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あなたの慈愛とともに  作者: りんた
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黒木淳のお話11 英語と放課後

理沙がお母さんのように思えてきた黒木淳。

英語の教科書を読みながら考えた。誰がうさぎにあんなことを?生徒?先生?侵入者?どれにしろ気味が悪くて仕方がない。今日は学校終わったら早く家に帰ろう…。

 

 先生「はい次教科書の40ページ5段落目の読みと日本語訳を誰かお願い。じゃあ黒木くん。」

 

 淳「んっ。はい」

立ち上がり英文と日本語訳を読んだ。

 

  日本語訳だとこんな文章だった。


『愛とは人を守り、裏切るものである』


『そして時に痛みと絶望をもたらすものでもある』


『しかし人間はそれらを乗り越え真実の愛を見つけるため歩く』


『川に沿って歩くのかもしれない。山道を歩くのかもしれない』


『どんな道を歩くにしろ、分け隔てなく愛は人を美しくする』



 先生「良い発音ですね。日本語訳もバッチリです。はい皆拍手」


パチパチパチパチ…。なかなか気分が良い。予習をしておいた成果が出た。


…その後はうさぎのことはすっかり忘れていたが、帰りのHR後に先生から理沙と一緒に聞かれて思い出した。朝の光景が浮かんでくる。

 

 淳「あーいやだいやだ。」

放課後の掃除も終えて用具を閉まっている時に教室の外から真子が話しかけてきた。

 

 真子「淳くんいますかー」

 

知っている声だけど…

 

   「あっいたいた。ねえ理沙ちゃん知らない?一緒に帰りたいなって」

 

一緒に…?また理沙の機嫌が悪くなるぞ…?


   「知らね。どこだろ」

 

   「あーやっぱりか…理沙さっき玄関にいていそいそと出てったの、ついてこうと思ったんだけどね」


ん?えっ!?

 

「えっ何か言ってなかった?こんなこと初めてなんだけど」


そういえば理沙の机上にバッグが無かった。先に帰っていたのか…!

 

   「んーわかんない。帰る約束してたの?」


真子はキョトンとしたような表情だ。

そうだよなあ…

 

   「今日はしてない。いつもならベッタリついてくるのに。何も言ってこないこともないし…」

 

本当に不思議だ。


   「ふーん。じゃあ私と一緒に帰ろ?今暇なの」


   「ラインするか…まあいいよ」

 

仕方ない。まあ暇だしそれでいっか。


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