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第八十二話 ヘルヘイムの層 ~カールとの再開~

 あたりは完全なる闇。

 音すらしない。


「ここが闇の世界。ヘルヘイムの層か――」


 何も見えない。

 右手にRPを集中し光を発する。

 

「え?」


 光は瞬時に闇に吸収されてしまう。

 より強く光を発してみるが闇に吸収される一方で一向に明るくならない。


「ダメか」


 この世界では視覚が役にたたない。

 意識を集中しRPによる流れを感じて周囲を観察する。

 遥かかなたまで闇は広がり平坦な床がのびているようだ。

 床の材質は大理石のように硬くつるつるとしているようだ。


 その時、突然、目の前に巨大なRPを感じた。

 

「カール!」


 この気配、姿かたちはカールに違いない。

 カールの近くにかけよろうとした瞬間。


「うわっ! な、何するんだ!」


 カールが右の手刀で心臓のあたりをついてきた。

 紙一重でかわす。


「さすがアルスだね。殺すつもりでやったのにカスリもしないか」


 カールが不敵な笑みを浮かべながら話すのを感じ取れた。


「どういう事だ!」


 叫んだ瞬間、カールの後方から巨大なRPが湧き出るのを感じだ。

 この気配はアイツだ。


「ザムウェル!」


 カールの父親。

 俺たちのパーティーをバラバラにした張本人だ。


「カールに何をした!」

「なにも。カールはオレの息子だ。お前達と行動していた事の方がおかしかったのだ」


 ザムウェルがそう言うとカールが近づいてきた。


「そういう事。オレは元々、親父に暗殺マシンとして育てられた。自分より強い者が居たら勝つまで戦う。負けるわけにはいかないんだよ」


 カールは両腕にRPを流し剣のようにして襲いかかってきた。

 避けるので精一杯なほどスピードが早い。


「カール! 一緒に過ごした日々は何だったんだよ!」


 カールはザムウェルに操られているに違いない。

 カールは最初から強くて冷徹に敵を倒していた。

 だが、普段は冗談も言い合って仲良くすごした仲間だ。

 あのカールがこんな事を自分の意志でするはずがない。


 先にザムウェルを倒す!


 RPを集中し一気にザムウェルを叩く。

 

「うおおおおおおおお! 全開だ!」


 3億はあるだろうか。

 これまで出したこともない全力。

 一気にザムウェルに叩き込み終わらせる。


 カールを置き去りザムウェルの元に一瞬で移動する。


「うおおおおおおおおおおおおおお!」


 レーヴァテインを引き抜き一気に振り下ろした。

 ザムウェルに直撃した瞬間、強烈な衝撃波が周囲をつつむ。


「え?」


 振り下ろしたレーヴァテインの先に信じがたい光景が広がっていた。

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