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第五十五話 この世界を陥れる悪を倒そう ~カールの兄の件~

 カールの兄ブライスは、RPによるトラップを得意としたらしい。

 RPのトラップは遠隔、自動、具現化操作を高度に使いこなす必要があり、その使い手は限られている。

 そして父親であるザムウェルはブライスへRPトラップを教授した。

 ザムウェルはRPによる直接戦闘の第一人者とのことだった。

 RPによる直接戦闘の第一人者が遠隔、自動、具現化操作を必要とするトラップを教示したとは、その実力がどれほどのものか伺える。


 カールが兄と父の事を話すのは初めてだった。

 今回、エルフ王アールヴを死に追いやった敵。

 高度なRPトラップの使い手がカールの兄や父親と関係する可能性を感じているんだろう。


「やっぱり、王様と王妃様はこの国の平和の事を考えてくれたんだね」


 エゼルさんは食事を準備をしながら言った。

 エゼルさんの宿屋で俺達は食事をしながら次何をするか? 話し合っていた。

 

「あの……。『ヴァナヘイムの層』へ続く塔にRPトラップを得意とする者が居るようです」


 ヘルが恐恐と口を開いた。


「本当か? ヘル」


 俺が声をかけるとヘルは説明をしはじめた。


「ギルドで聞いた事があります。

 『ヴァナヘイムの層』へ続く塔にトラップを得意とする者が居ると」

「けど、この世界の『ヴァナヘイムの層』へ続く塔はどこにあるのかしら?」


 フレイヤが言った。


 そうだ。

 今までの世界では次の層へ続く塔はどこからでも見ることが出来た。

 天空に通じる10キロの高さの塔だ。

 見えない方がおかしい。


「『ヴァナヘイムの層』は神々の住む世界と言われています。

 だからこの世界から通じる場所は限られた者しかわからないです」



---



 翌日、エゼルさんの宿屋を出た俺達は『ヴァナヘイムの層』へ続く塔の入り口に居た。

 

「ヘルのおかげで助かったよ」


 塔はトラップ魔法により周囲から隠蔽されていたのだ。

 エルフ王アールヴの玉座の後ろに入り口があった。

 塔の奥へと進むと魔物など敵は居ないもののトラップが仕掛けられていた。


「あぶないニャ!」


 ノルは岩弾丸の魔法で天井から降り注ぐ岩を粉砕した。

 土系統の魔法のトラップは土系統の魔法を使うノルが最も早く感知した。

 次の層へ進むとアイラが口を開いた。


「待って下さい!」


 アイラは先へ進むと炎の柱を周囲へ展開した。

 すると誘爆するようにフロアの床が爆発した。

 おそらく床に炎の柱のトラップが仕掛けられていたんだろう。

 次の層ではフレイヤがみんなを止めた。


「ここは私にまかせてください」


 精神的回復呪文(キュア)を周囲へ展開した。

 フロアの壁に潜んでいた魔物。

 腐った死体(ゾンビ)が浄化されていく。

 このフロアは足を踏み入れると腐った死体(ゾンビ)が大量に発生するのであろう。

 更に次の層へ進むとカールが叫んだ。


「みんな戻れ!」


 カールが叫んだ瞬間、強烈な閃光が辺りを包んだと思ったら一瞬遅れて爆風が襲ってきた。

 

「カール!」


 カールの叫び声でフロアの外へ飛び出した俺達は無傷だった。

 だが、カールはフロアに取り残されたままだ……。

 フロアへと進むと爆煙の中からカールの影が見えた。


「ぺっぺっ! くっそー、煙と砂が口に入ったよ」

 

 カールの服は焼け焦げていたが元気なようだ。


「カール大丈夫だったのか?」

「ああ、咄嗟にRPのシールドを作って防いだからな。

 一瞬の爆風しのいだ後の爆煙や砂塵のことまで頭まわらなかったよ」


 さすがカール天才的なRPの使い方だ。

 俺達はその後も塔を登って次々とフロアのトラップを攻略して行った。

 様々な系統の魔法のトラップが仕掛けられていた。

 これだけのトラップ、仕掛けた人間が1人だとすると相当な使い手だ。



---



 100層、最終フロアと思われる場所へ入ると何のトラップも仕掛けられていなかった。

 

「おかしいな? 何も無いなんて……」


 俺が呟くとヘルが先へと進んだ。


「こっちに何か感じます」

「え? ちょっと待って」


 フレイヤが後を追いかけていく。

 

「おい! 2人とも危ないぞ」


 俺がそう声をかけた瞬間。

 床から魔法陣が光り輝いた。

 フレイヤの足元の魔法陣は、光りによりフレイヤの全身を包み込んだ。


「え?」


 フレイヤの驚いた表情が見えたと思ったのはつかの間。

 その姿は魔法陣の光が消えると共に消え去った。


「フレイヤ!」


 俺が叫ぶとカール、ノル、アイラの足元にも魔法陣が現れ、全員が消えた。


「ふふふふふ」


 フレイヤ、カール、ノル、アイラの消えたフロアに静かな笑い声が響く。

 

「な、何でわらってるんだ!」


 俺はヘルに怒鳴りつけた。


「まーだわからないの?」


 な、何がだ!


「このヘル様が、この世界の王だと言うことをだよ!」

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