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第四十一話 90層カジンを倒そう ~ダイアナとシギュンの件~

 90層カジン。

 漆黒の巨人は身の回りに黒い竜巻を纏っていた。

 強烈な風がフロア内で巻き起こっている。


「ここはアタシ達に任せるだわさ」


 イズン師匠がそう言うとカールとダイアナが前に出た。


「そうそう。アルスは休んでな」

「ロキもよ。私も体がなまっちゃって仕方無いわ」


 カジンの身にまとう黒い風が更に強烈になった。


「ほう。お前たちがこのワシの相手になるとな?」


 イズン師匠、カール、ダイアナの前にカジンはせまった。

 フロアの高さの半分ほどはある。

 500メートルほどの高さであろうか?

 巨大な竜巻そのものが移動しているようだ。


「女、子供の影に隠れて情けないよのう。ロキよ」


 カジンはロキを挑発してきた。


「カジンよ。お前は魔斧に戻ることになるだろう」


 ロキは冷静に言った。


「アンタの相手はこっちよ」


 イズン師匠は叫ぶと同時にアジンへ強烈な爆裂魔法を放った。


 RP

 アジン   900万

 イズン師匠 300万

 ダイアナ  380万

 カール   350万


 次の瞬間、カールは魔斧を三連続で振るった。

 床から岩石が隆起しカジンをつらぬく。

 水流と炎が同時にカジンを襲った。

 直後、ダイアナが強烈なケリを叩き込んだ。


「いいぞ!」


 思わず叫んでしまった。

 アジンのRPは一気に300万まで減った。


「なかなか、やるでは無いか。その魔斧。

 ラジン、バジン、アジンの力を封じたか。

 ワシはただでは封じられんぞ」


 カジンが叫ぶと強烈な黒い嵐がイズン師匠、カール、ダイアナを襲う。


「きゃああああああ!」


 先頭に居たダイアナが壁となってイズンとダイアナを守った。

 強烈な旋風で一気にフロアの壁に向けてふっ飛ばされた。

 残RP数千まで下がっている。

 まずい。


「ダイアナ!」


 間一髪の所でフロアの壁の前でダイアナを受け止めた。

 

「とどめだあああああ!」


 その時、カールが叫ぶのが聞こえた。

 カールは魔斧を振り上げカジンへ特攻した。

 

「ワシがお前らごときにぃいいいいいい!」


 カジンは断末魔と共にカールの魔斧で両断されると、そのまま黒い霧状に拡散し魔斧へと吸収された。


「あーら、アルスちゃんに抱きかかえられるなんて幸せよ」


 気を失いそうな様子でダイアナが話かけてきた。


「ダイアナさん、ひとまず俺のRPをわけます」


 ダイアナと一体となるイメージで自身のRPを与える。



---



「ロキ! イズン! もう無理だ!」


 俺? いや、ダイアナが叫んでいる。


「ロキ、もう無理よ。やめてちょうだい」


 シギュンさんだ。

 これはダイアナの記憶?

 白い斧が5本鎮座し眠りにつく巨人5体が横たわっている。

 イズン師匠がRPをロキさんに注ぎ白い斧に巨人を封じ込めようとしているのだろうか?


「シギュン。大丈夫だ。あと最後の一打で決まる」


 イズン師匠がRPをロキさんへ注ぎ、ロキさんが白い斧をハンマーで打つと横たわっていた巨人が青い光に包まれて光の粒へと霧散した。

 そして青い光の粒は5本の白い斧へと吸収された。


「完成だ。な、心配無かっただろう? シギュン」

「ええ……。けど、まだ、終わってない気がします。

 それに魔物とは言え生きている者を武器へ閉じ込めるなんて……」


 その時、白い斧が5本共、徐々に黒く染まってきた。

 

「我が名は、空人(キャジン)

「ワシは、風人(カジン)

「俺は、火人(ラジン)

「オレは、水人(バジン)

「私は、地人(アジン)


 どす黒く染まった斧から辺りに声が響く。

 次の瞬間、斧が黒い巨人となり目の前に現れた。

 五体の巨人はあたりの空を覆い尽くす闇のように巨大だ。


「我々を武器へと封じ利用しようとは人間ふぜいが」

「逃げろ!」


 ロキさんが叫んだ。

 イズン師匠、ダイアナはその場に立ち尽くしている。


「私ならこの場を凌ぐだけなら出来るかもしれません。みなさん逃げて下さい」

「シギュン! そうはいかない。君は逃げるんだ!」

「ロキ、あなたは武器作りに没頭するあまりに行き過ぎたようです。

 私にも責任があります。

 あなたがくれたこの白いロッドの力があれば五体の巨人をこの場から別の場所へ飛ばすことぐらいなら出来るかもしれません。

 海底の奥底、大深度地下神殿、塔の先、いずれかこの街から遠くへ」

「シギュン! やめるんだ! 俺が悪かった!」


 ロキさんが叫んだ時には全てが目の前から消えていた。

 ロキさん、イズン師匠、ダイアナは暫くその場へ立ち尽くしていた。



---



「アルスちゃん」

「ダ、ダイアナさん……」


 ダイアナの精神へとの一体化は一瞬の事のようだったが数分立っていたようだ。

 俺はダイアナへ抱えられて、周りには心配するイズン師匠、カール、ロキさんが居た。


「す、すいません。ダイアナさんの記憶が俺の中へ入ってきて……」

「いいのよ。アルスちゃんのおかげで私のRPも回復したわ」


 俺は、みんなにダイアナの記憶について話した。

 やはり、シギュンさんが居なくなった時のダイアナの記憶だった。


「そうか、やはりダイアナの記憶でもそうだったのか」


 ロキさんが呟いた。

 そして、後悔に染まったような表情で語った。


「シギュンは我の事を恨んでいるかもしれない。

 ずっと支えてくれていたのに、最後は我が奢りと慢心によりその生命すら失ったのかもしれない」


 残るは最後の100層「キャジン」。

 肩にシギュンさんの白いロッドが残された最後の巨人。

 シギュンさんの手掛かりが見つかるかもしれない。

 100層先の世界へ続く道でもある。

 全ての解決が期待される。


「ロキさん。大丈夫です。必ず次の層のキャジンを倒しシギュンさんを見つけましょう。

 そして、俺達は次の層へと進みます」

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