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メイドさんとスキル習得

今日は依頼は受けず街の外でスキル習得でもしようと思って出てきた。

昨日のネムネム草を倒した時に出たのはスキル。帰ったあと確認してみれば【アースインパクト】をしっかり覚えていた。何が条件なのか、繰り返しやることでスキル習得に繋がるのか、それを今日は検証してみたかった。


「【旋風】」


斧を高速で回す。


「【旋風】【旋風】【旋風】【旋風】」


かれこれ1時間回り続けた。もう目が回る回る酷いことになった。その甲斐あって【旋風】は身についた。スキルは自分で繰り返し使うことによって覚えられるらしい。

スキル習得方法が分かれば後は必要スキルを反復練習すればいいだけだ。

でも攻撃スキルなどは覚えられるけどパッシブスキルなんかはどうやって覚えるかわからないからそっちは困るな。まぁ今は大丈夫だからいいか。


「次は魔法練習でもしようかしら」


魔法は自分の体の中にある魔力から使うか周囲の魔力を使って起こすかの2種類あるらしい。昨日魔法屋に入って指南書を買い、読み漁ったらゲームの時と違い魔法の使い方が2種類あることを知った。自分の魔力を使ってしか知らなかったので新しく強くなるチャンス。


私は川辺付近に来た。


まず魔法はイメージらしい。自分の中に意識を向け、イメージをする。それによって魔法は発動する。具体的にイメージができると魔法の威力も上がるらしい。

詠唱することによりそれをパターンとして覚えることが出来るらしい。


意識を自分に⋯⋯イメージする⋯⋯水風船をイメージする。それは丸く、当たれば弾ける。


イメージができ、目を開けると目の前には水風船サイズの水の玉が浮かんでいる。


「できた」


それを投げる。地面にあたり弾けた。イメージ通りの効果が発動した。これが自分の魔力を使った魔法か、結構便利ね。


じゃあ次は周囲の魔力を使った魔法か。

こっちはなんか難しいことが書かれてて分かりづらいな。周囲の魔力を使った魔法は2種類あるらしい。精霊から力を借りる精霊魔法。空気中にある魔力のみを使う自然魔法。


狩人や採取採掘師は自然魔法の方が得意らしい。環境から力を受け取ったりするからとか。

逆に精霊魔法は自分の力を認めてもらい精霊から力を借りなければいけない。故に誰彼に使える魔法ではないらしい。


「自然魔法、精霊魔法かまだ私には早い技かな」


魔法の訓練はこの辺にして町に戻る。


ほかの属性で試してみたがどうも私は水系統が1番適性があるらしい。ほかの属性だとあまり上手く発動できなかった、イメージの問題があったのかも。


町に戻って冒険者ギルドに入る。

私が入ると視線を集める。


「あれがグルシスを倒したメイドか」

「メイドの癖に強いとか」

「どこの家で働いてるんだ」

「つかなんでメイド?」


口々に私の昨日の決闘から言ってるなー。メイドなのは仕方ない。


掲示板前に行く。


今日は何があるかなー?


・Dランク⋯ビックボア2体討伐。12000ルピア

・Dランク⋯幻惑花12本採取。4500ルピア

・Dランク⋯小型コカトリス一体討伐。10000ルピア

・Eランク⋯キラービー12体討伐。3200ルピア


ふむ、やっぱり安いような気がするのは気のせいかな?まぁ私からしたら別に値段はそこまで気にならないからいいけど、とりあえずDは全部受けよう。


エリンさんに依頼を渡す。


「Dランクを今度は3つですか、大丈夫ですか?」


まぁ1回でここまで来たからそりゃ心配よね。


「問題ないわ」

「今度はソロですか?」

「ええ、それで悪いのだけど、この3つの依頼、場所はどこに行けばあるかしら?」


残念ながら知らないことが多すぎる。ここは聞いておかないとダメでしょうね。


「そうですね、まずビックボアですがこの町から南へ進む街道を進んでいくとボアに混じって大きいのがいます。幻惑花は西の森にあります、惑わされないようにしてください。あそこの森は別名迷いの森ですので、小型コカトリスは迷いの森を抜けた先にある岩山の山頂付近に出ます、山頂には双翼のコカトリスがいます、双翼のコカトリスはAランク依頼なので逃げてください」


話を聞いた限り2方向か、幻惑花、ついでに受けたけど結構面倒くさそうだし、さらに森を抜けなきゃコカトリスまで辿り着けないと、これは予想外に面倒くさそうですね。まぁとりあえず行ってみますか。


◇◇◇


「はぁはぁ⋯⋯逃げなきゃ⋯⋯」


森の中で必死に逃げ惑う。方向感覚がわからなくなり出口が分からない。後ろからは獣たちの唸り声。止まれば襲われるのは目に見えてる。故に必死に木々を伝いながら逃げ惑う。


ついに外に光が見えた。その人?は出口を見つけたと急ぎそこに向かった。出た先は大きな岩山。岩が転がって荒れ果てた土地。森から出ることは出来たけどまだ全然油断できそうになかった。


そいつは休むために岩陰を探す。

少し登ったところに小さな洞穴を見つけたから中に入り休むことにした。幸い使ってる魔物はいないようだ。ひとまずここで休もう。

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