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最強の娘と虚名を得た俺は、乱世から逃れられないので終わらせる!  作者: 楼手印
2章 勇者なんて虚名です、神竜より強いわけ無いじゃないですか!
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021話 俺たちだって怒ってる!

「どうするの? ユーマ!」

「どこにいるか分からない物を探すとなれば、必要なのは人手だ。それはフェリシア様にお任せして良いだろう」

「お役に立てず申し訳ないッス……」


 さすがのタロもミュリエルが拉致された事には、責任を感じているらしい。

 でも相手が事前に対策を立てていたなら、追えなくても仕方がない。

 

「気にするなタロ、2人を取り戻せれば問題はない」

「でも早くしないと、どんな目にあってるか分からないんだよ⁉」


 ミュリエルの事となるとミアも――というか、俺達全員平静ではいられない。

 フェリシア様ですら、ああだったしな。


 けど落ち着いて事に当たらないと解決は難しいんだ、冷静にならないと。

 危害を加えるならその場でやれば良い。

 相手はわざわざ誘拐という手段を選んだんだ、2人は無事なはずだ。


 何かを要求するのであれば、人質との交換という場面が必ずくる。

 そこが狙い目ではあるが――。


「ミア、人を探す魔法ってあるか?」

「あるよ、大体の方向が分かる程度だけど2人を探すには使えると思う。でも距離が離れてると急に難しくなるから……」


 師匠なら使えるかもしれないが、町に戻ってそこで使うと王都まで100km以上の距離になるな……さすがに難しいか?。

 かといって王都まで来てもらうには、よほど急いでも往復で10日近くはかかる。

 師匠は乗馬が得意じゃないからな。


 王宮なら、そういう魔法使いを確保してそうではあるんだが――。


「難しくなる距離ってどのくらいからだ?」

「20kmを超えたら、普通の魔法使いじゃ良くて2回に1回成功するかどうかくらい。失敗したら1週間は使えなくなるよ」


 使い手がいるならフェリシア様が声をかけてるだろうが、アテにするには厳しい数字だな。

 それに誘拐を計画するなら、その手の魔法については調べてそうだし対策もしているかもしれない。


 そうなると相手の本拠地がこの王都なら良いが、レティが王女だと気がついた時点で王都からは逃げそうな気がする。

 王女誘拐となれば、即日なんらかの魔法で追手がかかるのは目に見えてるし、解放されてないとなれば連れて逃げてるんじゃないか?

 王都から出るのがさほど難しくないのは、俺が実証してしまってるしな。


「レティが王女だってのは、すぐに気がつくはずだ。解放されてない理由はなんだ? 相手の目的がそこから分かったりは……ダメだな。」


 分からない事が多すぎる。

 ひとまず町に戻って師匠に……いや?

 そういえば、今ひょっとして――。


「兄ちゃん達、手紙だよ」

「誰ッスか⁉」


 失敗を挽回したいのかも知れないが、警戒しすぎだタロ。

 子供に武器――街中なんで無いよりマシの棒だが――を向けてやるなよ。


「ありがとう、誰が君に頼んだのか言えるかな? 時間と場所は?」

「見た事ないおっさんだよ。俺にこれ渡して、しばらくしたら兄ちゃん達に渡せって……少し前にあそこで。小遣いくれるっていうからさ」


 この子は無関係だろうな、手紙を受け取って少年に行っていいと手を振る。

 時間をおいて渡せって事は、その間に逃げて見た目を変えるなりしてそうだ。


「犯人からだよね? 何て書いてるの?」

「ちょっと待てよ……娘は無事だが話がしたい、3日後に別の町で待ち合わせだそうだ。ついでに王宮には知らせるなとさ」

「3日後ッスか、時間があるようで無いッス……」


 師匠の助けは期待できそうにないな、間に合わない。

 もう少しあれば何とかなりそうだったんだが……。


「犯人側にも時間制限はありそうだ、王様が帰ってくる前にレティを返したいだろうからな」

「王様が帰ってきたらどうなるの?」

「ブチ切れて滅茶苦茶するんだと。王都に店を用意出来るって事は偉いヤツか金持ちだ、混乱は俺達以上に望んでないだろうな」


 ここに来るまでに王様がどの程度ヤバいのか? という確認をとってみたんだが――ちょっと想像以上だった。

 以前にレティに罵声を浴びせてその場で叩き斬られた人物というのが、伯爵位の持ち主だったそうだ。

 謝罪の機会や決闘の体裁を整える事すらなく伯爵を斬り捨てた後に、今後も娘を傷つける者がいれば誰であろうが容赦はしないと宣言し、実際伯爵側について不満を訴えた者たちをも斬り捨てようとしたとか。

 そして反乱の勃発である。

 

 よく人気の王太子に王位を譲らせるって話にならなかったな? 

 まあまだ若かったんだろうけど、王太子。

 レティの自由っぷりはハーフエルフとしてはありえない、そこからも当時の混乱の大きさがうかがえる気がする。

 本人は絶対に無自覚だけどな。


「ともかく手がかりを向こうからくれたな、行くぞ2人とも」

「手がかりってその手紙? すぐ追うの?」

「どこに行くッスか? ごすじん」

「団長の所だ、運送事業で行き来する関係で主要な街には支部を置く事になってるんだよ。王都なら団長が、その作業に来てるかもしれない」


 もう少し時間を貰えるなら、傭兵団に町まで伝書鳩でも飛ばしてもらえるかと思ったんだけどな。

 3日じゃ鳩は間に合っても、師匠がこっちに間に合わない。

 でも傭兵団だけでも人手があるのは助かる。


「人質の安全を確認させなきゃ取引にはならない……と思う。だから向こうが指定した町の方向にミュリエルたちは運ばれてるはずだ。方角さえ分かれば――」


 犯人どもは知らないが、俺とミュリエルは繋がっている。

 小柄とはいえ、人間を運ぶのに馬を全力で走らせたりは出来ないだろう。

 こちらが全力で追えば、能力の範囲内に捉えて本拠地の方角くらいは掴めるかもしれない。

 

「ってことだ。急ぐぞ」

「うん、危ないことされてなくても、何されるか分かったもんじゃないよ!」

「悪いヤツらは全員やっつけるッスよ!」


 手を出されて怒ってるのがレティの家族だけだと思うなよ、クロヤローどもが!

ブクマ、評価、感想、誤字訂正等いつもありがとうございます!

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俺とポンコツ幼馴染と冒険とパンツ
― 新着の感想 ―
[一言] フード取ってアカン…ってなったんでしょうね。
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