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メイドさんと力の塔2

力の塔15階。


探索は順調に行き、登るスピードもどんどん早くなる。

15階にはもうほとんど人がいない。それなりに危険な場所になってきていた。


出てくる魔物も普通の冒険者では勝てないものが多い。

今相手にしているのはレッドピッグ。

赤い豚だ。赤いのは体から火が出ていてそれを纏っているからでもある。

こんな豚が突撃してくるのだ。冒険者は大変だろう。

ミヤビは【ウォータースピア】を使い豚の火を消しそのまま貫いて倒すというやり方で倒していた。


「この豚、倒せばご飯になるのか」


そう。この豚。倒したらそのまま火が通り豚の丸焼きができ上がる。

なかなかいい豚だ。生きてる間はとても厄介だが⋯⋯。


そして私はそのまま力の塔を登っていく。

ボスも個性豊かでなかなか楽しめた。

20階のボスはヴォルケイノカメール。つまりラクダだ。

コブの部分に火山を背負っている。怒ると噴火して隕石が落ちてくる。

ラクダ自身にも当たっているが何故か当たると回復する。面白い。


30階はオドリソウ。

植物モンスターで踊ることにより木々が攻撃を仕掛けてくる。それも少しすると木から足が生えて踊りながら攻撃してくる。

花が咲くと爆発する。そして散ったら実が落ちてそこからまた木が生えるという。植物の成長過程を見ている気がした。


40階はキングサーペント。

ここに来て普通の魔物。大型の蛇だった。

厄介な攻撃はなく、今までのボスが一癖も二癖もあったからなんか拍子抜けした。


そして50階。

ここに来るまで1週間。毎日朝から潜り駆け上がり疲れたら帰るを繰り返してようやく半分までたどり着いた。


だがここのボスの部屋の前に1人誰かがいた。

それは私が来たのに気づき顔を上げた。

そこにいたのはひとりの女の子だった。

まぁ普通の女の子ではない。頭に角が生え背中には翼が生えている。尻尾もあるので亜人という類いだろう。


「お前さん、よくこんな所に辿り着いたな、人間が来たのは初めてだ」


その女の子は私に話しかけてきた。

自分の姿を隠そうとはしない。それにここに人間が来たのは私が初めてらしい。


「そうなの?いつからここにいるの?」

「いつから⋯⋯か、数えてないな、妾はここを出てもいないからどれくらいの月日がたったかも知らん」

「へー、そうなんだ」

「お前さんは何故この塔を登る?」


女の子はそんなことを聞いてくる。女の子は変か?言葉遣いからしてそれなりの歳だろう。

⋯⋯まぁいいか。


「自分の力がどの程度なのか知りたいから、それに少しでも強くなれるなら強くなりたいから今度は失敗しないために」

「なるほど、ただの人間がここまで来たのだ興味が湧いた。妾と少し遊んでいかないか?」


そいつは立ち上がり、腕や足を回し体を解している。


「それって戦えってこと?」

「いかにも。妾に勝てなければこのボスは勝てんよ、妾ですらまだ余裕で倒せない」

「⋯⋯わかった、受けて立つよ」


この人が苦戦するならこの人と模擬戦すればどれくらいか分かるだろう。

ステータス的に負ける気は無いけどモンスターと違い相手は同じ人型。技術があるからただのゴリ押しでは勝てないだろう。


久々に楽しめそうでワクワクしてきた。

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