メイドさんと緊急依頼
私たちは昨日ぶりに仕事を求めて冒険者ギルドに入った。
でも中に入ったらいつもと様子が違う気がした。
一体何が起きたんだろ?
エリンさんに聞いてみよう。
「エリンさん、何かありました?」
「あ、ミヤビさん、実は今この町に向けてワイバーンが進行中らしく、その確認のため冒険者が見に行ってます。あとしばらくすれば⋯⋯」
「大変だ!ワイバーンが飛んでくるぞ、あと数時間もすれば到着する!!」
噂をすればなんとやら、ワイバーンはいたらしいね。
冒険者達のざわめきも大きくなってきた。
「ワイバーンですか、ミヤビさんどうします?」
セーラが聞いてきた。
「うーん、どれくらい強いかにもよるけど、でもこのままだとレイジスが襲われるのは確定だからやるしかないんじゃない?」
ワイバーンなら別に余裕だから大丈夫だと思う。ゲーム時代の時は問題なく勝ててた。
私が考えている間にギルマスが出てきて冒険者に声をかけた。
「聞いてくれ!いまワイバーンが推定5匹その他ジェットバードが大群でレイジスに進行している」
「冒険者の力を合わせてワイバーン討伐をしてくれ」
「緊急依頼だ!!ワイバーンの群れ討伐1人1万ルピア、参加してくれた人には払う!ぜひ力を貸してくれ!」
緊急依頼ね。もちろん受けますよ。セーラの方に顔を向ければ頷いた。よし!
「私達も受けます」
「ありがとうございます」
近くにいたエリンさんに受注作業をしてもらう。
私達が動いたことにより他の冒険者も行動を開始する。
私達は先にギルドから出て目的の草原に向かう。
「私達は飛んでる奴らを落とすわよ、どうせ剣士が多いんだから下は任せましょう」
「わかった」
ラファも呼び出す。宿にいる時や町を出る時以外は基本休んでる。
「ラファ、あなたは周りを回って治癒魔法をよろしくね、余裕があれば光魔法で撃ち落としもお願い」
「りょうかーい」
街道までやってきた。この先の空からワイバーンがやってくる。
私の役目はここで壊滅させること。ワイバーンで冒険者達は慌てていた。なら私はワイバーン優先で倒していこう。
しばらくそこで待機していると徐々に冒険者が集まってきた。騎士団もやってきたりしている。
私が1番先に来たから何故か1番先頭にいる。冒険者の数人と騎士団の隊長格の人がやってきた。
「よお、メイドさん、今回はよろしくな、俺は紅の刃リーダーレッドだ」
「初めまして、ミヤビです。よろしく」
「ミヤビ殿初めまして、レイジス騎士団隊長のカーセルです」
「よろしく、そういえばどうしてみんな私のところへ?」
紅の刃はレイジスのギルドで1番強いパーティーだ。それに騎士団の隊長。
「1番先頭にどっしり構えて待ってるからな挨拶だけはしておくべきかと、お前からは強者の風格を感じる」
「貴殿はメイド服で強いと噂が流れていてななので挨拶をしておこうと思った」
強者の風格!?そんなことは無いと思うけど、まぁいいか、作戦でも伝えて起きましょうかね。私の作戦を、乗ってくれるかどうかは彼ら次第。
「私達は飛んでるヤツらを落とします、そこを攻撃して欲しいです、私はなるべくワイバーンの相手をしますのでよろしく」
「落としてくれるのは有難いがワイバーン相手は大丈夫なのか?」
「大丈夫、ジェットバードの方を先にどうにかして欲しいからこっちは任せて」
「わかった、だが紅の刃は魔法使いもいるからワイバーンは一体受け持つ、あとはすまないが任せた」
「まかせて」
作戦を決め終わったらちょうど空の彼方にワイバーンが見えてきた。
冒険者達も戦闘準備を始める。
騎士団と紅の刃は私の作戦を他の人に伝えに行った。
私達も準備をする。セーラは弓の準備、私は⋯⋯特にないな。ラファも何もない。
そうしてワイバーン達が近くに来るまで待ってた。
ワイバーンが近くにきた。
私は先行攻撃をしかける。
「凍らせ、穿て、“氷槍”」
氷の槍が飛んでいきワイバーンの羽根を穿つ。羽を失いバランスが崩れ、地面に落ちる。
「【アースインパクト】」
落ちてきたワイバーンにスキルを打つ。ワイバーンのもう片方の翼も切断する。ワイバーンに近づき斧を振りワイバーンの長い首を落とす。
これで一体目!
