リバース』。」
「俺は『オネット・ソネス』。おやすみ。ネフィリアちゃん」
「うん。」
オグデンさんとオネットさん。私は彼らの事を忘れないだろう。
…しかし、彼ら以外の人類は許せない…
だから、私は復讐を決めた。
目を開ける。すると、
「おはよー!ネフィリアちゃーん!」
と、小さな死神の子供が言ってきた。
あれから、私は死神に引き渡されたみたいだ。
「おはよう。」
と、私はほほえみながら言う。
が。私は裏では復讐のことを考えていた。
ここから…ここから。私の復讐劇が始まるのだ。
はい。次回からは、日常話になるかと思われます。
それではばいなら!