▼どうやら雑魚がバグったようです。【Lv3】
こんな作品なのになぜか沢山のポイントを頂いてしまいました。
ポイントをくださった方も、「うわ何この作品(笑)」と思った方も
本当に有り難うございますッッ!!
注)編集しました。
ふわっ
「! これって…」
【回復魔法 蘇生呪文】?! なんでこんな高等魔法…
HPは満タン、異常も無し。
周りを見ても【魔族】らしい人は見あたらない。
「…君、大丈夫?無茶するからだよ。」
ハッと上を見ると【ミワ】が立っていた。
「あ、あの、何で……」
「ん?」
「何で僕、やられちゃったんですか?僕だって【キングバニィ】くらいは
倒せるのに。それにどうして此処にいるんでしょうか?【壁】は?
この町も張ってあるんでしょ?」
「はいはい、落ち着いて少年くん。今は私のパーティメンバーが足止めしていて
くれてはいるけど、とりあえず君の質問に答えようか。」
【ミワ】はスッとしゃがむと、微笑んだ。
「さっき言ったパーティーメンバーになかなかキレる子がいるんだけどね、
その子曰く、今回の件は【トラブル】なんだって。」
「トラブル?」
「うん。まあ【バグ】とか【壁】に穴が空いたって場合もあるだろうから、
そこは後で詳しく分析するけど。とりあえず今の結論としては【トラブル】。」
「…じゃあ倒せない理由は」
「そうだね、じゃあ聞くけど、さっきの質問からするに、君は【キングバニィ】
と戦った事があるんだよね?」
「クエストであったので、間違いなく。」
ミワさんと話している内に、不思議な気分になった。
こんなにも危険な状況なのに、眠くないけど毛布の中で誰かと喋っている時の
ような。まるで見えない何かに守られているような気持ち。
「じゃあ、【鑑定】は出来るよね?」
「一応は出来ますけど、あんまり詳細できないし近くじゃないと……」
「あ、ごめん。じゃあ私の見せてあげる。よっと。」
ミワの目の前に画面が浮かび上がり、HPやレベル、スキルまでもが
映っている。
[▼【キングバニィ】 Lv189
HP 19674/7653
跳躍スキル 1756
疾走スキル 973(以下略)]
「れ、【Lv189】?!強っ!!」
「ちなみに通常の【キングバニィ】はLv5ね。そういえば君ってレベル何?」
「……Lv5です。」
「おっと。」
早々と画面をしまい、ミワが立つと同時に向こうから声が聞こえてきた。
「おいミワ!さっさとしろよ!!手加減しろって言ったってコイツどうにも
なんねーよ!!」
「はーいちょっとまってねー!! …っと、あいつらもああ言ってるし
とりあえず行って来るね。【シールド】は張っておくから。」
「あ、ちょっと!」
ぶわっと風が吹いたかと思うと、ミワさんの体は向かいの家の
屋根の上に乗っていた。
「さすが跳躍スキルも最高に極めたノーマルガールだな。」
「武器屋のおっちゃん?!」
振り返ると先程話していた【エルフ族】の武器屋店長が立っていた。
面白いという風に笑い、少年の横に腰を下ろす。
「せっかくの機会だ、【ミワ】の戦法…よく見とけよ。」
「はっ、はい!!」
どんな技を使うんだろう。どんな風に戦うんだろう。
そう思いながら、もう一度視線を上げた。
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
(…はあぁ、ホントこういうのって困っちゃうなぁ)
わらわらと集まってきた民衆を見下ろしながら軽く溜息を付く。
彼女はそもそも、目立つことはあまり好ましくなかった。
(_____ま、昔よりかは今の方が良いんだろうけど。)
ミワはそう考えつつニッと笑うと、「ていっ」と声を上げて、
どこまでも軽く、どこまでも速く【キングバニィ】に襲いかかった。
『ンギェェ__________________________!!』