メイドさんと試練の街
私は今東に向かって進んでいる。アクアマリンを出てこれから向かうのは試練の街と言われる街だ。
試練の街には試練の塔と言われる塔が3つ建っている。
1つ目が心の塔。
2つ目が力の塔。
3つ目が絆の塔。
と言われている。
心の塔は読んで字の如く、心を試す塔らしい。心が未熟だと状態異常や、惑わしなどに引っかかりやすい。それを試すための塔だ。
力の塔は力を試す場所だ。強い魔物がうじゃうじゃいる場所でそこを倒しながら進んでいく。
絆の塔は仲間との絆を確かめる場所だ。仲間との連携がなければ倒せない敵や罠が待ち構えている。
私はそんな場所を目指して進んでいる。
◇◇◇
試練の街に旅を始めてそろそろ2週間、やっと試練の街が見えてきた。
試練の街〜デール~
まずここで冒険者ギルドに行き試練の塔の情報集めをしようと思ってる。
それから宿を取って休んで次の日に試練の塔に行ってみようと思う。
冒険者ギルドは相変わらずいつもの賑わいで働いて奴は飲んだくれていた。
「こんにちは、試練の塔についてちょっと教えてくれない?」
受付嬢に聞く。
「あ、はい、試練の塔ですね⋯」
受付嬢曰く、試練の塔に行くにはCランク以上の実力がなければいけない。試練の塔には一定階層毎にボスが出現する。全部で100階層まであり、現在の最高記録は79階らしい。戻ってくるにはボス部屋の後にある石版から塔の入口に戻ることも可能。歩いて帰ることが出来る。また入る時には入口にある石版から到達階層に戻れるとなっている。
心の塔、力の塔は1人でも挑戦可能。
絆の塔には2人以上のパーティーでないと挑戦は出来ない。
これが受付嬢から聞いた内容だった。
私はCランクで丁度満たしてるから力の塔から行ってみようかなって思ってる。
セーラと合流も大事だけどせっかくの長旅だから楽しんで行かないとだからね。
「ありがとう、挑戦してみるよ」
「冒険者さんですか?」
「もちろんよ、ほら」
疑われていたのでギルドカードを見せる。
「Cランク、いやーメイドさんだと思ってましたよ、すみません」
「いえいえ、冒険者見えないってよく言われますから」
「頑張ってくださいね」
「ありがとう」
私はそのままギルドを出ていく。
さすがに2週間野宿しながらの進行で疲れたから今日は宿でゆっくり休みたいわ。
大通り方面に行きちょっと見た目が豪華な宿屋に泊まることにした。
うん、高いけど風呂もついてるから当たりだね。
ここに決めて宿を取る。とりあえず1泊にした。
塔に行ったらいつ戻ってくるか分からないからね。
宿屋のご飯はまだ魚系が多く、アクアマリンから運ばれているんだなと思いながら食べた。
その後お風呂に入り、疲れたのか眠気が来たのでいつもより早く寝た。
次の日
試練の塔の1つ力の塔に行く。
街の外から見てもわかってたけど試練の塔はその名の通り塔だ。雲の上まで伸びているでっかい塔が三本突っ立っている。
入口付近には腕に自信がある冒険者たちが集まっている。
早速私もと思い、入口に行くと腕自慢の冒険者に囲まれた。
「おいおいメイドさんこんな所にどんなようが?」
「ここは力の塔だぞ、メイドさんは危ないと思いますよ」
「なんなら俺たちにお酌でもしてくれや景気づけに」
「「「がっはははは!!」」」
入口で冒険者に止められた。
「どいてくれませんか?」
「それは出来ねぇな」
「仕方ないかな、実力を示せばいいですよね?」
「そうだな、俺たちを倒せれば好きにしな!」
そう言って冒険者のひとりが突っかかってきた。そいつの腕を持ち反対にいる冒険者にぶつける。
右側にいた冒険者のところに走っていき顎を蹴りあげて意識を奪う。そこで後ろを向き殴りかかってきた冒険者の腕をとり意識を落とした冒険者にぶつける。
こうして私は喧嘩売られて30秒足らずで冒険者4人を片付けて試練の塔に入っていく。
周りで見ていた冒険者達はあまりに洗練されていた動きに何も出来ず意識を失ってる4人を関わらずによかったと思っているのであった。




