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はじめてのドライブ

作者: 安達邦夫


1.

高速道に入ると、一気に加速した。天気は快晴で気持ちいい季節を感じさせた。

隣の座席には、いい香りのする女性が、外の景色を一心に見入っていた。埼玉県へ入ると、窓外に一段と緑が増えてくる。

川越から、さらに走り続ける。


彼女とは、友人との合コンで知り合った。

なんとなく話しているうちに気が合ったので、何度かデートするうちに、ドライブしようと誘ったのである。

彼女は、小学校の教師をしている。ドライブは、ひとつ返事でイエスだった。


途中のインターで食事をして、広々とした駐車場に停めたカローラに戻ろうとした時だ。物々しいサイレンを鳴らしながら、駐車場の一角に、覆面パトカーが赤い回転灯を明滅させてやって来るのが見えた。

何かしら?

と冬美が言った。彼女は、松沢冬美と言った。スレンダーで笑顔がかわいい。白いブラウスにカーディガン。スカートから、きれいな脚が覗いている。

しばらくぼくたちは、その様子を眺めていた。一台の黒塗りのセダンの周りを、私服の背広姿の警察官らしい男たちが取り巻いている。黒いセダンの窓は黒い遮光シールで見えない。なんだか、ぼくたちはドキドキして見ていたに違いない。まるで刑事ドラマのようだったから。だから、車の間をすり抜けて、その男が近づいて来ることにも、僕は、全く気づいていなかったのである。


つづく


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