メイドさんと家入手?
「ありがとう!よくレイジスの町を救ってくれた」
ギルドに戻ったらギルマスが冒険者達に向けて感謝の言葉を述べた。
「報酬については冒険者全員に10000ルピアを払おう、各自並んでくれ、ミヤビさんと紅の刃は俺の部屋まで来てくれ」
ギルマスに呼ばれたので部屋に行く。勝手に行くのは悪いかと思ったけどレッドさん達勝手に行ってるしいいよね。
「来てくれたね、今回はこの町を守ってくれて感謝する」
「いいってことよ、俺達はワイバーンを一体狩っただけだ、1番活躍したのはミヤビだ」
「うむ、報告を聞く限り、ミヤビさんがワイバーン4匹にジエットバードを大量に地面に落としてくれたおかげで他の冒険者もやりやすかったはずだ、ありがとう」
「気にしないでいいわ、この町で住むためにやった事よ」
「そうだな、何か欲しいものは無いか?できる限り便宜を図らせて欲しい」
欲しいものか、特にないんだけどなー。この町に住む為にやったことだからなー。家でも買おうかしら?
「じゃあ家を買いたいから、いい物件を紹介してくれないかしら」
「ほう、家か。この町に住むのか」
「うん、他の街も見に行きたいけど、この町を拠点として使おうかなって」
それに、セーラがバンダナを外しておける場所も用意してあげたかったし
「なるほどな、探して教えよう、どんな場所がいいとか、家がいいとかあるか?」
人通りの少ないところがいいよね。お風呂付き、これがあればいいかな。
「人通り少ないところであとはお風呂付きがいいですね」
「なるほど、分かりました調べてみます、見つかり次第お伝えするのでよろしくお願いします」
「はい」
私が話してる間、セーラは入れられたお茶を飲み、ラファはフルーツをムシャムシャ食べていた。レッドさん達もお茶飲みながらセーラと話をしていた。
「いや、セーラさんの弓の腕はすごいな、沢山のジエットバード落とし助かったよ」
紅の刃の弓使い、バロンさんという人が褒めている。
「いえ、私は弓と剣しか使えないのでミヤビさん達の役に立ててるか心配です」
セーラはそんな悩みを抱えていたのか、私としては2つの武器が使えるだけで凄いと思うけど、それに役に立つ立たないは私は気にしない。セーラは1人だったから助けてあげたかっただけ、何も出来ないのより武器が2つ使えることを誇りに思って欲しい。普通の人は魔法だけだったり、剣術だけだったりと1つしか使えないのが普通なのだから。
「そういえば、ミヤビさん、あなた方のパーティー名はなんでしょう?もうミヤビさん達は有名人です。パーティーがあるなら名前が無いと何かと不便かと」
名前ねぇ⋯⋯何にしようかな。うーん、簡単なのでいいかな。
「“メイドと愉快な仲間たち”これにするわ」
「“メイドと愉快な仲間たち”ね、いいんじゃないでしょうか」
「じゃあそれでお願い、後、仲間は募集してないから、そこら辺も伝えておいて貰えると助かるわ」
「わかりました」
これで私達のパーティー名は“メイドと愉快な仲間たち”に決定だ。
かっこいい名前とかではないけど、この名前が有名になるように頑張りますかね。
「それじゃあまた後日伺うわ、その時家の件はお願い」
「了解しました」
私達はギルマスの部屋を退室する。
そのままギルドから出て宿に向かった。
◇◇◇
それから数日して、久しぶりに冒険者ギルドに顔を出す。ここ数日は休暇ということで宿屋で羽を伸ばしまくった。セーラは「暇です、どこか行きましょー」なんて言っていたがそこは我慢してもらい昼寝からの昼寝を楽しんだりしてた。ラファも武器に戻ったり、出てきて飛び回ったりと色々していた。
その休暇開けでギルドにきた。
「エリンさんこんにちは」
「ミヤビさんいらっしゃいませ、ギルマスに連絡しますので少々お待ちください」
エリンさんはそのまま奥に入っていってしまった。用件はそれだからいいんですけど、私が来た=ギルマス直行というのはどうなんだろう。
それから少ししてギルマスの部屋に通された。
「ミヤビさん、お願いされていた家についてですが、いい場所が見つかりましたよ」
「お、それは良かった」
「ただ⋯⋯」
なんかギルマスの顔がどんどん歪んできたな。もしかして訳あり物件とかなのか?
「訳あり⋯⋯ってことですか?」
私の指摘に苦笑いを浮かべながら頷く。
「その通りです、町外れにある教会とその隣の家が今回ミヤビさんに紹介できる家になります、あちなみに家と教会はセットになってるので」
まさかの教会で住めと、てかなんで教会が廃墟的扱い受けてるの?もっと神聖的な扱いではないのか?そしてそこにどんな訳ありがあるんだよ、そこら辺聞かないと何も言えないよ。
「それでそこにどんな訳ありが?」
「それはですね。あの教会は今から五年ほど前までは開いていたんですよ、でもそこにいた神官が悪事を働き、左遷されたのです。それ以降あそこはアンデットが発生したり悪霊が出たりするようになりました、町の住人はもうその付近には近づかなくなったのでそこならミヤビさんの条件も満たしていますがちなみにお値段はタダです」
そりゃタダでしょうね。むしろそこで金を取られるんなら誰も住まないと思います。
さてアンデットや悪霊がいる場所で過ごす。結構面倒ですね。倒すことなら簡単ですが夜の安全が全くないのでどうしようかな。
「セーラはどう?住む?」
「やです!」
首をブンブン振って否定したな。
「⋯⋯ラファは?」
「主は住みたいですか?」
逆に質問されちゃったよ。まぁ条件的には住みたいし、他の人の目も無くなるから住みたいけど⋯⋯
「住めるなら住みたいよ、条件いいし⋯⋯」
「なら我にお任せ下さい」
ラファが自分の胸に手をドンと当て自信ありげに言ってきた。
「じゃあとりあえず行ってみようか」
「了解です」
「ではギルマス、場所教えて貰っていいですか?とりあえず行ってみます」
「わかりました」
ギルマスに地図で場所を教えてもらいそこに行くことにする。