次の敵目指して魔法を唱える。
セーラは弓でジェットバードを落としていく。羽を狙って、たまに頭にも当たりそのまま殺すこともある。
ジェットバードはスピードの緩急が激しく、緩い時にしか弓は当たらない。それを見極めて撃っていく。
「私もちゃんと役に立つんだから!」
ここ最近の悩みはあまり目立つことが出来てないことだろう。元々エルフという種族のせいで目立つことが出来る訳では無いが、ミヤビと依頼に行ってもセーラは特に何もせず終わってしまう。それがセーラの悩みの種だった。だから今回の緊急依頼はセーラが役に立つ所を見せるチャンスでもあった。それで頑張っている。
ラファは怪我した冒険者達を治癒魔法で回復していく。回復された冒険者達はいきなり傷が治り驚くがすぐ戦闘を始める。ラファはその合間を見つけては、光魔法“ライトランス”で落としていく。それを冒険者が片付ける。怪我をしたら治癒のループで回している。
騎士団は隊列を組んでジエットバードの攻撃を受け止め反撃をしている。さすが騎士団練度が違う。統率が取れて怪我をしているものも少ない。
紅の刃の人達もワイバーンを討伐していた。剣士、盾士、魔法使い、槍使い、弓使いというバランスのいいパーティー構成でワイバーンの攻撃を凌いでる。しっかりと攻撃も通っているのですぐに倒すことができるだろう。
私はそれらを確認し終わるとワイバーン3匹目を討伐する。やっぱりここら辺の敵なら私では簡単すぎるみたいね。4匹目、私は新しい魔法を試してみる事にした。
ワイバーンが空で旋回しながら私の様子を見ている。それを目で追いながら魔法を唱える。
「水よ、火よ、私に力を貸してくださいませ」
水の精霊、火の精霊、が現れる。
「【アクアボール】【イグニスボール】」
水の玉と火の玉がぶつかり合い水蒸気になる。
「【アイスフィールド】」
水蒸気となった辺りを急激に冷やし、霧となる。それを風魔法で操りワイバーンの周りに漂わせる。
「【霧氷】」
ワイバーンについた霧が凍り、ワイバーンの動きが止まる。そのまま落下する。
ミヤビは気づいていないがこの魔法のせいでここら一帯は気温が氷点下まで下がった。ジエットバード達は寒さで動きが鈍り攻撃をどんどん受ける。運が悪ければそのまま落下死する個体もいる。冒険者達も急に寒くなったので不気味に思ったが今は戦いの場、相手が弱ってるなら今のうちと攻撃に勢いが乗る。
ミヤビは落ちたワイバーンの首を切りとばし、ワイバーン4匹目討伐完了した。
後ろではまだジエットバードと戦ってる冒険者達がいるが数も減ってきて、このまま行けばすぐ終わると思った。
それから30分後、冒険者達はモンスターの群れからレイジスの町を救った。ワイバーン5匹ジエットバード100匹の大軍の脅威は去った。
「よっ、おつかれ、ミヤビつったか、まさか本当にワイバーン4匹片付けるとは恐れ入った」
紅の刃のレッドがそんなことを言う。
「ミヤビ殿のおかげで後ろは安全に戦えた。感謝する」
と騎士団隊長カーセルさんが言う。
「町が無事で良かったです、この死体達はどうします?」
私はワイバーンとジエットバードの死骸を見ながら聞く。売るなら売るし、いらないなら燃やす。そんなことを考えていた。
「これは冒険者ギルドが買うだろう、我々騎士団数名が見張りに着くので査定出来るものを読んで来るのがいいだろう、頼んだ」
「それじゃあ冒険者共は戻るとするか、依頼は達成だ!お前ら!帰るぞ!」
レッドの号令により冒険者はレイジスの町に戻っていく。
私もセーラ達を連れて町に帰る。




