第四十八話 魔法の訓練をしよう ~魔法の仕組みの件~
ホームの白い扉の先にある訓練場へ来た。
「だいたいのことは解ったわさ」
イズン師匠は俺達の話を聞くと魔法の指導をしてくれることになった。
現在のメンバーの魔法スキルを整理すると、
アルス 無属性
光弾 RPをほぼそのままぶつける
アイラ 炎属性
拳のインパクトと同時に爆炎
炎の柱
フレイヤ 風属性
肉体的回復呪文
精神的回復呪文
真空波
ノル 土属性
岩石弾
空間移動
カール 全属性
落雷を好んで使用する
「魔法について、もう一度おさらいすると、
魔法はRPで自然界に作用してRPを直接エネルギーに変換するよりも効率よくエネルギーを得る方法だわさ」
「要するに効率よくRPを使う方法ってことだよね?」
カールが得意げに言った。
「そうだわさ。あとは系統についてもう一度おさらいするわさ」
属性は4種類と系統外で1種類。
火属性、水属性、土属性、風属性。4種類。
系統外は空属性。
なお、4種類の属性は以下のように発展する。
火属性→核の利用→光の利用
水属性→氷→時間の利用
土属性→隕石→空間の利用
風属性→天候→カオスの利用
以上の属性を個人の資質により無意識に組み合わせて利用している。
例えばカールの落雷は光の利用と天候の利用を7:3で使っている。
同じ落雷でも使用者が違えば見た目や威力も異なり、その元の組み合わせも異なっている。
魔法というのは非常に複雑なRPの利用方法である。
「魔法と言うのは極めようと思ったら一朝一夕にはいかないわさ。
何百年と修行する者も居るぐらいだわさ」
「師匠、俺達には時間があまり無いんです」
「わかってるわさ。
そこで修行は簡単、各個人今まで使っていた魔法を更に精度を上げるわさ。
カールは全属性適正があるから水属性を訓練するわさ」
「オーケイ! 現パーティーメンバーに水属性は居ないからね」
「そうだわさ」
俺は引き続き光弾をより小さく破壊力を上げる訓練をした。
アイラは炎の壁を出現させる魔法『炎壁』を訓練している。
フレイヤは『真空波』の訓練。
ノルは『岩石弾』の訓練。
カールは『氷弾』の訓練。
来る日も来る日も魔法を限界まで使ってはイズン師匠の赤いリンゴで回復。
寝て起きて魔法を限界まで使うの繰り返し。
---
同じ毎日の繰り返しが5日過ぎた。
「さ、みんな、訓練の成果を見せるだわさ。
木の人形を順番に魔法で破壊するわさ。
まずはアルス」
「はい!」
俺は手のひらの中にゴルフボール大の光のタマを作り出した。
人形へ向けて放った。
人形の胴体の部分にゴルフボール大の穴が綺麗に空いた。
光弾は人形を貫いた後も勢いを衰えず遥か彼方へと飛んでいった。
「うん。素晴らしいわさ。
集約された破壊力と貫通力。
一点攻撃に有効だわさ」
「いやー、師匠にそんなに褒められるとてれますね」
「でも、調子にのるなだわさ。
あんたの場合、RP=破壊エネルギーで魔法のメリットは無いだわさ」
「とほほ……」
「次は、アイラよ」
「畏まりました」
アイラは新しく準備された人形へ向かって魔法を放った。
「炎壁」
炎の壁が人形を包みこみ天高く燃え上がる。
人形は一瞬で消し炭と化した。
炎の壁だけが延々と燃え続けている。
「よくやったわさ。アイラ。
ここまでの破壊力と持続力を持った炎壁は、なかなか無いわさ」
「ありがとうございます!」
アイラは敬礼した。
また、新しく人形が設置された。
「次は、フレイヤよ」
「はい!」
フレイヤは集中すると槍を振りかざした。
「真空波」
槍の軌道から真空波が人形へと向かって飛んだ。
次の瞬間、人形は真っ二つになって上半身と下半身が反発するように吹っ飛んだ。
「すごいわさ。最小のRP消費で最大の攻撃力を出してるわさ」
「ありがとうございます!」
フレイヤはうれしそうだ。
「次、ノルちゃん!」
「はいニャ!」
ノルはぴょんぴょん跳ねていたと思ったら叫んだ。
「岩石弾ニャ!」
ニャはつけてもいいんだろうか?
そんなことを思っていると、ノルの目の前にバスケットボール大ほどの岩が現れた。
次の瞬間、強烈な豪速球のようなスピードで人形へ飛び直撃した。
強烈な破壊音と共に人形は砕け散った。
「ノルちゃん上出来だわさ。
極めればこの岩を空から呼び出して落下のエネルギーも破壊力へ加算できるわさ」
「やったニャ! やったニャ!」
ノルは飛び跳ねて喜んでいる。
「最後、カール」
「オーケイ」
カールは余裕の表情で前に出てきた。
「氷弾」
ノルの作った岩よりも一回り大きな氷の塊が人形へ向かって強烈な勢いで飛び出した。
氷の塊が人形へぶつかった瞬間。
人形は破壊されなかった。
人形は氷の柱へと閉じ込められていた。
「へー、やるわさ。
氷塊で破壊するだけでも良かったのに、その上いくとはさすがだわさ」
「へ、へーん」
カールは得意気だ。
やっぱりカールは天才だ。
「うん、みんなよく頑張ったわさ」
「ありがとうございました!」
俺達は師匠へとみんなでお礼を言った。
ここまでやればフロアボス『フェイ』にも負けないだろう。




