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異世界転移でメイドが冒険  作者: かき氷・シラー
アクアマリン編
15/25

セーラは決意する

いつまで経っても戻ってこないミヤビさんが心配になり私は教会に向かった。

朝方出ていってもう夕方だ。いくらなんでも終わってるはずだと思った。


教会に着いて私はビックリした。教会にはたくさんのゾンビやスケルトンの死体⋯残骸が転がっていた。

これをミヤビさんとラファがやったと思うと感嘆する。


「ミヤビさん達は中かな?」


辺りのゾンビなどを見渡しながら教会の前まで行く。そして扉を開け中に行くと⋯⋯何も無かった。


戦いの痕跡はあった。でもその相手とミヤビさん達がいなかった。悪魔の石があった場所には悪魔の石もなくなっていた。

私は直ぐに翻し冒険者ギルドに駆け込んだ。


「あら、セーラさんでしたよね、そんなに急いでどうしました?」

「はぁはぁ⋯ギルマスに話をさせてもらえないでしょうか」

「は、はい!今言ってきます」


エリンさんが急ぎ奥に走っていく。

私はその間に息を落ち着かせる。そしてさっき見た事についてまとめることにした。



エリンさんが戻つて来て部屋に案内してもらう。


「セーラさんでしたね、どうしたんですか?」

「ミヤビさん達が消えました」

「え!?それはどういうことですか!?」


すぐ側で一緒に話を聞いていたエリンさんが問い詰めてくる。


「私達は昨日教えて貰った教会に行ってきました。そこで悪魔の石というものがありそれが復活の兆しを見せていたそうです。それが次の日に復活しそうで倒しに行くことになりミヤビさん達は今日朝から教会に向かいました。

私はラファから戦力にならないと言われ、ミヤビさんから宿屋で留守番してて欲しいと言われて待ってました。でも夕方になっても戻ってこなくて心配になり見に行ったらアンデットが沢山転がってました、教会の中にいると思い無かったんですが、誰もいなかったんです」


私の話を聞いてエリンさんは顔を青ざめて顔に手を当てた。

ギルマスも難しい顔をしていた。


「まさか悪魔が関係していたのですか⋯⋯それが教会の悪事って事ですか」

「ミヤビさん達は死んでしまったん⋯ですか」

「わからない。死体がないってことは死んだ可能性は低い。確か⋯」


そう言ってギルマスは本棚に行きいくつかの書物を持ってくる。それに目を通していく。


「あ、あった、悪魔は逃げる時に置き土産として“闇の転移門”というものを使うらしい。それによりどこかに飛ばされてしまう見たいだ。ミヤビさん達がいないのはこれが原因かも知れません」

「“闇の転移門”それでこの世界のどこかに飛ばされてしまったって事ですか⋯⋯」

「ええ、正直言ってもう会うことは出来ないかも知れません、この世界は広いですからね、すれ違いなどが起きればまず会えないでしょう」


ギルマスの言ってることは全部正しい。この世界は広い、私一人が探したところでまた出会える可能性はゼロだ。でももう一度会いたい。私を救ってくれた、仲間にしてくれた人に会いたい。

目的があるなら、それに向かって突き進むのみ。


「私は⋯⋯ミヤビさん達を探しに行きます!世界が広いのは知ってます、でもミヤビさんは私を仲間として迎え入れてくれた」


私はバンダナを外す。顕になる耳。

エリンさんやギルマスはビックリする。


「セーラさんあなたエルフだったんですね」

「ええ、隠していてすみません」

「まぁ、仕方ないですよ」

「私実は奴隷商から逃げてたんです。迷いの森を抜けて岩山でコカトリスに襲われて諦めてました。ミヤビさんがその時助けてくれて私の境遇を聞いて仲間にしてくれた、それが嬉しくて、まだ感謝し足りないんです、だから私はミヤビさん達を探しに行きます」


あの時助けて貰わなければ私は石化していた。助けてもそのまま別れていれば捕まっていたかもしれない。だから私は見つけに行くんだ!


「わかりました、なにか協力出来ることがあればいいんですが⋯⋯」


ギルマスはなにか協力出来ないかと悩んでる。


「ギルマス!」


エリンさんが手を上げた。


「どうしたエリン」

「私もセーラさんの旅に同行します!」

「な、何を言ってるんだ?」


ギルマスが慌てている。勿論私もビックリだ。


「私だってミヤビさん達に会いたいです。あの人たちと居ると楽しいんですよ。私だって少し前まで冒険者でした、セーラさんはエルフですし色々大変ですから私が一緒にいてあげたいんです。女の子の一人旅は危ないですから」


エリンさんの話を聞いてギルマスは目を閉じる。

何か考えてるみたいだ。


「⋯⋯わかった、エリンに任せますよ、セーラさんをよろしくお願いします」


エリンさんは胸をドンと叩く。


「任せてください!」


こうして私とエリンさんはミヤビさん達を探す旅に出ることになった。

最初は一人旅になると思ってた。でもエリンさんが一緒に行ってくれる。嬉しかった。


「出発は明日でいいかな?」


エリンさんが聞いてくる。


「大丈夫です」

「じゃあ朝に北門ね、ちゃんと荷物はまとめておいてね」

「はい!」


私はエリンさんと明日の約束をして別れる。

明日から大冒険が始まる。

宿屋に戻り明日の朝に出ることを告げ部屋に戻る。荷物も纏める。と言ってもほとんど荷物はないので水を用意しとくくらいかな。準備を済ませ今日は体を休める。


◇◇◇


次の日朝に北門で待ってると、見た目がガラッと変わったエリンさんが来た。

下ろしていた髪は全て後ろに纏められていて、服装もスーツ姿ではなく盗賊みたいな服装に変わってる。

腰にナイフを2本携えている。そして背中には大きな箱。ミヤビが見ればギターケース見たいと言っているだろうものを肩にかけている。

もう1つはリュックだった。


「さぁ、行こっか」

「はい!最初はどこに?」

「とりあえず北に向かってみよう」

「わかりました」


ミヤビ達とは別のもう1つの冒険が始まる。

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