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異世界転移でメイドが冒険  作者: かき氷・シラー
アクアマリン編
14/25

メイドさんと海の街

第2部始まります。

真っ青な海。真っ青な青空。白い砂浜。

見渡す限りそんな風景ばかり。あの教会の風景ではない。それだけは確信した。


「ここはどこ?なんでこんな所に」


私の最後の記憶は悪魔が最後に魔法陣を展開してその魔法によって私は闇に覆われて、視界が開けたらここだった。

確か“闇の転移門”私はそれで見知らぬ土地に転移させられてしまったみたいだ。


セーラを置いてきてしまった。はぁ〜今頃探してるんだろうな。ここがどこかも分からないから戻れないし、というか私だけ飛ばされてあいつはあの町にいるとかだったらますます心配なんだけど。


とりあえず街を探してみるか。


あっ!その前に⋯⋯


「ラファ」


私は武器に語りかけ、精霊ラファを呼ぶ。どれくらいの時間かかってるかわからないけど少しは回復してるはずだし大丈夫でしょ。

武器が光出してラファが出てくる。ラファは大きく伸びをして私を見る。


「おはようございます主」

「おはよう、体は大丈夫?」

「はい、休みましたので大丈夫です。それよりここは何処ですか?」


私はラファに悪魔との戦闘のこと、片腕飛ばしてから名前を聞かれて答えて、それから魔法陣による転移魔法と思われるもので飛ばされてしまった。場所はわからないことなどを話した。


「そんな事に⋯⋯セーラも心配ですね」

「だよねぇ、だからここがどこなのか確かめないとって事で街を探すんだ、一緒に行こ」

「はい!それと闇の転移門についてというか転移門について説明しますね」

「じゃあ歩きながら話そっか」


私とラファは海岸沿いに沿って歩き出す。それに伴って転移門の説明も始まる。


「まず転移門は魔法陣から発動する魔法のことです。

系統は自然魔法に分類されます、使う魔力は外から使うからですね。

そして転移門は魔法陣の範囲内にいる生物を飛ばすという魔法です。つまり悪魔も魔法陣内にいれば同じく飛ばされてはいます。

主が教会の外まで広がってそうと言ってたけどもしかしたらそれなりに大きい範囲になってるかもしれません。

そして普通の転移門なら目的地に飛ばされます。でも闇の転移門は転移門にはないランダム性があります。

転移門の中での欠陥魔法の闇の転移門、これには魔法陣内に居る生物をバラバラに適当に飛ばすという、恐ろしい魔法です」


ラファから聞いた限りではあの悪魔もどこかに飛ばされているらしい。それを聞いてとりあえずレイジスは無事だと思った。

つかそんな魔法があるのか。悪魔だから知っていたって事かな?また強くなって来るとか言ってたし、私の事恨んでたし怖いな。



ラファからの話を聞きながら歩いていると遠くに街?を見つけた。水の上にある街。こうとしか言うことが出来ない。

島を開拓して街にしたような感じだ。そこには大きな橋が架けられている。そこから行くみたいだ。


「ラファ、街っぽいのが見えてきたよ、行ってみよう」

「わかりました」


私とラファは大きな橋を渡り検問所に着く。


「お前達見ない顔だな、身分証などはあるか?」


私はギルドカードを門番に出す。


「ほう、冒険者!?しかもCランク⋯⋯うむ、大丈夫だ、ようこそアクアマリンへ」


この街の名前はアクアマリンって言うのか。


「地図とかも貰えます?」

「ああ、これだ。この街は魚料理が上手いからぜひ食べてみてくれ」

「ありがとう」


地図をもらい、さらにオススメの料理まで教えて貰った。

流石海の街、海鮮系が美味しいみたい。とりあえず冒険者ギルドにでも行って情報を集めないとね。



冒険者ギルドに着いた私は受付嬢の所に行く。


「いらっしゃい、今日は何用でしょうか?」


私はギルドカードを出して要件を言う。


「世界地図を見せて欲しいの」


受付嬢はギルドカードを見て目を見開いた。あ、ランクでも見て驚いたのかな?毎回同じ反応だから覚えちゃったよ。


「世界地図ですね⋯⋯少々お待ちください」


少し考える素振りをしてから奥に消えてった。

その間にこの冒険者ギルドはどんな人達がいるのか見渡す。冒険者ギルドだからね、雰囲気のいい所もあれば悪いところもある。レイジスはいい人たちもいれば悪い人もいるといった普通の冒険者ギルドだった。


