第七十話 ブライスを倒そう ~アイラの真相の件~
アイラ、いやブライスは不敵な笑みを浮かべて立っている。
ゆっくりと近づいてくると殴りかかってきた。
RPを防御に使いダメージは無い。
「へえ。ノーダメージか」
これならどうかな?
「ぐわっ!」
ブライスの一撃が俺の腹に入った。
俺は思わず膝をついてしまった。
RPを集中しガードしたのに……。
「クックック」
ブライスは小さく笑った。
「ここまで圧縮すれば君にもダメージが通るんだね」
「圧縮? まさか?」
「おや、勘が鋭いね。
そう君の想像通りアイラの過去と未来に続く生命を圧縮して攻撃に転化したんだよ」
「お前、アイラのどれだけの時間を使えば、ここまでの力を!」
「うん。そうだね。
もうあと2,3発でこの体は全ての時間を使い尽くしてしまうだろうね。
君が強大なRPでガードすればするほど力を使わなくちゃいけなくなるのさ」
「くっ……。ふざけるな……」
ブライスは軽く殴りかかってきた。
そのRPは100も無い。
「ぐはぁっ!」
俺は地面をのたうちまわった。
RP0で攻撃を受けたからダメージが強烈に体に響く。
少しでもガードしたらブライスはアイラの生命を使う気だ。
しかし、このままでは俺もやられてしまう。
ブライスは地面に転がった俺を両手で掴んで立たせた。
「まさか完全にノーガードで攻撃を受けるとはね」
ブライスは俺に顔を近づけ薄ら笑いを浮かべて言った。
「ふ、ふざけるな……」
俺はアイラと一体となるようイメージした。
「な、何を!」
「お前のその歪んだ考えを見てやるよ!」
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真っ暗な空間。
しかし、空には竜巻のように黒い霧が渦巻いている。
空は赤い稲妻の光りで絶え間なく照らされている。
アイラの意識を感じ転移すると黒い霧に包まれた光の玉があった。
俺が手をのばし光の玉へ触れようとすると空の竜巻からブライスの声がした。
「触るな!」
空の黒い竜巻は光の玉のまわりへと渦巻き近づくことさえ出来なくなった。
「お前には負けない!」
俺は全RPを振り絞って光の玉へと近づいた。
黒い霧の竜巻は行く手を阻む。
「近づくな! 近づくな! 近づくな!」
ブライスの声は大きくなっていく。
俺は全力を出し光の玉へと触れた。
その時、アイラの声が俺の中へと響いた。
「アルス。来てくれたのか」
「アイラ! 俺がRPを渡すからそこから出るんだ!」
俺が光の玉へとRPを注ぐと強烈な光が一体を照らした。
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アイラが目の前に倒れている。
そして、その近くにブライスが居た。
「まさか、こんな方法で救い出すとはね」
ブライスは息を切らしながら言った。
「どけ!」
俺はブライスを右手で叩き飛ばすとアイラの元へと近づいた。
「アイラ!」
アイラの肩を揺らしながら名前を呼んだ。
「ア、アルス殿……」
アイラは目を開くと俺の名前を呼んだ。
「ワ、ワタシは何を……」
「ブライスに操られていたんだ。
アイツを倒さないといけない。
ここで待っててくれ」
俺はアイラをその場に座らせるとブライスの近くへと向かった。
「ブライス! お前は一体なぜこんなことをしたんだ」
ブライスはヨロヨロと立ち上がって言った。
「なぜか? 君のためだよ。君がより強くなるため」
「何を言ってるんだ!」
「現に君は強くなりここへ戻ってきた。
そして今も進化を続けている。
さあ、最終試験だ」
ブライスは微笑むと黒い霧へと化した。
黒い霧は俺を囲むように渦巻いた。
俺を中心に黒い霧の竜巻が回転している。
「僕の生涯全てのRPを圧縮した。
見事乗り越えて見せてくれ。
これから全RPを爆発力に変える。
見事耐えるんだ」
「ふざけるな!」
アイラを連れてこの場から逃げよう。
「か、体が動かない……」
「この場から逃げるのは無しね。
それじゃあ試練にならないしね。
僕の生命を圧縮した呪縛と爆破。
頑張ってね」
「くそおおおおおお!」
俺が叫ぶと、アイラがゆっくりと立ち上がって近づいてきた。
「アルス殿!」
「アイラ! 近づくな! 逃げろ!」
「そ、そうはいきません」
「俺だけなら何とかなる。ここから離れてくれ!」
アイラは、こちらへ向かって来ると黒い霧の中へと飛び込んできた。
黒い霧は全てアイラに吸収された。
「アイラ!」
「アルス殿。離れてください……」
「アイラああああああああ!」
強烈な黒い閃光がアイラを包んだ。
そして、強烈な爆発が辺りを吹き飛ばした。
文学賞応募作投稿のため次回更新は10/21(月)になります。
文学賞応募作投稿のため次回更新は10/23(水)に延期させていただきます。




