メイドさんと力の塔1
力の塔1階
ここに出てくるモンスターはスライムやゴブリンといった初心者でも狩りやすいモンスターだ。
そう思って入った冒険者達は思い知る。力の塔の強さに。
力の塔に出てくるスライムやゴブリンは普通に強い個体として出てくる。スライムも擬態などをして攻撃してくる。頭も使った動きをしてくる。
ゴブリンに関しては集団で行動して斥候などの役割り分担されていて、冒険者達と同じふうに動いてくる。それ故にCランク冒険者以外は塔に入れない。
私もその情報を貰っていなければ油断していたかもしれない。
武器を取り出して、モンスターを見つけては切り込む。スライムには突撃し、ゴブリン達には魔法で牽制しながら攻撃する。
私のレベルが100ということもあってここら辺なら余裕で抜けられる。
そうして私はどんどん階層を上げていく。
下の方では結構他のパーティーも見かけたけど上がるにつれ徐々に減ってきた。
10階。
目の前には大きな広場がありそこには何人かのパーティーが居る。やっぱり区切りの階層にはボス部屋があるらしい。
私が1人でここまで来たからなのか、それともメイドがここにいるからなのか結構注目を浴びている。
そこに1人の女性が近づいてきた。
「やぁ、お姉さん1人でここまで来たの?」
「そうですよ」
「強いんだね〜メイドさん」
「そんなことないわ」
「そっかそっか、新人さん?」
「そうですよ、今日登り始めたばっかりです、とりあえず登れるところまで登って今日は帰ります」
「頑張ってね」
そういえばここで休んでる人達は何をしてるんだろう。
「ここで休んでる人達は何してるんですか?ボス部屋が開くの待ってる感じですか?」
「違うよ、休んでるだけ、もう行くなら今なら誰も挑戦してないよ」
「じゃあ私はもう行くね」
そう言ってその冒険者から話を聞いてボス部屋に行く。
10階のボスはゴブリンキングとゴブリン軍団だった。
統制の取れた動きで仕掛けてくるゴブリン軍団。
弓で私の動きを制限してその隙にゴブリンナイトとゴブリンファイターが攻撃してくる。それを斧で受け止め切りつけてきたやつを蹴って離す。
「凍てつけ“氷槍”」
氷の槍を複数展開して弓兵に向かって放つ。
それらは全部弓兵を撃ち抜き、逃げる範囲が戻る。
「グオオオオオォォォォ」
ゴブリンキングが吠えて威嚇してくる。それに伴い、ゴブリンジェネラルが近づいてくる。後ろにはファイター、ナイトが控えている。
ジェネラルで受け止めて後ろのやつが攻撃をしてくる感じだろう。
「【アースインパクト】」
地面に斧を振り下ろし、衝撃で地面を削りながら斬撃が飛んでいく。
足場が不安定になるのでジェネラル達のバランスが崩れる。
そこに近づき【旋風】を使う。
斧を回転させジェネラルの盾と防具を砕き、後ろの奴ら共々両断する。
これにより残りはゴブリンキングのみとなった。
ゴブリンキングは長い大剣を片手に近づき振り下ろしてくる。
それを横に飛び避ける。それから片腕に斧を振るう。武器の性能により腕をそのまま切り落とす。
「グオオオオオォォォォァァァ」
腕が飛ばされたことにより悲鳴をあげるゴブリンキング。
ゴブリンキングは怒ってるようで目が血走ってる。
理性を失った行動でそのまま突っ込んでくる。
それを避けてゴブリンキングが転んだところに向かって斧を振るう。頭と体を飛ばしてゴブリンキングを倒した。
ボスを倒したら奥の扉が開き、そこにパネルが見える。
それに現在地を登録して私は力の試練の入口に戻ってきた。
私はそのまま宿屋に行き、明日はもう少し進もうと思いながら眠る。




