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それは真夏のある日のできこと。
台湾の台北市とある有名国立高校で、放課後の教室の中。男子生徒だちがこれから何しようと話し合ってる。
塾ある人はとっくに学校離れてる、家庭の事情で早く帰らないといけない学生たちも、みんな姿見えなくなってた。そんな中、
「喂,真星.要不要去打球阿?」(意訳:おい、真星、バスケやらない?)
真星と呼ばれた少年は、仲のいい友たちと一緒に学校に残ってた。
時間的に早く帰ると親いないからご飯が困るか、もしくは逆に親がうるさいから早めに帰りたくないか、
かと言って遊ぶためのお金もない「自由の学生」たち。
「啊,不了,我今天有想看的動畫,再不回去會趕不上.」(意訳:あ、いいや、今日見たいアニメあるからさ、帰らないと間に合わない。)
「幹、又動畫?你這死宅。」(意訳:は?またアニメ?くそオタクか。)
「靠北喔、你管別人興趣做啥。」(意訳:うぜぇ!人の趣味に口出すな!)
真星はいつも通りに友たちとお互いのことからかいながら、学校を出て、一つ信号の前で止まってた。
信号は待ち時間長いものもあれば、短いものもある。どの国も同じだ。
ただ、それを待ってる間に、「何かが起こる」、という確率は、国によって結構違うだろう。
後日、真星はこの日のことを思い出すと、そういう感想があった。
赤信号から青信号に切り替わって、20秒ぐらいの歩道を渡る時間。いつも通り友たちと一緒にその道を歩き出した瞬間、
遠い場所から、風を切り裂くほどの、音が、聞こえた。
「嗯?」(意訳:うん?)
「什麼聲音?」(意訳:なんの音だ?)
真星は友たちと一緒に音の鳴る場所を見て、そして、
目の前に真っ赤の「何か」が自分に飛んできて、ドン!ガーーーーーーー!
という耳障りの不吉な音と共に、真星は飛んだ。
いや、飛ばされた。
何が起こったのはわからない。
真星はただ、自分の体がだんだん冷たくなってるのと、目の焦点が酷く合わないのを感じ、そして消え行く意識の中で、辛うじて聞き取れたのは、
男性「快叫救護車!」(意訳:救急車を呼べ!)
女性「警察也要叫!又是酒駕!一看就知道喝很多酒了!」(意訳:警察も呼んで!また飲酒運転よ!見て分かるぐらい飲んだ感じだわ!)
などと、台湾では聞き慣れてる光景、
.......のはずなのに、自分の身に起きるなんで、思いもしなかった。
そして、劉真星、高校17歳、サッカー大好きな少年、学校では成績も全生徒上位10位以内で、人当たりよく、性格優しいなど、ほぼ完璧な少年が、
あっけなく人生を終えた。
*
次に目覚めた時、病院にいた。
(啊........我在醫院嗎?)(意訳:あ、、、、、、病院?)
体が痛い。全身動けない。それはそうだろう。車事故にあったから。
それもとんーーーーーでもないスピードでぶつけられた。
(那垃圾駕駛、等我出院一定要好好找他算帳!)(意訳:あのクソ運転手、、、!退院したらただじゃすまないぞ、、、、、!)
真星はそう思った時に、
「晶!?晶!目が覚めたね!よかった.......!」
隣に一人の大人の女性が立っていて、自分を見つめながら、「昌」と呼んだ。
(AKIRA?AKIRA是誰?不、重點是、她明明不是說國語、為什麼我聽得懂?)
明らかに違う国の言葉なのに、真星は理解している。
そして記憶の中に、その言葉の発音に印象がある。
(日文.....?為什麼??)(意訳:日本語、、、?何で?)
真星は色々不可解の事が起きる中、医者らしい人がドアを開けて入ったの見かけた。
「おお、目覚めたか。よかった。お母様が諦めなかったのがよかったね。」
眼鏡かけてる自分より年めちゃ上に見える医者が、穏やかな口調で話しかけた。
ただそれよりも、
「あの、、、、、ここどこですか?」
!?
真星は自分の口から発した言葉を聞いて、錯乱した。
(我剛才講了日文!?)(意訳:俺、日本語でしゃべった!?)
自分は台湾人で台湾語しかしゃべれない、日本語は興味あるけど、興味あるだけで話すのはもちろん、書くことすらできない。
なのに、話せた。
「ここ病院よ。何が起きたの覚えないの?」
お母さんーーらしい女性が、優しい声で答えた。
真星は直感でなんか状況おかしいと感じ、黙って首を横に振った。下手に答えたら、よりやばい状況になるかもしれないと思った。
「まあ、起きたばかりだと記憶の混乱もあると思うから。ゆっくり状況説明してあげた方がいいと思いますよ。」
「わかりました。先生、ありがとうございます。」
お母さんが医者に深くお礼をし、医者も「大丈夫ですよ。」と返事した後、病室を離れた。
そして真星は今この状況を一刻も早く解決しなければと思って、お母さんに、
「ね、お母さん、なんか鏡持ってない?」
.......自分が今話したのはやはり日本語だと、真星は確信した。どうやら台湾語で思ったことは、自動的に日本語に変換して話せるらしい。なんとも便利な。
「鏡?いきなり何?あ、自分の状態見たいのね?分かったわ、でも今鏡持ってないから、、、」
お母さんはポケットの中に自分のスマホを取り出して、カメラのアプリを押して、鏡の代わりに真星に見せた。
そして真星はカメラに映る自分の顔見た時、青ざめた。
全身が動けない程の大ケガしたから、顔も傷入ってるのはもちろん、ただ目立つ傷はない。
青ざめた理由は、別にある。
そう、自分が今、別の国の言葉話せるように、顔も、「別の人」になってた。
「ななななななな........」
「え、どうしたの?」
カメラに写ってるのは、小顔で、可愛い感じの、女の子らしい顔。
それは自分のイケメン(記憶の中の)顔とは全く別のもの。
つまり、
(我變成別人了!?!?)(意訳:別人になってる!?!?)
別人になっただけではなく、日本語話せたから、もしかすると、なぜか日本人になった。わけわかんない。ライトノベルよくある異世界転生の方がまだ現実的じゃない?
信じられないことを目の前に、体動けない真星ができることはただ一つ、
「なんじゃこりゃーーーーーーー!!!!!!!!!!!?????????」
全力で、大声で、叫ぶしかなかった。
初投稿です。ご意見いただければと思います。
後、自分の都合により、内容の更新は割と遅いかもしれません。
ご了承ください。