アクアマリンの冒険者ギルドは見た感じ清潔感があるというか、土まみれやボロボロな服を着ているという人達がいない。紳士淑女が居るような感じがする。それとここは女性が多い。冒険者で女性というのは比較的少ない。だからここにこんなにいるのがちょっと驚いた。

で逆に男はここでは少数派みたいだ。それにパーティーメンバーも女性ばっかりでハーレム状態になってる。まぁ男達も顔がイケメンなのでそうなってるのかもしれないけど。

少なくとも私としては初めて見た光景だ。


そうして周囲の人間観察をしていたら受付嬢が戻ってきた。


「お待たせしました、すいませんがちょっとギルマスの部屋に来て貰えますか?」

「まぁ構いませんが⋯⋯」

「こちらです」


ここでもギルマスの部屋に直行か。なんだろうか悪いことしてるわけじゃないけど普通に冒険者として過ごしてみたい。


「よお、悪いな、いきなりこんな所に連れてきちまって」

「いえ、大丈夫です」


わぁ、theギルマスっていう男だ。筋肉マッチョで体中には傷がつきまくってる。厳つい顔だし、昔は前衛でバリバリ働いてましたって感じだわ。


「今日、呼んだのはCランクの冒険者がどうして世界地図も持たずにここに居るかってことだ。Cランクだからなそりゃいろんな街を転々とするだろう、だから普通は世界地図は持ってるものだ、ないのにここにいるのがおかしい、それをイリンが不思議に思って俺に聞いてきたってことだ」


あーやっぱり世界地図って普通は持ってるよねー。そりゃ不思議に思うよ。仕方ない経緯を話そう。それで信じてもらえればだけど。


「私はレイジスという街から飛ばされてきました。そこで悪魔と戦い、片腕飛ばすところまではよかったけどその後闇の転移門を使われてしまい私はここに飛ばされてしまったってわけです。悪魔も私に復讐を企んでいると思います。次会った時は殺すなんて言われましたし⋯⋯。

だから世界地図も持ってません。それにあの戦闘の時仲間を宿屋に置いてきているから心配で⋯⋯だから戻りたいけど場所がわからないって事で世界地図を貰いに来ました」


私からの話をギルマスは聞いて、眉間に皺を寄せ考え始めた。


「なるほどな。事態は分かった、まだその悪魔が生きていてどこかに飛ばされて力を蓄えている。そしてその時置いてきた仲間が心配と言うわけか、わかった地図はやろう⋯⋯イリン!」


そう言って外に向かって大声で呼ぶ。しばらくしてイリンさんが現れ、地図を持ってきた。


「まず、今俺たちの街がここだ」


指をさした所は世界地図の西の端っこ。そこがアクアマリンらしい。


「でお前さんが言うレイジスという街。国はどこだ?」


そこまで記憶力は良くないので頭を抱え思い出す。


「たしか、ジェネリウス⋯王国だったかな?」

「ジェネリウス王国か、じゃあここだな」


そして指さした所は東の端の大陸。


「世界の端から端に飛ばされてきたって訳だな、これはすぐに戻れるわけじゃないぞ、最短で3年はかかる。海を越え山を超えなんてとても簡単なことじゃない、それでも行くか?」


まさかここまで遠いとは思ってなかった。端から端なんて普通なら会えるような距離ではない。大抵の人達は自分の国から出ることなく人生が終わるだろう。それをまさか全ての国を渡り歩かないといけないと行けないとか、軽く絶望が募る。でもセーラがいる。仲間を放ったらかしにはできない。


長い時間会えないけど私は必ずレイジスに戻ってセーラに会いにいく。


「愚問ですね⋯⋯行きますよ」


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