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東方交換録  作者: シン
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最高戦力終結~集まる、萃まる~

~霊夢Side~


 結局、あれ以降向こうにも目立った動きはない。周りでいろんな奴が能力ごちゃごちゃになってるけど・・・。それ以外は、何も無いのよね・・・


「まったく・・・逆に不気味なのよ・・・」


 独り言を言ったって、何か答えが返ってくるわけでもない。魔理沙は今は早苗のとこに行ってるし、他の奴だって自分たちのことで忙しいだろうしね・・・


「何・・・?この違和感は・・・」


 おかしい・・・何かがおかしい・・・いつものように考えて、当たり前のように答えを出した・・・それなのに、この言いようの無い違和感はなんなの・・・?


「これは・・・そろそろ本格的に動いた方が良さそうね・・・」


 もしかしたら・・・何かとんでもないことが起きるかもしれない・・・。そうなる前に止めないと・・・


「そうね・・・まずは向かうとしたら、博霊神社に・・・え?」


 今、私はなんて言った?


「お~い霊夢~!ちょうどよかったぜ」

「魔理沙!!ここはどこ!?」

「な、何言ってんだよ・・・自分の家を忘れたのか?」

「いいから!!」

「博霊神社だぜ?」

「そう!そうよ!!なのに私は今・・・」

「霊夢・・・?」


 意図せず口から出た・・・何故?ありえないわよ!!自分の家よ!?忘れるわけ無いもの!!


「あら、今日はずいぶんと人数が多いわね?」

「そういうそっちだって大所帯じゃないのさ」

「そろそろこの異変をなんとかしようって思ってね」

「あ、こっちもそうなんだよ。奇遇だね~」

「神様二人に山の天狗、吸血鬼と、妖怪のオンパレードね」

「あら?そういうそっちは、不老不死が二人に化け兎じゃない。こっちと大差無いわよ」

「ここまで一気に集まると流石にせまいですね・・・」

「お~い霊夢~。庭が狭いってよ~」

「ちょ!そんなこと言ってないですよ!!」


 どういうこと・・・?人がどんどん増えてる・・・しかもこの同じタイミングで、理由も同じ・・・おかしいことでは無いはずなのに・・・


「あら、地上の妖怪の皆さんおそろいですね」

「おや、地底の妖怪たちじゃないか。あん時は悪かったね」

「いえ、お気になさらずに」

「しっかし・・・まさかここまで一気に人が集まるとはなぁ・・・」

「とりあえず博霊神社にって思ったら、まさかここまで集まってくるなんてね」

「あら?紅魔館組もそんな感じだったの?」

「も?あややや、これは偶然ですね。我々妖怪の山もそうなのですよ」

「地底組も同じね・・・というか、私は地上なんてほとんど知らないから着いてきただけだけど・・・」

「偶然ってのはこえーもんだな~霊夢。・・・霊夢?」


 もう少し・・・もう少しで繋がりそうなのよ・・・何か・・・何かが足りない・・・


「霊夢さん・・・どうしたんでしょう?」

「さぁ~?」

「意識が無くなってるとか?」

「それは無さそうですね・・・ずっと何かを考えてますから」

「あ、そっか、お姉ちゃんは能力そのまんまだから聞こえるんだっけ」

「そうよ。まぁ、無意識で使ったりしないように気をつけてるけど・・・」

「それよ!!!!」

「「「「?」」」」


 あ~~もう!!なんで気付かなかったの!!!能力を入れ替えたり出来て、それに協力者がいるんだから、簡単なことじゃないの!!『無意識を操る』ことなんて!!!


