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東方交換録  作者: シン
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異変拡大~傍らに寄り添い笑う鬼~

~???Side~


 力の調子は問題なさそうだな・・・この世界に来て数日。いきなりあんな目に合うとは思わなかったが、それでも今の状況を考えればプラスだろう。


「上手くいったみたいだね」

「あぁ、これもお前の協力のおかげだな」

「なぁに、良いってことよ。ちょうど退屈してたしな~」


 この世界の知識はこいつから教わった。どんな奴がいるのか。この世界の主要な人物は誰か。どうするのが効果的か。

 何故こいつが俺の味方をするのか・・・本人曰く、退屈だったから、らしいが、ここまでおかしな動きはない・・・


「なんだ~?まだ疑ってんのかよ~?」

「いきなり襲われた挙句、一勝負終わったらやりたいことを手伝ってやると言われたんだ。信じろというのが無理だ。」

「でも、ちゃ~んと役に立ってんだろ?」


 そう、実際に役には立っている。だが、どうしても信用はしきれない。俺はこの世界の人間じゃないしな。


「退屈だから・・・本当にそんな理由でこっち側に付くのか?」

「たまにはこっち側も良いかなって思ってな~。それより、そろそろ名前教えてくれよ~。お前とかじゃ呼びにくいったらないよ」

「俺は妖怪だ。名前なんてもんは無い」

「ん~そうだな~・・・じゃあ『ミクス』なんてのはどうだい?単純に『ミックス』をもじっただけなんだけどね」

「好きにしろ」


 本当におかしなやつだな・・・こいつも・・・


「本当に・・・」

「ん~?」

「本当に、信用していいんだな?」

「あぁ、いいとも。聞いたことは無いかい?『鬼は嘘をつかない』って」


 そういいながら、瓢箪を傾けた少女はケラケラ笑った。


~レミリアSide~


「今回の異変に関しては、私と、紅魔館の者は一切関与していない。むしろ被害者よ」

「同じく、永遠亭の者も関与してないわね。」

「我々守矢一家に山の妖怪も無関係だ。」

「皆さん嘘は言っておられませんね・・・もちろん、私たち地霊殿及び地底に住む妖怪達も関与しておりません。」


 各所のリーダー格が揃いも揃って情報無し。全く・・・面倒なことね・・・今集まってるのは、紅魔館の主であるこの私、永遠亭から永琳、妖怪の山から神奈子、地底からさとり、そして、いつも通り霊夢と魔理沙の合計6人。


「最初に発覚した霊夢、魔理沙、早苗の3人の報告から1週間経ったわけだけれども・・・」

「ここまでの被害は各所で2~3人ずつ」

「それも、有益な能力を持つ者ばかりが・・・だからな・・・」


 私の『運命を操る程度の能力』、永琳の『あらゆる薬を作る程度の能力』、他にも有能な能力は誰か別の人と入れ替わってしまった。


「で、ここまでの情報をまとめましょうか」

「一つ、入れ替わった能力は、誰の元に行ったのか、その本人が気付くまで分からない。」

「二つ、本来の能力の持ち主よりも、その能力の質は下がる」

「三つ、今のところ、能力を重複して持ってる者はいない」

「これだけじゃ情報量不足過ぎるんだぜ」


 確かにその通りだわ。このままじゃいずれ全員の能力がバラけるわね・・・。


「で、こんな一大事だってのに・・・紫は何をしてるのかしら?」

「幽々子のところも来てないわね」

「閻魔のところは忙しいから無理なんだろうよ」

「下はともかく上に住んでる馬鹿も来てないんだぜ」

「こんな時こそあのスキマが必要だってのにもう・・・!」

「むしろあの人が黒幕なのでは?」

「いや、流石にそれは無いと思うんだぜ」

「いや、あいつだったらやりかねないわよこんくらい・・・」


 正直、私もそうなんじゃないかと思ってる。こんな規模で、しかもこの実力者達を同時に相手して来るだなんて、あいつくらいじゃないと考えられない。

 でも、そうするならここまで露骨になるのもおかしい・・・


「もしかして、あいつもすでに能力を入れ替えられてマヨヒガに閉じ込められたんじゃ?」

「まさか、紫に限ってそんな・・・」

「無い・・・とは言い切れないわね、この状況も」

「これは時間が掛かりそうだな・・・」


 今のこちらの情報を手に入れる手段は特に無い。地道に一箇所ずつ思い当たる箇所を回っていくくらいか・・・。


「あれ?そういえば、さとりは能力入れ替わってないのか?」

「ええ、順当に考えれば、私の能力はかなり厄介なはずなのに、何故か残ってるのよ」

「これが相手のミスか、それとも罠か、それはわからない」

「でも、ここで止まってちゃ、いつまでも進まないわね」

「まだここに来ていない連中を含めて、さとりを連れて聞き込みの必要があるわ」


 ようやく指針が決まった。まずは来なかった中でも比較的行きやすい白玉楼からかしらね・・・。


~ミクスSide~


「主力と言われる連中はあらかた抑えたか」

「手際がいいねぇ。その調子ならあっという間なんじゃない?」

「油断は出来んな。どいつもこいつも相当な実力だ」

「まぁ、相当な連中だしね」


 少しずつだが、計画は進んでいる。この調子で行けば、もうすぐ次の段階に移れるか・・・


「さて、あんだけの人数相手にこっちが二人ってのは辛いねぇ」

「だが、こちらにはそういった人脈は無い」

「なぁに、簡単さ、私と同じようにすりゃあいいさ」

「お前ほどのやつと、またやり合えってのか・・・」

「それなら思い当たるところの一つや二つはあるさ」


 背に腹は変えられん・・・か・・・


「聞こう、その相手とやらを」

「ふふっ、それでこそアタシが見込んだ男だよ。一人は地底に棲む怪力乱神、アタシの古くからの友人さ」

「また鬼か・・・」

「そう言うなって。そして次に三途の川の渡し人、サボり癖のある死神」

「強さのほどは?」

「本気で戦ったのを今まで見たことが無いね」

「十分だな」


 鬼の方はそれこそこいつと同じやり口で十分だろうが・・・死神の方はどうするか・・・それにこの言い口だと・・・。


「それと最後に」

「やっぱりまだいたか・・・」

「そいつを仲間に出来りゃ相当楽だからねぇ」

「で、そいつはどんな奴なんだ?」

「そいつはどこにも属していない孤高の妖怪。古くからいる大妖怪で、自分の大事なものを守るためなら、どんな相手だろうと実力で排除する。圧倒的な強者」


「人呼んで『四季のフラワーマスター』」


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