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▼どうやらこの世界は、バグってしまったようです。  作者: すみっこ
▼旅の途中で色んな物がバグっていました。
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▼旅の途中で色んな物がバグっていました。【Lv11】


深緑のワンピはいつのまにか、海水の色と溶け合うような柔らかい服になっていた。

淡い水色と砂浜のような白い半ズボンがゆらりゆらりと揺れている。


「へ、あ。」

「やーびっくりした?私一応、リリとその辺の人達にも聞き込んでくるからその間に

説明されて下さいな♪」


びっくりした、なんてモンじゃない。

思考停止状態のまま遠のいていくミワさん達の背中を眺めていると、ポンと軽く肩を叩かれた。

「ガルさ…」

「お前魂が抜けたみたいだな、マヌケ面になってんぞ。説明すっからよく聞け。」


後ろ襟を捕まれて座席に座らされる。ガルさんは前に座るとクルリと椅子を回転させた。

周りのメンバーも若干ニヤニヤしながら周りに座る。

どうやらガルさんは主に説明担当らしく「さてと…」と足を組んだ。

瞬間、脳が回転した。


「ガルさん、あの、あれ何なんですか?水面族しか通れない壁なんですよね?まさか

ノーマルも通れますってオチはありませんよね?どう見たってアレ水面族ですもんね?

てかそもそもアレはバグなんですか?」


ミワさんの言う「テンパると質問が多くなる癖」というのはどうやら本当らしくて、

自分でも機関銃みたいだなと思った。

ガルさんは目を閉じながらその全てを聞き、「よし」と頷いて瞼を上げた。

そして、唐突に


「お前は【自己オリジナルスキル】って知ってるか?」


唐突に、そう聞いた。

「…このゲームに関する現実リアルでのネット情報は全て漁りました。」

「うん、つまり知らないんだね。そういう時は素直に言おうね。」

ルフさんが微笑みながらポンポンと肩を叩く。


「まあこのスキルも経験値と他のスキルを生け贄にしなくちゃならねぇからな。

それに、持っているのはほんの一部だし。」

「え?」


クエストにお金やアイテムが必要なのは一般だけど、一つのスキルを獲得するのに

折角溜めた数値を削らなくてはいけないのは少々勿体ない気がする。

……あ、だからほんの一部なのか。


「まあそれほど便利なスキルって事ですよ。種族によって種類は限られますけど使い方に

よっては奥義よりも最強ですよ。」

「ちなみに私は…【ポルターガイスト】……こんな感じ…」


周りの物がふわりと浮き上がり自由自在に動く。

確かに装備していない武器も使えるから単純なように見えて、意外に強いかもしれない。

何十本もの剣が向かってくるところを想像して思わず身震いした。


「…って事は、ミワさんの“アレ”は【自己オリジナルスキル】って事ですか?」

「正解。」

まあその方が辻褄が合うし、正解以外何もないだろう。

「ついでに言っとくと、あいつ(ミワ)のスキルは別の種族体に変化すること。

能力については何の制限もない【ノーマル】の体をまんまと利用したって訳さ。」


という事は、ミワさんは動物や植物の声も聞こえるし透けられるし水中で息が出来るしで、

ほとんど無敵な訳か。どんなチートスキルだよ。チートすぎて逆に呆れるよ。


「あはは、それ色んな人に言われたんだよね~」

「?!」


振り返るとニコニコしたままのミワさんがいた。

下半身だけ水中に出して、腰から上は【ノーマル】に戻ったまま。

「言っとくけど、このスキルの獲得はかなり骨が折れたよ。

なんてったって全種類の種族の修行をマスターしなきゃいけないからね~」

「は、はあ。」


その前に中に入ろうよ。


「あ、見えてきましたよ!【竜宮国】の王宮!!」

慌てて潜水船の外を見るとそこにはドームに囲まれた、例えるなら『ラピ○タ』の城があった。

そこへ僕らを乗せた【潜水船】は、静かに到着した。




ちなみに自己スキルは持っていないメンバーもいます。


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