メイドと厄介事
あれから数日間アクアマリンで依頼をこなしていた。
浜辺で貝探し、東の森に行きウルフ狩り、仕事を終えたら街でご飯。
アクアマリンにまだ滞在してる目的はご飯である。ここにはなんと刺身もある。もう食べられないと思ってたけど生で食べても平気な魚がいるらしく食べられた。
醤油がないのが残念だったけどそれに近いものはあった。もう美味しいくて毎日食べてるくらいだ。
今日も依頼を探しにギルドに行く。
ギルド内には2つのパーティーがそれぞれ談笑しているだけで他の人は仕事に行ってるみたいだね。
掲示板を見て依頼を見る。
今日は大して良いものもなく、どうしようか迷う。水中依頼なら沢山あるけど陸での依頼は少ない。
そうして掲示板の前で悩んでると後ろから声をかけられた。
「こんにちはお嬢さん、どうかしましたか?」
声をかけてきた方に振り返る。かけてきたのは金髪イケメンと女性二人のパーティーみたいだ。
「いえ、いい依頼がなくてどうしようかと思ってましてね」
「なるほど、もし宜しければ一緒にどうですか?」
「どこへ行かれるのです?」
行く場所によってはどこかのパーティーに混ざってみるのもたまにはいいかと思い聞いてみる。
「水の神殿に調査任務が出ているのだ、そこで私達Aランクパーティー水神の衣が依頼を託されたのさ」
「私、Cランクですよ?」
「Cランク任務を1人で受けてその日のうちに戻ってくる。それだけの実力があるのです、是非ともその力を貸してくれないか?」
まぁ、神殿の調査なら受けてもいいか。Aランクパーティーもいるし何とかなるでしょ。
「わかりました、参加します」
Aランクパーティーと一緒に水の神殿の調査に来た。
水神の衣のメンバーはルードという男の剣士、ミラとカラという双子の女性、魔法使いらしい。そして臨時メンバーで私が入って調査になる。
「そう言えば水の神殿の調査って何を調査するんでしょうか?」
水の神殿、聞いた話によればこのアクアマリンの海の守り神を祀る物らしい。誰も中に入れないように外で監視がされているらしい。だがある日その神殿の中から獣の唸り声が聞こえてきたらしい。それも複数。不気味に思った監視員達はギルドに依頼を出した。それを調査するために来たらしい。
「神殿の中に海に繋がる道でもあったんでしょうかね?」
「それはわからないがまぁ調べに行くんだ、何か分かるはずだ」
そして神殿につき中に入る。神殿内は薄暗く見える範囲が狭い。
声を聞くが唸り声は聞こえてこない。そのまましばらく探索することにした。
「獣の唸り声っていうくらいですからね、結構聞こえそうなものですけど」
そのまま神殿内を探索する。途中ミラが何かにつまづいて転けた。その場所を確認すると床のタイルがズレているところがあった。
「ここからどこかに繋がってみるみたいだ、そのせいで神殿内で唸り声が聞こえたんだろう」
ルードはそう思った。
「この穴を埋めよう。そうすれば侵入してくることは無いだろう」
ルードがミラにお願いして穴を土で埋めていく。そして最後にタイルを戻して終わり。
「これで大丈夫だろう」
「終わりですか?」
「多分な、とりあえず周りにここと同じ場所がないか調べて見てなければ帰ろう」
それから周囲を探索して見たが異常はなかった。なのでそこで調査を終わりギルドに戻った。
報告を終え報酬を貰う。
「今日はありがとうございました」
「いやいや、楽しかったよ、どうだい?俺達のパーティーに入らないかい?」
「いや、有難い申し出ですが人探しのためにこれから世界中を渡り歩くので無理です」
「宛もないのに旅をするのかい?」
「ええ、とりあえず冒険しながら探してみようと思ってます」
「そうですか⋯⋯頑張ってくださいね、また会えたら会いましょう」
水神の衣はまた会おうと言い残して、ギルドを出ていった。
私も明日、旅に出ようと決めるのだった。




