▼旅の途中で色んな物がバグっていました。【Lv9】 ~竜宮国~
ここから竜宮国に突入します。
自分的にも結構好きです。良いですよね、未来都市。
気がついたら海辺にいた。
これが【賢者の石】の威力なのか。恐いわ。
周りは色んな店や種族がいて、船の止まっていない漁港みたいだった。大分賑やかだ。
「えっと…【竜宮国】って……【水面族】の国ですよね?まあ比較的近いですけど。」
「よく知ってるね~、そこの【深海エレベーター】に乗って海底に行くんだよ。
リリどうする?付いてくる?」
「ん。」
後ろにある白い大きいエレベーターに乗る。
中は全面ガラスで、ゆっくりと落ちていった。
「…あの、ちょっと聞きたい事があるんですけど。」
「ああ、【ウィンドクラッシュ】の事?
カケル君凄いよね~、もう【奥義】をマスターしちゃうんだもん。」
【奥義】は いわば必殺技。そのかわり体力を大幅に消耗するらしく。
だからあんなに疲れていたのか。
「カケルは…風系……」
「風?」
「属性の事ですよ。それぞれ決まってるんです。カケルさんはエルフですから、
加えて土系ですね~。」
「ちなみに種族の属性と自分の属性が重なると、それはそれで強力だ。
例えばルフとか、エコとかな。」
「ふふ~ん♪ ミワはまあ案の定、全部の属性において最高だけど一応 [風]だから
色々教えて貰えば?」
ハッと顔を上げる。そうか…ミワさんも風なのか……!
「ちなみに風は、極めるとこんな事も出来るよ。」
ブワッ…と強い風が吹きミワさんの体が浮く。
「今は室内だからコレくらいだけど、本気出せばビルと同じ高さくらいは行けるよ」
「 。」
調査結果:もはや別次元だった。
「あ、見てみて~!あれが【竜宮国】だよ!!」
「! うわぁ……!!」
海底にある空中庭園のようだった。
いくつかのエリアに別れていて、透明チューブがそれらを繋いでいる。未来都市みたいだ。
ひゅぅんっ…とエレベーターが止まり、今度はタイヤのない車モドキに乗らされた。
チューブの中を走っていく【タートル】というこの国の乗り物らしい。
前面がガラスで、中は以外に広かった。なんか前にSFでよくある半透明の窓が開いてるし
座席の隣に飲み物があるんですけど。なんで僕が フルーツ牛乳好きなの知ってるの…?
「やっぱり他の国にいくとワクワクしますね!」
「だよねー!私もこの国大好きなんだー!!ていうか全部好きなんだけど。
ここは色んな種族がくるから意外な情報とか集まってくるよ。」
「まあ中にはしょーもない噂話も紛れてますけどね。」
「見てみて…住民が、歓迎してくれてる……」
向こうを見ると、水面族の人が魚と一緒に泳ぎながら手を振っていた。
こちらも振り替えすと、にこりと笑って何処かへ行ってしまう。友好的で気ままな人達のようだ。
だんだん【タートル】の速度が遅くなってきて、慌ててコップの中を飲み干した。
「さっ!ここが【第一宮】だよ!!」
「わー懐かしいな~此処。ちょっと俺、海草と喋れるか試していー?」
「駄目だ。さっさと行くぞ」
最初につく【第一宮】は店が建ち並ぶ場所。他の国からの輸入品もあるので買い物には最適の場所だ。
「頑張ったから、ちょっと良いモン買って上げるよ♪」
「ええっ!良いですよ、自分のお金でっ……」
財布を開けたら すっからかんだった。
「くっ…!」
「あははははははっ!じゃあさ、ある程度溜まったら私に何かおごってよ。それで良いでしょ?」
「うぅ…有り難うございます……」
「よし!リリ、いくよ!」
「ん。」




