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異界鬼神伝説 オウガ  作者: ジョジョイビル
1/1

目覚めの章






鬼城トキは不思議な空間にいた。


暗闇に浮かび、上も下もわからぬ状態にあった。


ふと背後から白い光がさす。


「あったかい・・・」


手足をパタパタと動かしながら一生懸命光に近づく。


それに触れた瞬間。


パッ


トキは空に放り出されていた。


「え」


「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」


少女は重力に従って落ちていく。









「やったぞ!ついに発見した!」

「やりましたね教授!」


一方はるか下のジャングルでは、2人の人物が古代遺跡?の前で年甲斐もなくはしゃいでいた。

「苦節40年、他の学会員や学園の生徒、その他もろもろの連中にバカにされてきたがやっと彼奴らを見返せる時が来た!」

「ここの探索許可を取るために4年もかかるとは思いませんでした・・・しかしついに努力が報われる!」



「さあ伝説の善神、『鬼神オウガ』よ!貴方様の真実を我々にお明かしをー」






「ああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「「え?」」









ズドゴォォォォォォォォン!!!!



2人の目の前にある遺跡が、空から落ちてきた『なにか』に粉砕された。

土煙や破片が空に舞い上がり、瓦礫が降り注ぐ。


しばらく目の前の惨状に目と口をあんぐりと開け眺める2人組。


土煙が晴れ、落ちてきた『なにか』の正体が現れた。


「いたたた・・・あれ?生きてる!なんで!?」



「「遺跡がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」


「うわぁぁぁ!?!?なんですかあなた達ー!?」


ジャングルに3人の声が響き渡った。













「ご、ごめんなさい・・・」


少女は自身のやらかしたことを潔く素直に謝罪した。


「いえいえ、いきなり空から放り出されていたなんてなれば、だーれも反応できませんから・・・」


「イセキ・・・イセキ・・・」


「教授、壊れちゃったのは主に玄関部分です。中の方は恐らく平気かと・・・」


「確かに!目の前の惨状に気を取られて気づかなかった!そうと決まれば早速調査だ!」


うずくまっていたかと思えば助手の言葉で飛び上がり遺跡の方へ駆け出そうとする教授。

慌ててそれの首根っこを両手でつかみ制する助手。


「教授!待ってください!彼女のこと忘れてません!?」


「おっとしまった。君のことを忘れていたよ。私はアッカム、国都で教授をやっている。」

「ぼくはミヤート、教授の手伝いをしています。」


「鬼城トキです!歳は15です!・・・あのぅ、ひとつお聞きしたいんですが・・・」


「?なんだね、言ってごらん」


「お2人は妖精さんかなにかなんですか?」


「あぁ・・・やっぱり、教授、この人僕の見立て通り『時空渡り』ですよ」


「なんと!まさかこちらの世界に来たばかりの者に会えるとは・・・!」


「えーっと・・・なんですかその『時空渡り』って」


「まずは一旦僕らの野営地に向かいましょう。歩きがてらに説明しますよ。」


















ミヤートの話によると、この世界はアルトニスと呼ばれているらしい。幻獣や魔獣、モンスター達が跋扈している言わばファンタジーの中のような世界だ。


アルトニスでは昔から異世界からの来訪者、もとい漂流者がよく現れていたらしい。そのもの達を総称して『時空渡り』といつからか呼ばれていたそうだ。


今更だがアッカム教授はシーフゴブリンと呼ばれる種族で、深林やなどの緑の深い場所の活動が得意だそうだ。

ミヤートはデザートオーク、砂漠地帯を活動拠点にしているオーク族の仲間。暑さ我慢にはかなり自信があるとか。



「さて次はこちらから質問だ。君は別の世界のどんな国からやってきたんだ?」


トキは教授からの質問に答えようとする、が


「・・・」



トキは口を噤んでしまった。怪訝そうな顔をしてアッカムが問いかける。


「ど、どうしたんだね?」


トキの口から衝撃の言葉がとび出た。


「名前以外何も覚えてないんです・・・ほんとに」


「なにい!?」


「記憶喪失・・・ですね」


アッカム教授曰く、記憶を失った『時空渡り』はなんどか確認されているらしい。それに伴い、記憶を取り戻す方法も学者たちの長年の努力により解明されてきた。

自分の国の文化に触れること、それこそが解決の糸口らしい。

アルトニスでは『時空渡り』たちと現地人たちの協力のもと文明を築いてきた。そのため、多少の違いなどがあるが『時空渡り』たちの世界の文化がかなり入り交じっている。


無論、この治療法には個人差がかなりある。


ある者は自国の文化に触れた途端、完全に元いた世界の記憶を取り戻すことが出来た。