「!!霊夢さん!!それってどういう・・・」

「流石博霊の巫女。よくそこまで辿り着いたな」

「「「「「!!!」」」」

「誰!!??」


 本殿の方を向くと、そこには一人の男が立っていた。間違いない・・・こいつが・・・


「申し遅れたな。俺は『ミクス』と名乗っている者だ。知っての通り、この異変の首謀者で・・・」

「!!」

「人が話してる時は静かに待ちな?なんなら、アタシと先にやるかい?」


 ミクスが名乗っている最中に、突如美鈴が攻撃しようとするも、勇儀によって阻まれた。っていうかなんて速度よ・・・


「助かったよ勇儀。危うく死ぬとこだった」

「そんなんで死ぬタマじゃあ無いだろうに」

「感謝はしてるさ・・・さて、自己紹介が途中だったな?俺が異変の首謀者で、ここにお前たちを呼んだ張本人だ」

「呼んだ?何を言ってるのよ・・・私たちは自分の意思で・・・」

「自分の意思で、突然博霊神社に行こうと思った・・・か?」

「ええ、そうね。でも、いつまでも貴方の演説に付き合うのも飽きたのだけど?」


 問答のようなやり取りの中、永琳が話の途中でミクスに向け矢を放つ。が、これも突然間に入ってきた影に阻まれた。というか、あんたら少しは待ちなさいよ・・・


「よ、っと・・・これでよかったかい?」

「あぁ、ありがとう小町。お前を仲間にしてよかったよ」

「いなくたってなんとでも出来そうなのによく言うねぇ」

「小町さん!?貴女もそっち側なんですか!?」

「ん?あぁ、そうさね。こいつを倒したけりゃ、先にアタイを倒してみな・・・ってやつかね?」

「また話が反れたな。お前たちはそうやって突然博霊神社に行こうと考えた。『無意識の内に』な」

「それって・・・!」

「えぇ、恐らくコイツが言ってることは本当よ・・・私ですら気付かなかったんだもの・・・」

「でも!私の能力はお空の所に行ったんじゃ・・・」

「そのお空とやらは、その能力を使って見せたか・・・?」

「それは・・・」

「ええいもう!ややこしい!!霊夢!!後でちゃんと直すから、少し神社壊すぜ!!」

「ちょ!待ちなさい魔理沙!!」

「恋符『マスタースパーク』!!」


 魔理沙の八卦炉から放たれたマスタースパークは、みるみる内にミクスに迫って行く。っていうか!!私の家ーーーー!!!

 っと思ってると、また誰かが間に入る。


「目には目を、マスタースパークにはマスタースパークを・・・ってところかしら?」

「幽香!!??」

「いいタイミングだな、幽香。助かった」

「あんなことしといてよくもまぁ・・・」


 魔理沙がマスタースパークを撃ち終わった頃、その光が消えた先には、同じように傘をこちらに突き出す構えの幽香が立っていた。また面倒なやつが・・・。


「お前たちは黙って聞くってことが出来ないのか?」

「そっちの言うことが、いちいち難しいのが悪いんだぜ」

「そりゃ悪かったな。次は気をつけるよ」

「そうすればいいと思うぜ」

「何呑気に会話してんのよ!!」

「っと、悪いな。それじゃあ続きだ、って言ってももうすぐだけどな。さっきも言ったとおり、お空とやらの下にその子の能力は移っていない」

「じゃ、じゃあ・・・」

「そう、こちらで使わせてもらった。おかげで動きやすかったよ」

「私たちは・・・無意識にあんたの思惑通りに動いてたって言うの・・・?」

「別に全部がそうってわけじゃないさ。ま、ここには霊夢の無意識を操って、俺たちがいる場所を見ないようにさせることで、気付かれること無く居られたわけだがな」

「で、でも!!それにしたってこんな一斉になんて!」

「ああもう!!話が長いのよ!!上で聞いてて飽きちゃったじゃない!!!」


 今度は天子がいきなり上から現れて剣を振り下ろす。直後、ふわりと桜の花びらが舞ったかと思うと、二人の間に何者かがいた・・・。というか天子あんたいつからいたのよ・・・。


