■どうやら雑魚がバグったようです。【Lv4】 ~打ち上げ~
話が飛んで投稿されていたというミスがありました。
本当にすいませんでしたm(_ _)m
「いよーっと!!ミワちゃんお疲れーっ!!」
「いぇーいっ!」
カンッ☆と【絞りたてのぶどう汁】が入ったグラスが軽快に鳴り響く。
それを【エルフ族】の少年・ルフは一気に飲み干し、
「くぅぅーっ!」と息を上げた。
「にしても、いきなりボス級の【キングバニィ】が出てきた時は驚いたよ。そんなの居たっけ?
なあエコ?」
「一応はデータを確認してみましたけど、そんなものは存在していません。本部から
のイベントでもありませんし、そもそもモンスターが町に現れた時点で、81,4%
と計算で出たトラブルと言えるでしょう。バグという可能性はありますが、
これは29,6%。まずまずあり得ませんね。」
【電脳族】の少女・エコはそっけなく自分の意見を述べると皿の魚を頬張った。
何に対しても大雑把で楽観的なルフは少しばかり苦手らしい。
ふいに足をぶらぶらさせていた【オバケ族】レイは かくん、とエコの方を見た。
「…でも【きんぐばにぃ】…の……れべる…ゎ……おかしかった…あれ
何……?」
「それも多分トラブルだと思いますけど、一回確認してみた方がいいですかね?」
「かくにん……する…」
分かりました、と今度は素直に頷く。
見た目 最年少にして実年齢は最年長(設定)であるレイのロジックは大抵正しい。
態度の違いにルフはつまらなそうに頬を膨らます。
「で、 」
エコの正面に座っていた【獣人族】ガルは頬杖をつきながらチラリとミワを見た。
「何でお前ヘコんでんの?」
「は?え、何で?」
「お前の癖みたいなモンだろ。何かあると通常より喋らねぇし、気持ち悪い程ニコニコしてる」
「き、きもち悪いって…!」
よほどショックだったなのかワナワナとしばらく震えた後、「はぁ…」と盛大な溜息と共に
机に突っ伏した。
「しょうがないでしょ…バニィちゃんの鳴き声、予想以上に可愛くなかったんだもん…」
間。
「はっ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああッッ?!」
ミワ以外全員 一斉に立ち上がり絶叫する。
「な、何ですかそれ?!【バニィ】の鳴き声って…『ンギェェ____!』って言う、アレの
事ですか?!」
「そうだよ?見た目あんなに可愛いのに……!」
「いや普通それでヘコむ?!」
「ヘコむよ!もう何なのさ皆、ヒドいよ!ねえリリ?」
ミワが振り返った先には巨大な水槽。
その中に居る【水面族】リリは、腰から下の魚のような尾ひれをピチピチさせながら、
何も言わず無表情でミワを眺める。
「…駄目だ、口ベタのリリに頼った私が馬鹿だった……。」
ガックリと項垂れるミワと、驚いた顔をまだ維持しているパーティーメンバー。
またもや間。
「はぁっ…とりあえず、今回のトラブルについて各自出来る事をするコト。それ以外のヤツは
夕食の片づけ、それでは解散!」
「うぃーっす。」
「うわメンドくさっ…」
ミワのかけ声と共にガタガタと椅子の引く音が響く。
早速というようにエコは手のひらから半透明の画面を出すと中をじっくり見た。
「あっ、やっぱりトラブルの事、本部から連絡がきてますね。どうせ分かり切っている事実
ばかりなんでしょうけれど。」
メール画面をタップし、文字をサラリと読み流す。
「…?」
今度は少しゆっくり読んでみる。
「……?!」
もう一度、じっくりと意味を受け止めながら読む。
「ここっこれはっ…?!」
「? エコ、何かあった?」
「大変ですよ皆さん!これっ!!このメール読んで下さい!」
エコは両手を広げ、全員に見えるよう画面を拡大させた。
[▼【トラブル発生】
原因不明のバグが発生しました。プレイヤーは
各データが書き間違えられている可能性があります。
近くの王家に報告してください。
一言で言うと……
この世界は、バグりました!!]
「え…っ」
「嘘ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」