しかしある者はいくらこの世界の文明、文化に触れようと記憶を取り戻すことは出来なかった・・・。


そもそも都合よく自身の世界の自身の住んでた国の文化があるのかも分からない。そのためこの治療法はあまり推奨されていないのだ。





「とは言ってもやってみなきゃわからないんですがね」

「うむ、まずはこの世界を周り様々な物を見て回るといい、なにかが切っ掛けで記憶を取り戻すことがあるかもしれないからな!」


「はい!ところでなんですが・・・」



樹林の中を進む3人、するとトキがなにかに気づいたようだ。


「なんか・・・ザワザワしませんか?」


「え?そりゃあ鳥や虫の鳴き声だろう。ここそもそもジャングルの中だし」


「あれ?そういえば教授、獣避けの香草薬どうしました?」


「あ〜・・・あれは確か、遺跡に行く道中オオツノイノシシにおそわれて、確かその時に全部ぶつけたんだったな!」


「オオツノイノシシってもしかしてこの子ですか?」

「え?」


トキが指さした方向にはこちらを睨む巨大なイノシシがいた。


赤黒い体毛に白い横線が三本、頭部には1本の巨大なツノ、鋭い牙まで生やしていた。


鼻息荒くこちらをうかがっている。





「「「・・・」」」









「逃げろぉぉぉ!!!」





アッカムの叫びを合図に逃避を図る3人、イノシシも逃がすまいと周りの草木を踏み潰しながら追いすがる。




「やばいやばいやばい!やっぱり追いかけてきてるぞー!」

「なにか道具は!?」

「ない!何も無い!」


「・・・!この先に広い場所は!?」

「え!?確かこの先にキャンプ地にしている川があるけど・・・どうするのトキさん!」

「説明はあとでします!」




森をぬけ川に河原まで飛び出した。トキはすかさず、

「川の中に飛び込んで!」


ドボン!


アッカムとミヤートはすぐに川に飛び込んだ。がトキは飛び込まず、河原の砂利の上で立ちはだかった。


「何をしている!早く!飛び込むんだ!」


アッカムが必死に呼びかけるが、トキは森を静かに見据えていた。

森から爆音のような音が響き渡る。そしてとてつもない土煙と大量の木々を吹き飛ばしながらオオツノイノシシが巨体をあらわにした。


彼は脇目を振らずにトキめがけて突進、トキは「ふん!」と力を込める。


そしてイノシシとトキがぶつかりあった。

トキは吹っ飛ばされ・・・ずに、イノシシの突進を受け止めた。


「ふぐぅぅぅぅ・・・!」


トキは彼を受け止めるだけにとどまらず、その巨体を持ち上げた。そのまま

「でりゃあぁぁぁぁあ!!!」

と川に向かいぶん投げる!イノシシはアッカムとミヤートの上を軽々と飛び越え、巨大な水しぶきをあげ、着水した。



「今のうちに逃げましょう!」

「よしきた!」


3人はそのまま河原を大急ぎで後にした・・・。










キャンプ地に着いた3人は、とりあえずトキを近くの村におくりとどけることにしたらしい。



「この村は今中央都からのギルドチームが派遣されています。そこに問いかければ面倒な手続きがかなりありますが、中央都での市民権と冒険者免許が発行されます。それさえあればなんとか暮らしていけるはずです。頑張ってください!」


「はい!ありがとうございます!」


「説明は終わったようだな。」

アッカムがテントから出てきて2人が座っている焚き火の前に座り込んだ。


「教授、連絡は取れましたか?」

「あぁ、あの村の冒険者達がこちらにむかえにきてくれるらしい。」


もう完全に日は落ち、まわりを焚き火の光が照らしていた。


「そういえばお2人はなんの遺跡を調べていたんですか?」


トキが今まで不思議に思っていたことを聞き出した。


「あぁ、あの遺跡は『鬼神オウガ』が眠っていると言われている場所なんですよ。」


「鬼神オウガ?」


「世界を邪神達から救った善神の一角だ。今から遥か、それは遥か昔に他の善神達と共に邪悪の化身と戦い、その身と引き換えに世界を守り抜いた・・・そんな伝説を彼は持っているのだ。」


「はぇー・・・そんなことが・・・」


「教授、トキさん、あしたは早めに出発しますし、そろそろ休みましょう。」


「そうだな、トキくん、君はテントの中で眠りなさい、私たちは外で眠るよ。」


「ありがとうございます、何から何まで・・・」


「気にしないでください、それではおやすみなさい。」



火を消し、あたりを星空からの光だけが照らすようになった。


トキはテントの中でまだ眠れずにいた。


「鬼神オウガ・・・」


ボソッと呟く。

その名前になんだが懐かしい気がする・・・なぜだか分からないが、そんな気がする。


熟考するうちに彼女は眠ってしまった。







鳥の声や風で草木が揺れる音が朝日と共に現れる。キャンプ地の荷物を3人分に分け、移動していた。


「いい朝ですね〜」


「爽やかですよね、都会では感じられませんよ。」


「出来ればコーヒーをたのしんだりしたかったんだがなぁ・・・」


談笑をしながら待ち合わせ場所に向かう3人、そんなところにソレは降ってきた。



ズドォォォォォン!!!


