7つの子カラス
街中のあるところに、カラスの親子が「かぁ、かぁ」鳴いていました。
耳をすませていると、こんな会話が聞こえてくるかもしれません。
子カラス:わたしたちはなぜ啼くの?
カラス:わたしたちは山に 可愛い7つの子があるからよ
子カラス:可愛い7つの子?
カラス:そうさ。
子カラス:可愛い?僕のからだは、全身真っ黒で闇のような存在だよ?可愛いって可笑しくない。
親カラス:そうね。可愛いには、本来の意味を知る必要があるわ。気の毒や不憫が語源よ。
小カラス:可愛いは、気の毒な7つの子であるから?けど、僕7人の兄弟姉妹もいないよ?
親ガラス:多くても4匹ね。7つの子というのは、七五三を知るといいわ。7というのは大人になる一つの記しよ。小ガラスのアナタはまだ巣からでられないわ。出てしまったら、生きていけないからね。
子カラス:じゃあ、可愛い七つの子があるからというのは、不便な大人でいるからってこと?だから、可愛とからすは啼くの?
親ガラス:そうよ。わたしたちは、不憫な大人たちとして扱われているの。だから、可愛とからすは啼くの。
不便な大人にならないように、街の中から飛び出し山の古巣へ行って御覧。丸い目をしたいい子になれるからね。
子ガラス:僕達丸い目をしているよ。くちばしは尖っているけどね。
親ガラス:かぁかぁ
黒い翼をもったカラスが鳴いているのでした。