転生して初めて見たのは瓦礫の山でした
初投稿です。
よろしくお願いします。
「うーん、ここはどこなんだろう?」
"何故か"首が殆ど回らないので今向いてる顔でギリギリ見える範囲を見渡してみても、周りには鉄くずやら壊れた機械やら、辺り一面瓦礫の山であった。
前世の記憶なんてものは持ってはいるものの、以前自分が住んでいた世界にこのような場所はないと思う。
「これが俗に言う"異世界転生しちゃいました☆ "みたいなやつなのかな。でもどう考えても…」
どうやら僕は人間には生まれ変わらなかったらしい。
僕こと佐藤優太は、生まれつき病弱だった。
免疫に疾患があったらしく、皆が学校の教室で過ごしているであろう期間、ずっと病室のベットで1日を過ごす生活だった。
母親は何かにつけて「丈夫な身体に産んでやれなくてごめんね。」ばかり言っていた。
もちろん自分も同年代の人間のように外でサッカーをしたり友達と勉強したり恋をしてみたりと、そのような生活をしてみたかったけど、生まれてこの方ずっとこんな感じだったので「まあ仕方ないか」と思っていた。前世の僕は何をやらかしたのかな?
僕が17歳になる年、僕は風邪を拗らせ肺炎となり、呆気なく命の幕を閉じることとなる。
かなり衰弱していた頃には、病室の外から「まだ17歳なのに…」とか、「親御さんが可哀想だ」やら聞こえてきたけど、死ぬ間際には両親に妹に親戚が集まって看取ってくれたし、僕自身はそこまで悲観していなかった。生まれつきの事だったから覚悟も出来てたしね。
ただ、「来世は病気と縁がない頑丈で丈夫な身体に生まれたいなあ」とは思った。
という訳で現在に至るのだが…。
「とりあえず自分が何に生まれ変わったのか調べてみないとな。」
鏡がないということはとても不便である。
とある漫画にて自分の容姿にコンプレックスを持った主人公がお守りのネコ型ロボットに「鏡のない世界に行きたい」と言い、それを叶えて貰ったお話がある。
その世界では鏡がない所か窓にも自分の姿は映し出されず、自分の顔を知らない人間しか存在しない。
その話では初めて鏡で自分が映し出された警察官が、鏡に映った自分を不審人物だと思い込み、鏡に向かって拳銃を乱射して幕を閉じたのだが…。
とにかく、自分の姿を映し出してくれる鏡がないということは、自分が未だ何者なのか分かっていない優太にとってかなり痛かった。
ただ、明らかに身体に血が通っていないような気はするし、腕を動かそうとした時に「ギギギ…」やら「ガギギギ」だか擬音が聞こえるしで、とりあえず人間ではないのは確定しているっぽい。
ふと、下を見てみるとそこには鉄くずが落ちていた。
捨てられている割には磨かれていた鉄くずであり、ほんのぼんやりとだが、自分の身体が反射して映し出された。
そこには、はっきりとは見えないがゴツゴツとした人型(?)に近い巨漢が映し出されていた。
「もしかしてだけど、僕、ゴーレムに転生した?」
丈夫な身体とは言ったけど、違うベクトルで頑丈で丈夫な身体だったなあ!?
「こんなネタありそうだな…」と思ったけど割となさそうだったので書いてみました。
思いっきり見切り発車です\^^/
良ければ応援よろしくお願いします\^^/