「あらあら?天界に住む天人様は、こんなにお行儀が悪いのかしら?」

「な!!たかだか扇子でこの剣を!!」

「ほう、すごいもんだな。感謝するよ」

「あらあら。こっちは礼儀正しいわね。お姉さんクラっと来ちゃうわ」

「なんとな~くそんな気はしてたけど、幽々子もそっち側なのね・・・」

「あら、永琳もこっちに来れば?楽しいわよ?」

「そうはいかないわよ・・・こっちにだっていろいろあるんだから・・・」

「世間話はその辺でいいか?もうすぐ終わるから、その後で頼む」

「は~い。ごゆっくりどうぞ~」


 白玉楼に帰ってなかった幽々子はここにいたか・・・なんかメンツを見ると納得というかなんというか・・・。さて、私もそろそろ我慢の限界ね・・・。


「さぁ、最後だ。そう、一斉に無意識を操るのは難しい。でも、それが『無意識を操る程度の能力』だけならの話だ」

「どういうことよ」

「無意識を操るにしても、大勢を一気に『博霊神社に行く』なんて考えさせるのは難しい。ならばどうするか。無意識で操るのは『どこかに行く』という考えまでにして、何か別の力でその行き先を博霊神社にしてしまえばいい」

「行き先を決める能力なんて聞いたこと無いわよ!」

「そうだな、残念ながらそんなものは無かった、でも・・・最初に俺が言った言葉を覚えてないのか?」

「俺が集めた。とかなんとか言ってたわね」

「そう、そしてもう一つ、今お前たちに無意識で意識の中から外してもらっている事がある。」

「だから・・・それがなんなのかって聞いてるでしょうが!!!」


 あーーもうあったま来た!!!もう知らん!!!こいつ倒したら能力が戻らないかもとか思ってたけど、そんなのもうどうでもいい!!一気に倒す!!針の弾幕をミクスに向けて放つ。この速度なら避けられないはず・・・!


「こういうことだよ、霊夢」

「え・・・?」


 なんで・・・?なんで私はこいつのことを忘れてた・・・?いつも私の家にいて、お茶を飲んだりして、時には一緒に宴会を開いたこいつのことを・・・


「もう~ミクス?紹介するのが遅いんじゃない?」

「あいつらが話を遮って来るのが悪い。まぁ助かったよ。萃香」

「どういたしまして。さて、どう?思い出した?私の『密と疎を操る程度の能力』のこと」

「そう、この能力を使えば、一気に一箇所に人を集められる。そして、それが無意識に動くのなら、怪しむものはいない」

「じゃあ・・・萃香・・・あんたは初めから・・・」

「そ。ミクスにこっちの世界のことを教えたのは私だよ」

「この世界に来て、真っ先に出会ったのがこいつだった。この世界のこと、お前たちのこと、本当に役に立ったよ」

「最初は全然信じてくれなかったくせに~」

「なんであんたがそっち側にいるのよ・・・」

「ん?暇つぶしだよ、暇つぶし」

「な!!」

「宴会にも飽きてたし、弾幕ごっこばっかりもなんだからね。だからこうして皆の敵に回ることにしたんだよ」


 こいつは・・・本当にそんな理由で・・・?そうだ!!


「さとり!!今、萃香は本当のことを言ってる!?」

「わ、分かりません・・・」

「ど、どういうことよ!」

「確かに、嘘は言ってないはずなんです・・・でも、心の奥底までが分からない・・・声が聞こえないんです・・・」

「チッ!!面倒なことを・・・それもアンタの能力!?」

「いや、俺は知らないな。その子・・・古明地さとりの能力には何もしていない」

「そういえば、なんでわざわざさとりの能力を残したんだ?」

「こちらに気付いてもらうためさ。勇儀を通してね」

「じゃあやっぱりあの時は・・・」

「あぁ、お前たちが来るのを待ってたのさ」


 こうまで手のひらの上で踊らされてるとはね・・・!いらいらするわ・・・


「さて、説明で時間を使いすぎたな。そろそろ話すのにも飽きたんじゃないか?」

「そうね・・・今すぐにでもアンタを殴りたい気分でいっぱいだわ・・・」

「それは怖いな。その元気は存分に俺以外の誰かにぶつけてくれ」

「アンタの目的はなんなのよ!!『力を持たぬ者への復讐』とかわけわかんないこと言って!!」

「そうだな、とりあえずは、力による幻想卿の征服。ってとこにしとこうか」

「それを私たちが許すと思う?」

「言ったろう?力によるって。止めたけりゃ・・・力づくでだ」


 その一言を皮切りに、全員が一斉に動く。ミクスの周りの5人もどうやら本気らしい・・・これはなかなか・・・大変な戦いになりそうね・・・


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