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第五十三話 エルフ王アールヴに会おう ~兵士を気絶させた件~

 翌日、俺達、カール、フレイヤ、ノル、アイラに加えヘルの6人で王の居る城へと向かった。

 エゼルさんは最後まで心配していた。

 しかし、危険を犯してでもエルフ王アールヴに謁見しなくては。

 いざとなったら強行突破してでも王に会い圧政を止めなくてはいけない。


「ほ、本当に大丈夫でしょうか?」


 ヘルが心配そうに話しかけてきた。


「ああ、大丈夫。心配するなって」


 俺はヘルを元気づけるためにも明るく答えた。

 道中、俺達は奇異の目で見られた。

 エゼルさんの言う通りエルフ以外の者は迫害され居なくなっているようだ。



---



 1時間ほど歩くとエルフ王の城へと到着した。

 赤い甲冑に身を包んだ門番6名が守りを固めている。

 全員、大きな槍を所持している。

 全身を赤い甲冑で固めているため表情や肌の色はわからないが羽根が背中から出ている。

 エルフであることは確かだ。

 

「ワタシの名前は、アイラ・エリザベート。イギリス王家の正当な継承者よ。

 エルフ王アールヴへの謁見を申し込む」


 アイラが大きな声で門番へと言った。

 返事が無い。


「立ち去れ」


 門番は槍をアイラに突きつけて言った。


「待ってください。お話を聞いて欲しいだけなんです」


 フレイヤは、アイラの前に立ち門番へと伝えた。

 次の瞬間、門番は槍を振り下ろしてきた。


「危ない!」


 俺は槍を振り下ろしてきた門番を思いっきり殴った。

 門番は後方へ吹っ飛び城壁へと衝突した。

 城壁は崩れ門番は、その場に崩れ落ちた。


「敵襲!」


 門番の1人が叫んだ。

 門の中から次から次へと赤い甲冑の兵士が出てきた。


「だ、大丈夫ですか!」


 ヘルが叫んだ。


「大丈夫!」


 俺はヘルを後ろにかくまって言った。


「仕方ない。戦おう。武器は使うな! 気絶させるだけだ」

「オーケイ!」

「はいニャ!」

「わかったわ」


 カール、ノル、アイラが返事した。


「私はヘルを守ります」


 フレイヤは、そう言うとヘルの近くへと移動した。

 兵士1体のRPは1万前後。

 今の俺達なら手加減しながら相手を無効化出来る。

 攻撃の瞬間RPを兵士に注ぎ血流を遮断する。

 脳幹の血流が瞬間的に遮断し一過性の瞬間的な意識消失を発生させるのだ。


「うおおおお!」


 叫びながら赤い甲冑の兵士の中へと突入し次から次へと殴り倒した。

 RPは攻撃の瞬間だけ爆発的に開放し最小限の消費に抑える。


「な、なんだ。こいつらRPはほとんど無いのに」


 赤い甲冑の兵士の1人が叫んだ。


「す、すごい」


 フレイヤの側に居るヘルが呟いたのが聞こえた。


「アルス! どっちが多く倒せるか? 競争だ!」


 カールが俺の方を見て笑顔で言うと、カールの目の前の兵士6体が倒れた。

 俺しか何が起きたか? 把握してないだろう。

 カールは一瞬だけ最小限の雷撃を兵士に放ったのだ。

 

「敵襲! 敵襲!」


 兵士は門の奥から再現無く湧いて出てくる。

 俺達は次から次へと兵士を無力化していった。


「ニャ! ニャ!」

 

 ノルもかわいい猫パンチで兵士を次から次へと倒していく。


「たあああああ!」


 アイラは豪快に殴りつけて一気に倒す。


「突入だあああ!」


 俺は叫ぶと門の中へと進んだ。

 門の中へ入ると100メートルほど先に城の入り口が見えた。

 城の両側の建物から兵士が次々とこちらへ向かって走ってくるのが見えた。

 数は数百体?


「いくぞおおおお!」


 ペースをあげて一気に兵士を無効化していく。

 10体、20体、その場にまとめて倒れてゆく。



---



 10分も経たず辺りは静まり返った。

 何百もの兵士があたり一面に倒れている。

 もちろん気絶しているだけだ。


「すごい……」


 ヘルは辺りの様子を見て呟いた。


「みなさん強いんですね。大丈夫だって言ってた理由がわかりました」


 ヘルは倒れている兵士を見つめながら言った。


「うん。任せておいて。

 城の中に進もう」


 俺はそう言うと城の中へと歩みを進めた。

 階段を登り謁見の間と思われる広い部屋へと入った。

 前方の玉座にヒゲを生やした冠をかぶったエルフが座っているのが目に入った。

 左右に今まで倒してきた兵士よりも2周りほど大きな赤い甲冑の兵士が立っている。

 左右どちらの兵士も大剣を所持している。


「ほう。お主達が襲撃者か」


 エルフ王アールヴは静かに言った。


「俺達は話をしに来ただけです。

 兵が急に襲ってきたので対応したまでです。

 全員、気絶しているだけですぐに目が覚めるでしょう」


 エルフ王アールヴは余裕の表情で笑いながら言った。


「余裕だな。しかし、我が直属の兵士にもそう言ってられるかな?」

「エルフ王、俺達は戦いに来たわけじゃありません」

「よかろう。我が直属の兵士に勝ったら話を聞いてやろう」


 仕方ない。

 エルフ王の左右に居た兵士がこちらへ向かってゆっくりと近づいてきた。


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