「うわぁぁぁ!?」


「なんだ!?」

いきなりの轟音と土煙が当たりを包んだ。


「一体今度は何が降ってきたんだ!?」


「アッカム先生!あれを!」


トキが土煙の中を指さす、そこには巨大な黒い岩のようなゴツゴツした塊があった。


「あれはなんでしょうか?教授」


「わからん・・・!?おい!様子がおかしいぞ!」


黒い岩が急に身震いをし始めた。周りの岩や石を引き寄せ始め、黒い岩に触れたものも例外なく同じ黒いものになっていく・・・そして、黒い岩は巨大な黒い巨人へと変貌した。


「ゴーレム!?あんなものは見た事がない!」


「やばい予感がします!早く離れましょう!」


ワタワタと慌てながら逃げようとする3人だが、時すでに遅し、巨人がこちらに気づいてしまった。


巨人はその巨体に見合わぬスピードでこちらに飛んできた。


3人の前に立ちはだかる。


「やばっ!」


巨人が腕を振り抜く。トキはその腕にとらわれ、吹き飛ばされてしまった!


「トキくーん!」











ドゴォン!


「あだぁ!?」


トキはかなりの距離吹っ飛ばされ、何かにぶつかりやっと止まることができたのだった。


「あいててて・・・早く戻らないと!

ってあれ、ここって・・・」


そう、トキはあの『鬼神オウガ』の遺跡まで吹き飛ばされてしまっていたのだった!


「ここまで吹っ飛ぶなんて・・・凄い力だ!

どうやって倒そう・・・・・・?あれは」



遺跡の奥にキラリと光る何かが見えた。


トキはおもむろにそこに向かう、そこにあったのは赤い数珠だった。


トキがそれに触れると数珠から紅の光が吹き出した!


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」


遺跡から赤い光が溢れ出した。












一方その頃、アッカムとミヤートは黒い巨人に追いかけ回されていた。


「うおぉぉぉ!早く冒険者達に合わなければ!」


「トキさんは大丈夫なんですかねー!」


「オオツノイノシシの突進を食い止めたんだ!無事に決まっている!」



「あっ」




朝露で道が濡れ、ぬかるんでいるためかミヤートがすっ転んでしまった。


「ミヤート!後ろだー!」


巨人は両手を振り上げ、今まさにミヤートに岩槌を下そうとしていた。


「う、うわぁぁぁ!!!」



「待てぇぇぇぇ!!!」


ドガァっ


巨人が両腕を振り下ろさんとする刹那、誰かが巨人に飛び蹴りをかました。

ズズンと倒れ込む巨人、そしてミヤートの前にはトキが新たな装いで立ちはだかっていた。


トキは紅の甲冑に身を包んでいた。胸にはVの字に近い赤い装飾がされており、左肩には鬼の面をかたどったような飾りがついている。

白い腰マントをたなびかせ、3本爪の足が大地をがっしりとつかみ、不動のオーラを放っていた。



「トキさん、それは・・・?」

「あの遺跡で見つけた数珠に触ったらこうなっちゃって・・・でもすごく力が溢れてきますよ!これだったらアイツを倒せます!

アッカム先生!ミヤートさんを連れて離れてください!」

「わかった!すまない、頼む!」


2人が離れるのを確認したトキはまた黒い巨人へと向き直す。巨人はすでに体勢を立て直していた。


「ばっちこい!!!」



巨人が正拳突きを繰り出す。トキは腕をクロスに組み、よけずに真正面からそれを受けきった!


あたりの空気が爆ぜるような音が響く、がトキは全くダメージを受けた様子はない。


トキは腕は一気に開き、巨人を後方へとはじき飛ばした。


「これで!どうだぁぁぁぁ!!!」


トキは無防備になった巨人の胸に渾身のパンチを打ち込んだ!


巨人の胸部は砕け散り、コアのようなものも粉々に粉砕された。


「・・・鬼神オウガにはこんな伝承がある・・・」


「教授?」


離れてトキの戦いを見ていたアッカムが口を開いた。



「オウガは時代によって姿を変えていた、それは今まで髪の御業によってなされることかと思っていたが・・・」




トキが手を振りながらこちらに走りよってくる。



「彼女がこの時代の鬼神なのか・・・?」








第1話《鬼神オウガ、見参!》


ガバガバです、許して・・・許して・・・

あと主人公のトキさんはフルボッコヒーローズというソシャゲの桃太郎ってキャラに似せている設定です(誰得)

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